抉り取られた枝から
予告もなく傾いていく
網が からめとる とられない
誰かの手紙が捨てられて
落書きばかりにうんざり
ひさかたの果実にうつつをぬかす
転がる、ひかり、分散、なつのひ
夏至祭へと至るパレード、はらり
いつまで待てばいいのか?
雨降りの日には雨漏りに尋ねている
名前が欲しいのか。いらないから捨てた
手紙には宛名がなかったのだから
砕け散った跡だけ
忘れ去られていく
汚れた皿をあらう
ゆるやかに彫刻刀で
月を削り象っていく
ゆびでなぞるころには
あの空き地に角が満ちる
枝がしなり、羽撃いて
路上からまた誰かが消えている
しらないうちに誰か増えている
予告もなく、夜明けが眼を射る
スケジュールに生命が宿る。点を打つ
意図、がゆるやかに笑っていくうちに
行き過ぎたパレード、もう秋の日暮れ
実り過ぎた過日が、落ちて砕けた
作品データ
コメント数 : 26
P V 数 : 3449.4
お気に入り数: 3
投票数 : 17
ポイント数 : 156
作成日時 2021-11-14
コメント日時 2021-12-11
#現代詩
#縦書き
#受賞作
#受賞作
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 24 | 14 |
前衛性 | 24 | 17 |
可読性 | 19 | 6 |
エンタメ | 22 | 3 |
技巧 | 25 | 13 |
音韻 | 13 | 4 |
構成 | 29 | 17 |
総合ポイント | 156 | 74 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 4.8 | 3 |
前衛性 | 4.8 | 2 |
可読性 | 3.8 | 2 |
エンタメ | 4.4 | 0 |
技巧 | 5 | 2 |
音韻 | 2.6 | 1 |
構成 | 5.8 | 5 |
総合 | 31.2 | 11 |
閲覧指数:3449.4
2024/11/21 21時03分18秒現在
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よい。この道を極めなさい。
1果実、だけで褒めてないだろうか?と自問自答した方がいい。と、まぁ、それはともかくとしてありがとうございます。
0どうも、ありがとうございます。
0静かに押し寄せる生活への疲れなのでしょうか、厭世観なのか、虚空を感じるのも秋のもののあわれかもしれないですね。描写が苦しみなどが過分過ぎず、落ち着きを伴い風情があります。
0こんにちは。 夏至祭ってなんだろなっていうのは、正直わかっていなくて、ネットで調べた限りでは、西洋でよくあるお祭りみたいですね。この作品を見て思ったのは祭りに向かう雰囲気の描きかたと、祭りが終わった後の話。それから祭りという、喧噪の中で、消えている名前を持たない存在についての目線ですかね。 分かりやすく考えるのだとしたら、オリンピックとかでもいいかもしれない。オリンピックは久しぶりの大きなお祭りで、いつまで待てばいいのかと思いながら、まっている。祭りは開かないといけなくて、オリンピックが終わった後の後処理は祭りに来た人は何も考えてくれなくて、祭りを開いた側が処理しないといけないよなとか、全部おわったら秋になっていて、そのお祭りを実施するために多分色々な人が死んだり犠牲になったよなとか。そういう事を思いましたね。 という訳で、具体的な読みというのは展開できなかったのですが、夏至という陽の当たる時間が長い日の後は、落陽というかどんどん陽が落ち込んでいくだけになるだけで、ピークに至る道筋と、ピークが終わった後の話をするにはちょうどいい選語だと思いました。そこから、夏至祭に至るパレードの描写と、夏至祭が終わった後、いわば祭りの後を描く展開も面白いですね。夏至を祝う事が目的になっていて、なぜ夏至を祝うのかっていうのも考えると面白いですよね。夏至祭ってキリスト教的には、ヨハネの誕生日みたいな描写もありましたが、夏至であることを祝うのってあんまり意味ないかもなとか。(春になったら祝うなら分かりますね。海開きとか、年が始まるとかそういうのは) 単純に読み切れてないのは、名前の部分で、そこはオリンピックを題材に読んでしまったところがあって外れてるかもしれんなと思いました。手紙の部分については他の人の読みがもうちょっと聞きたいし、少し考えるべき課題かなと思ってます。 ありがとうございました。
0あー、夏至祭はあんまり日本では馴染みないですね。近いのは冬瓜かなんかを食べる風習があったかな? 大騒ぎすることで魔を追い払って、幸運を呼び込むことか、夏至祭の間に飲んだアルコールの量がその年の作物の出来高に影響するみたいなのはフィンランド辺りの風習だっけか? と、まぁ、そういうイメージのなかで祭りに馴染めないものや祭りの後の寂しさみたいなものが影響してるかもしれないし、していないかも。 オリンピックは観てないのですがピークに至る道筋と、ピークが終わった後の話、みたいな切り口も面白いですね。まぁ、後の祭りなもんだから僕が考えても次の作品に繋がるだけだな。百均さんのコメント興味深く読みました。
0落書きばかりの手紙にうんざりして、ひさかたの果実とは?夏至祭のパレード。宛名のない手紙。汚れた皿の象徴性。三日月から新月、上弦の月、満月、下弦の月を経て再びの三日月。月の地球からの見え方が彫刻と言う概念を使って表現された。なぞるしなやかな指。祭りは終わりに向けて参集した人も居なくなっていく徐々に。もう秋の日暮れの意味は。実り過ぎた過日は果実と考えているのかもしれません。
0なんというか、つまらないものばかりみせられてすねたのか厭世観なのか、少しばかり馬鹿馬鹿しくなっていたのかもしれません。削っていくことで満たされ、また変化し続けるイメージの面白さに月動かされた部分もあります。ちらばめすぎたかもしれないですが、綱渡りをやりきった気もしていて書いた自分自身もまだ考え続けています。
0果実は鳥に食べられそしてまた実を付ける繰り返す永遠という言葉への軽やかな微笑み。
0自然のサイクルというのは心地よいものですね。
0夏至祭といえば私の中ではイギリスのお祭りのイメージがあるのですが違ったらごめんなさい。歌うようなリズムがイギリスの童謡を彷彿させてよかったです。
0果実から、過ぎ去った日々への過日、佳日、カシス…酸味と、熟し過ぎた落ち着いた甘さとを感じさせる佳い作品でした。
0おおっ、とコメント飛んでました。 厭世観がないとはいえないんですよね。一筆書きした作品なので余計にそういう部分がクローズアップされたのか秋の物憂げさかは悩ましいですね。
1ヨーロッパ全般にあるのかな。よく聴くのは北欧あたり。イギリスで童謡というとロンドン端とか、、マザーグースか。あれ、いいですよね。ああいうのが書けたら嬉しいのですが。
1こんにちは、今日は佳日でしたでしょうか。この佳日まで転じたらもうすこし奥行きも出たのかな。カシスまでは考えてなかったですが、なるほど。のんびりと飲みたい気分です。
1指先で象りなぞる 意図、ゆるやかに削り象っていく けずり かたどっていく 雨漏りの日には雨漏りに尋ねている 落ちて砕け、しかし皿をあらう 象るようにつくられている 形のひとつひとつ確かめるように、読んでいました。
0雨降りの日には でした。 いろいろな方向から読む事ができて とても楽しく拝読させて頂きました。
0ゆっくりと触れて読んで頂けたようでありがたく思います。自分には珍しく即興に近い一筆書きのように書いたのですが、なんらかの形を読む方に示せたのだとしたら嬉しいです。
1いいですね。何度か読んでようやく何か掴んだ気がします。
0あの忌まわしい映画を彷彿させるような、怖いような、不思議さがありました。 秋への希望が描かれることで掬われた気がします。
0掴んだものが本物か自分で見定めるしかないですよね。
0どうも。微細なノイズ、いい表現ですね。なるほど、ただもしかするとその微風の加減で捉え所がないような印象を与えているのかもしれません。でも、まぁ、秋のことし最後の風だとでも思って貰えたらいいのかもしれません。
0ミッドサマーですかね?まぁ、たぶんそうでしょう。怖さ、に言及してあの映画を引き合いに出された方ははじめてなので新鮮です。確かに夏至祭、だからなぁ。あー、もう一度、観てみようか。無意識に影響されたりしてるんだろうか。
0夏から秋への推移の内に生じる不安定な心的機制が描かれていると思いました。「実り過ぎた過日」に部分が果実ではなくて過日と言うのが印象的でした。
0エイクピアさん、再びのコメントありがとうございます。夏から秋への推移の内に生じる不安定な心的機制、あー、そうですね。要はなんかものがなしい、みたいなのをつらつら書いただけでして、なんとも言えない気分になっています。
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