誰かがドアをノックしたから - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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誰かがドアをノックしたから    

心霊写真には露出魔のまま急死した幽霊のペニスが映り込んでいた。 恐らく長さは18cmだろう。 惜しい人材をなくしたのね、とアメリカ人女性が呟いていたのを、僕は聞き逃さなかった。 窓辺には夕映えがオレンジジュースのように流れていて、僕らの影をゆっくり包み込んでいった。 「俺の拳銃だって立派なもんだぜ」 ズボンのファスナーを下ろして、二本指で開くと、中には何も無かった。真っ暗闇の中に、僅かに、土星が見えるばかり……。 アメリカ人女性は、寂しい顔でうつむいていた。白いその指先で、真っ暗闇の中に浮かぶ土星を撫でていた。 「感じる?」と言ったアメリカ人女性の頭部は大きな拳銃になっていた。 その銃口の中は深い井戸のようで、得体の知れない根源的な恐怖が息を吐いていると思った。 その時、誰かがドアをノックしたので、驚いた彼女はそのまま俺の胴体を撃ち抜いてしまった。 撃たれた経験のない俺はやっぱりビックリしたし、凄く痛かった。「熱い、痛い、熱い、痛い」が猛スピードで全身を駆け巡り、脳天を突き破るあの感覚は今でも筆舌に尽くし難いと思うよ。 とにかく、誰かがドアをノックしたものだから、俺たちは何も無かったように取り繕い、俺は俺の吹き飛んでしまった内臓をタンスの中に放り込み、彼女は頭部の拳銃をその銃口から裏返していって自分の顔を戻していた。 「誰だい?」ガチャとドアを開けると、心霊写真に映っていた露出魔の幽霊だった。やはり18cmはあると思った。大きなペニスをぶらんぶらんさせながら、こんなことを言っていた。 「夕日を感じるだろう。」 外から流れてくるオレンジジュースのような夕映えが、俺たちの影をすっかり包み込んでいた。 棒立ち状態の彼女が大きなペニスの前で機械のように喋っていた。 「私たちはこの世界がレイヤーの塊であることを認識しています。」 太陽が踊っている。 俺たちも踊っている。 彼女の乳房。 大きなペニス。 太陽が踊っている。 俺たちも踊っている。 彼女の乳房。 大きなペニス。 タンスの中の内臓たちが飛び出してきて、 家の周りをぐるぐるぐるぐる回る。 彼女の頭部は大きな拳銃。 太陽が踊っている。 俺たちも踊っている。 社会の窓。 土星が飛び出し、俺たちを踏み潰して行った。


誰かがドアをノックしたから ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 2791.8
お気に入り数: 5
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2022-02-11
コメント日時 2022-03-27
#現代詩
項目全期間(2025/04/04現在)投稿後10日間
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前衛性00
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2025/04/04 19時21分32秒現在
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    作品に書かれた推薦文

誰かがドアをノックしたから コメントセクション

コメント数(5)
三浦果実
作品へ
(2022-02-25)

ピックアップレビューを読んで、こちらの作品に気がついた。これがコメント0なのはたしかに皆、読み落としていたと思う。性的な表現はアメリカンな風味になるとコマーシャル化が簡単に成立するから不思議。日本人はアメリカのカルチャーに施されていて、それらへの反抗の歴史があるかもしれないけれども、戦後からの長時間の経過はDNAまで達しているだろう。おちんちんの在り方、性交の手法、そこには、村上龍の言及を読むまでもなく、情けない日本男児的な残念な結果がある。私はアメリカ人女性と性交をしたことはないけれども、南米ラテンの女性とはあって、その経験がとてもショックなことを教えてくれた。おちんちんは、彼女たちにとって痛いものでなければならないということ。いや、これは普遍なことではない。けれども、痛くて壊されてしまうぐらいに撃ち抜かれたいと、多くの女性が潜在意識にあることを私は知っている。アメリカンでなくとも、日本人男女の間でも、優しい男よりも野蛮的で知性無き男たちに日本の女性たちが寄れてしまい、私の優しさなど、なんの武器にもならなかった痛い気持ちを極私的な恋愛経験からも示しておきたい。幾人かの乱暴者たちが踏み潰しながら私の前を過ぎていった。土星や火星やらのセンチメンタルだけが私には残された。 そんな感じにこの作品を読んで思う。

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三浦果実さんへ
(2022-02-25)

ありがとう。 こんばんは。 おつかれさま。 優しさは武器にならないかもしれないけど、優しく戦うことはできるだろう? いいかい、おちんちんとは、優しい武器なのだよ。 >>痛くて壊されるぐらいに撃ち抜かれたいと多くの女性が潜在意識にあることを私は知っている 私はフェミニストではないけど、真実なら知ってる。 ぶっ壊すぐらいに撃ち抜きたいと多くの男性が潜在意識にあることを私は知ってる。 でもね、優しさを失いたくないだろう? 私はこの詩をおちんちんで書いた。 いついかなる時も優しさがあればいいと思ってる。 戦うこともあるだろうけど、そんな時も優しく戦うことを、忘れてはいけないなと思ってる。 乱暴者に対しても、優しさとは戦わないことではなくて、優しさとは負けることでもなくて、優しさと戦わないことは必ずしもイコールではなくて、ただ戦う時でも、優しさを失わなかったらいいんだ。 これだよ。

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柳煙?
類さんへ
(2022-02-26)

(^。^)

0
柳煙?さんへ
(2022-02-26)

/(^o^)\

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ほば
作品へ
(2022-03-27)

これはほんと、傑作。詩作品として素晴らしい、という意味でも傑作だし、笑っちまうような爽やかさがまた愉快な傑作。皆んな、土星に轢き潰されようや。

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