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枝がしなり羽撃く果実と砕け散る果実とは
夏至祭という習慣を初めて聞き、あらゆる国の夏至祭を調べてみたが、どの国にも特有の夏至祭があり、とても興味を覚えた。 特にスウェーデンの夏至祭は大変な盛り上がりだ。イチゴのとベリーが皿一杯に盛り付けられる。収穫したもので作られたごちそうを囲み、パレードや躍りに終わりがないのかというほどの盛況ぶりだ。それでも夜明けはやって来るところが、この作品のキーでもある。 さて、作品に戻ると、そのような盛況さとはうらはらに「手紙」が出てくる。この手紙が何の象徴かはわからないが、厭世感漂わせる決して楽しげなものではない。 >いつまで待てばいいのか これは誰の台詞なのか。手紙の主か。手紙の受取人か。この祭りの目的に「恋愛成就」がある。結婚を待つ女性の思いなのか。色々なことが浮かぶ。 >実り過ぎた過日が、落ちて砕けた これは、もう長い間この祭りが行われていること、果実と過日をかけていることでわかる。砕けた過日(果実)とは叶わなかった恋 >砕け散った跡だけ >忘れ去られていく >汚れた皿をあらう 叶わない恋と、汚れた皿を洗うシーンでは淡々とした諦めのようなものを感じる。 >路上からまた誰かが消えている >しらないうちに誰か増えている >予告もなく、夜明けが眼を射る 誰かが消えているのは、恋が叶ったものたち。増えているのは、恋を叶えたい人たち。夜明けまで続くパレードと、その終わりを告げる叶わなかった人たちの目に突き刺さる夜明けが目に浮かぶ。 >ゆるやかに彫刻刀で >月を削り象っていく >ゆびでなぞるころには >あの空き地に角が満ちる >枝がしなり、羽撃いて 第一連の抉り取られた枝と、彫刻刀で月を象る行為がにている。しかし、第一連と違うのは、枝がしなったあと果実が落ちるのではなく、手紙が落ちるのでもなく、羽撃くことだ。ここに希望を感じる。 七連以外には特に人の存在が確認できないが、様々な比喩で人の心が読み取れるとても良い作品だと思いましたので、推薦文を書かせていただきました。あくまでも個人的な感想ですが、とても心に染みる作品でした。
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作品データ
P V 数 : 1169.4
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投票数 : 0
作成日時 2021-11-19
コメント日時 2021-11-20
散文のマナーがわかっていないひとの文章。断絶が激しい、滑らかとはいえない文章。
0すみません、具体的な説明がないのでさっぱり理解できかねるのですが。。
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