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いろか におう
あなたの右目にうるむ せかい あなたの左目にうるむ わたし 右目と左目のまじわらない谷間に赤いリボンが切れ間なく泳ぐ つぶって ひらいて また つぶって 「卒業の佃煮を作るんだよ できたら食べにおいでね 男やもめだからさ」 いろか におう あなたの右目にうるむ 吊るされた愚問のかずかず あなたの左目にうるむ 千三十七回の瞑想のれきし 木漏れ日にゆれる 滑稽な まひる むきだしの腕と足に日差しと雲が色をのせる 無感覚のほのかなぬくみ 粘液性の境界線のうえを 女郎蜘蛛がいっぴき しらふで歩いている 「幹の指先にね、 波の音をきかせるのが 夢だったですよ 蝶が海をわたるように らせんにね」 渇かない水たまりのあるひとの声は よくとおる 均等な波紋が 鉄の耳の奥を引っ掻くように あなたとわたしの間には 崩せない水槽がある わすれない わすれない あなたが右目でみる 濁流 あなたが左目でみる 星空 いろか におう うるむ くろめ はくだく いとし
いろか におう ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 811.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-03-04
コメント日時 2018-03-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とりあえず、凄いと。 またゆっくりコメントさせていただきます。
0うつくしくてかっこいい 。赤いリボンとか卒業の佃煮とか混ぜ合わせるのが難しそうなことばを巧みにひとつの作品にしていて、驚かされました。すごい、ほんとうにかっこいい。
0驚きました 出だしから終わりまで一曲が狂おしく廻ってゆく 詩の醍醐味を味わわせてくれました。
0どきどき しました。
0fiorinaさま おひさしぶりです。 fiorinaさまの お目にとまって嬉しいです。 ありがとうございます。
0あやめさま、はじめまして。 なんとなく、自然体で書けた言葉でした。恐縮です。 ありがとうございます。
0李沙英さま、はじめまして。 コメントありがとうございます。 曲ですか……なるほど。 そのように言って頂いたのは、たぶん初めてなのでとても嬉しいです。 ありがとうございました。
0るるりらさま、はじめまして。 書いているときは、とても自然な感情だったのですが、読み返してみると少しどきどきするかもしれませんね。(^^) ありがとうございました。
0仲程さま、こんにちは。 コメントありがとうございます。 そうですね、少し前に書いたものですが、自然体の恋愛詩です。
0渇かない水たまりのあるひとの声は よくとおる 均等な波紋が 鉄の耳の奥を引っ掻くように あなたとわたしの間には 崩せない水槽がある うまく言葉にならないですね。色々なモチーフが二本の糸で編まれた螺旋構造を組み立てていく様に迫る物を感じなくもないのですが、それ以上にこの「崩せない水槽」という言葉。なんとも強靭だと思います。人の声は常に濡れていますが、それを水たまりにかける発想も見たことがない。 細部を読み込んでいくと、この詩はもっと面白く受け取れるような予感がありますが、とりあえず初読の感想として軽く置かせていただきました。もっと他の方の感想が読んでみたいですね。
0言葉の使い方がすごく素敵で、好きだなあ、と思いました!
0百均さん、こんにちは。 お読みいただき、ありがとうございます。 全体的に捉えどころのない物になっていますので、読んでいただいた方のニュアンス次第ということになるのかなぁと思っています。 「渇かない水たまり」というところは、心のなかの涙のようなものを指しています。かなしみを抱えているような人のイメージです。 コメントありがとうございました。
0さしみさま、こんにちは! お読みいただき、コメントをありがとうございます。 とても嬉しいです(^ ^)
0二人の間の距離感、空気感がいろんな表現によって映されていて、この詩の中に入ってしまう感覚がありました。 >右目と左目のまじわらない谷間に赤いリボンが切れ間なく泳ぐ とか >木漏れ日にゆれる 滑稽な まひる むきだしの腕と足に日差しと雲が色をのせる とか、なんだか何かに呆然としているようで、鼻の奥がツンとしそうでした。 好きです。
0社町さま、はじめまして。 お読みくださり、ありがとうございます。 距離感や空気感て、微妙ですよね。 美しく老いる、とか、晩年の色香、のようなものを表現したかったです。 気に入っていただけて、とても嬉しいです。
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