髪が目にかかる
ひとつ暗くなる
長く伸びた爪の先から
ぱらぱらと
ほどけてゆく
行き場のない視線
逸れて
地に落ちた
肌を走る熱は
ただ透き通って
汗の色さえ
見えなくなる
開かれた瞼
朝霧が
睫毛の付け根から
こぼれてゆく
黒い太陽の奥は
光を呑む
こんなにもあたたかいのに
脊髄がきん、と冷えている
しゃぼん玉を掻く指
つるつると滑る虹色の膜が
接しようとしているのに
指紋ひとつ
噛み合うことはない
白い骨の中を
ぬるついた球体が動く
その中に
世界がある
根はひたすらに伸び
重く滑らかな肉に食い込んでいる
向かい鏡は互いを映す
増殖する視線
かたちのない存在は
輪郭を得る
空がある 大地がある
身体があるから
世界に立たざるを得ない
こちらを見る瞳
のばされた手を取り
何処にも行けないと知る
ひとりは
ひとりでしかない
けれど
あなたに触れられる
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1126.0
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2022-02-01
コメント日時 2022-02-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1126.0
2024/11/21 23時27分49秒現在
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あっなんかいいですね 酔っ払ってるのでうまいこと言えないんですが なんかいいかんじがする この身体性が〜云々って書きたくなるような 構造もいいかんじだけど文体もいいかんじ ライクです
1最後が好きです。
1なんとなくなんかいい感じなのに越したことはないです。
0何よりです。
0コーリャさんが身体性にチラッと触れてますけど、この作品にある身体性ヤバいっすね。良い意味でね。なんというか、その感じる身体性が一つだけの感触じゃなかったりする。読んでいて、時に滑りがあったり、時にはひんやりしたり。良き作品。
1肉体を捨てるのやめました。
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