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錆世
錆び付いた鳥が宙を舞う 道路を覆い尽くす車の群れが泣いていた 泥塗れのの国旗を踏み付け歩く 落日の憂いは廃ビルの非常階段を駆け下りてくる 決して振り向くな 蔦を払い西へ向かう 遥か遠く、ニライカナイのさらに先へ 半透明の残響が呼び掛ける日々を燃やして眠る 石の国、樹脂の砂漠を抜けてゆけ 果ては遠く、名も知らぬ場所を目指し 昼と夜に追い抜かれ続けて幾星霜 朽ち果てた街を踏み分けて 非常階段の軋む鎮魂歌 街灯で出来た桜 打ち捨てられた携帯の鳴き声 剥がれ落ちた塗装が地面を紅く染める 硝子の雪が意地悪に肌を刺す 終わってしまった者達は哀しくも美しかった
錆世 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1298.8
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-07-25
コメント日時 2020-07-30
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
即興で返詩を川柳で。 光乗り 涅槃超えゆく 錆の空
0造語なのでしょうか、不思議なタイトルに惹かれて読み始めました。最後まで明確な主体が登場しないのですが、荒寥とした風景の描写はどこを切り取ってもキラーフレーズだと思いました。 ニライカナイは東のはるか先にある異界、理想郷だそうですが、そこを目指して進む途中のこの世界の退廃した様子はまさにこのタイトルに繋がっているのだと最後まで読み終わった時に感じました。
0すべてのものがひとつの終わりを迎えて地続きの遙かな常世へと向かっていく。西、という方角やニライカナイという言葉からそんなことを想起しました。主体は滅びた町?廃墟のような場所を歩きながらそれを思い終わってしまったものたちに思いを馳せているように感じます。
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