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私達家族の死
命を吸い取るよう 花火が打ちあがる ドンと開いたあと 煙を残して消える あんなにたくさん在ったのに 一瞬で行方不明だ 親は子をぶった 何度もぶった もうお前なんか見たくないと ランドセルを外へ放り投げた 大人になった子どもは家を飛び出し 新しい家族を作った 親になったその子は子をぶった 何度もぶった もう二度とお前なんか見たくないと ランドセルを外へ放り投げた その子も家を飛び出して また新しい家族を作った 私達家族の死骸はバカみたいに上を向いたまま 打ち上がる花火をボンヤリ眺めていた 母はウチワで私達を扇いで 父は口をポッカリ開けたまま 混む前に帰ろうやと言った 早く布団で眠りたかった 私は名残惜しくて何度も後ろを振り返ったけど オヤは一度も振り返らなかった
私達家族の死 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1167.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2020-02-10
コメント日時 2020-02-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 3 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
親子間で繰り返される不幸は悲しいものがあります。 しかし、打ち上がっている花火を家族で眺めているほんの一瞬だけ 言葉にしなくても分かり合えるようなうつくしい感情が、家族の間に共有されたんだろうなと感じました。 花火をぼんやり眺める家族のことを「死骸」と表現しているところが、とても印象に残りました。
0最後の「オヤ」は何を示しているのか。そんな不思議さと、花火の様な儚さを感じました。
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