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誓い
人のいない真昼 都市は連帯に悶えていて 都市の配管の末に一滴の誓いが芽生える 真昼の誓いは沙漠へと向かい 死の永続性を砂に誓う 涸れ果てた湖を 野獣の群れが飛び交っていく 無限に広がる誓いを残しながら 湖の誓いはほどかれて 物質の未練を救済していく 過ぎ去った夏 誰かの足音が愛に満ちていて 他の誰かに複雑な誓いを残した 誓いを解き明かすのは不可能で 夏はもはや過ぎ去ることがない
誓い ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 961.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-02-14
コメント日時 2017-03-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
第一連で二行連続して「都市」が使われているんですが、三行目は「その」では表現的にダメなのかなと思いました。そしてタイトルでもある「誓い」や「誓う」という言葉が頻繁に使われているのですが、意図的かはともかく個人的には違和感がありました。もっと別の表現にした方が良いのではないかなと思います。 最終連も最初と最後で表現が矛盾していて、これも意識してやっているのか、だとすれば効果があったのか疑問に思います。その一方、頭の中で映像を浮かべやすい作品でした。
0過酷な環境。砂漠。自分が生存するために必要な人間を助ける。 助けられた人は誓う。礼儀的に誓う。その誓いは偽りとはならない。助けることも、誓うことも、過酷な環境の作用に過ぎないから。都市ではどうだろうか。連帯に悶えているという。過酷なことなど何もないのに。過酷でもないのに、年間自殺者が3万人いる。一体、それは、何が作用しているのだろうか。 『誓い』を読んで、そのようなことを思索しました。もとこさんが先にコメントされている「誓い・誓う」という言葉の違和感。私の主観でしかありませんが、例えば、「祈り・祈る」に置き換えると、この作品が持つ、荒れた土地にひとり生きる強者のイメージが喪われるのではないかと。(もちろん、その強者をイメージしているのは私だけかもしれません) 作者が、この作品を、一筆書きのような、即興でもしやられていらっしゃるとしたら、 その才能が私は欲しい。 投稿有難う御座います!
0こんにちは。露崎です。 「誓い」のワードパワー(造語です)を改めて感じさせられたので面白かった。 そもそも「誓う」ってけっこうヤバいよね。ということを思い出させてくれる。 ざっくり書いた感じはあるわけですが、地味に最終文末の「~い」が強い余韻を残してて、 文章全体のリズムにナイスー。とおもいました。次回作も、ぼくは読むと誓うぜ。真顔。
0>もとこさん 表現の細かいところまで見てくださってありがとうございます。すこしぎこちない造りになってしまったのかもしれません。矛盾については、詩においては却って戦略的に使用していこうと思っています。 >三浦さん 私は推敲というものをあまりしない人間で、この作品も一筆書きのようなものです。もちろん、その分整理が足りなかったりしますが、勢いや自発性が宿ると思っています。 >露崎さん そもそも「誓」うという行為を解き明かそうとして書いた詩です。強い言葉ではありますね。
0抑えた抒情性に満ちた作品だと思いました。「連帯」とか「誓い」という、非常に重力のある言葉が、作品に根を下ろしているかどうか、ということが問題になってくる、のかな・・・ 一連目、特に冒頭三行、これは素晴らしい入りだと思います。一滴の「誓い」が芽生えるところ。連帯に悶えている、という流れから、荒んだ人の心に、潤いを一滴でも与えられる存在になりたい、そんな「誓い」なのかな、という印象を受けました。 気になったのは、〈死の永続性を砂に誓う〉〈物質の未練を救済していく〉という、とてもカッコよくまとめてあるのだけれども、抽象度が高いゆえに・・・連帯に悶えている、という身体的な切実さから、少し離れてしまっているように思われるところ。誓い、という言葉の重ね方も、少し多いのかな(力み過ぎているように感じられる)と思いました。 季節としての夏(これは、青春とか、情熱に燃えた季節、ということなのか?)は過ぎ去ったけれども、夏は過ぎ去らない、という、ある種の矛盾・・・二度目の夏は、灼熱の大地をもたらす夏、人の心を干からびさせる強烈な夏、という意味なのか?という気もするのですが・・・だとすれば(違っていたらごめんなさい)照りつける陽射しとか、焼き尽くそうとする陽射しとか・・・そういう、烈しさ、荒廃をイメージさせる「なつ」に持って行き、それでもなお、自分は一滴の水をもたらす存在になる、と決意を感じさせると、よりエネルギーと実感に溢れた作品になると思いました。
0こんにちは、かっこいいなって思いましたこの作品。 一つの聯のなかに、同じ言葉を何度も使うのは悪手だとあたしは考えているのですが(くどく感じてしまうので)、この作品ではそれがうまく機能しているように思いました。 1聯、「都市は連帯」と「都市の配管」が隣接していて、「連帯に悶える」という具体的イメージを読者に持たせづらいものを、都市をかけめぐるパイプラインにつなげているように思いました。 特に「人のいない真昼」という無人さを強調しておきながら、「連帯」をイメージさせるのはうまいなぁ、と。 また「一滴の誓い」と「真昼の誓い」は、「配管」「一滴」から液体のイメージと、「人のいない」「一滴」から孤高なイメージを絡ませつつ、砂漠ではなく「沙漠」であることから水の希少な状況を強調し、そうしたイメージが「誓い」という語に重ねられて行っているように思いました。 1聯で蓄積した「誓い」のイメージが、2聯では「涸れ果てた湖」「無限に広がる」という言葉で引き受けられています。あたしには、たった一滴の水が砂にしみただけなのに、乾燥した土地を潤していくイメージと重ねられているように読めました。 最終聯は「過ぎ去った夏」ではじまり「夏はもはや過ぎ去ることがない」で終わるので、二つの「夏」が異なるものを指しているのかと思いました。 はじめの夏が1,2聯でイメージされていた乾燥のこと(「死の永続性を砂に誓う」)、さいごの夏は乾燥から生命を取り戻すもの(「湖の誓いはほどかれて/物質の未練を救済していく」)と思ったのです。 ただ、「誰かの足音」「他の誰か」(「人のいない真昼」の終わり)は、生命の復活な気もするし、「誓いを解き明かすのは不可能で」は「湖の誓いはほどかれて」の逆を示しているような気もするし、びしっと読み切れないのですが、多義的な結末になっていて好きです。 (「多義的な結末」って言い方がどうかしらともおもうのですが・・・。)
0>まりもさん ご指摘参考になります。抽象的であったり思弁的であったりするのは私の特徴の一つで、良くも悪くも指摘されることが多いです。基本的に思想を書いているんです。 >caseさん 丁寧な読解に頭が下がります。特に私が付け加えることはありません。
0varyさん、こんにちは。はじめまして。 とても良い作品だと思いました。 思想が詩の指先に触れて開花し繁茂する芝桜のような作品だな、と感じました。 2聯目4行目の「ほどかれて」など、とてもおもしろい表現を選択されていますね。 「誓い」や「連帯」など、重く硬く、取り回しの難しい言葉をわたしは好まないのですが、 うまく扱われていて、勉強になりました。 ありがとうございます。
0こんにちは。 思想は私にとって重要な詩作のモチーフなので、その点に気付いていただいたのはありがたいです。
0再びのコメントになってしまっており、悪いのですが、作者vary氏の『誓い』について。 当作品のコメントにてvaryさんが開示された 『私は推敲というものをあまりしない人間で、この作品も一筆書きのようなものです。もちろん、その分整理が足りなかったりしますが、勢いや自発性が宿ると思っています。』 このコメントが意味することは、がーーーーんときました。私にとっては。これです。これ。 少し、話しが逸れますが、あおいうにさんをはじめとする、「現実の世界で、表現作品のレスポンスを受けている人」と私のような「ネットの非現実世界だけでレスを受けている人」では、洗練性の度合いが違うのではないかと、私は考える。 では、非現実世界から飛び出す得る洗練性を重要視した、詩作というのは、どうあるべきか?それは、一筆書きなのだ。 即興詩を皆さんはやったことはありますでしょうか。一般読者の皆さんも是非、お部屋で、そっとやってみるとよいですよ。 私は、自分で云うのもなんですが、投稿作品は下手ですが、他人から唐突にお題を出される方式の即興詩はむちゃくちゃ上手いのですよ。それは、私が営業職で即興のプレゼンに慣れているからかもしれませんが。でもね、そのプレゼンでもそうなのですが、事前に構築された提示よりも、その場の即興でやったことのほうが、心を掴むことが多い。 何が言いたいのか。 我々が云う、そのポエジーやら詩情やらというのは、varyさんが開示されたコメントに隠されていると思う。 どうでしょうか? そういった意味合で、こちらの作品をもう一度トップへ上げさせていただきました。
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