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離別
手のひらに収まるものだけを愛していこうとして、 けっきょく孤独を選んでしまった僕は単なる弱虫だろう。 傷のつけ合いから目を逸らしただけで、不適合者の烙印を押さないでください。 僕はまだ生きていたいだけです。 寝ても覚めても会社に行っても風邪を引いても、あなたとの別れが頭から離れない。 さよならだけが人生なんて、誰が勝手に決めたんだ。 いちばん繊細だったはずの感情が雨に打たれても屹然としていて、僕はもう大人になったんだろう。 煙草を一服すると空虚なこころに紫煙が満ちて、子供の頃の思い出がまた濁っていく。 夕闇。今日の自分に別れを告げて、孤独な夢に堕ちていく。 生きたいと願えば明日がやってくるし、そうじゃなければ、今日が繰り返されるだけ。 どちらを選ぶのも嫌になったときは、扉に鍵をかけて、一瞬だけ死んでしまおう。
離別 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1504.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2020-01-31
コメント日時 2020-02-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 7 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.8 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 1.8 | 1.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
さよならだけが人生だは、井伏鱒二の言葉だったような。
0エイクピアさん コメントありがとうございます。 井伏鱒二が「勧酒」を訳した際の言葉です。
0愛していた方に対する気持ちを何とかして押し殺そうとする葛藤。 別れた後悔の念。それに対する自分自身への止まらない憎悪や諦め、現実逃避。 感情すら感じず、空虚感やいっそ死んでしまいたい絶望の縁で、対極するかの如く、生きていたい貪欲さも感じさせられました。 死にたい気持ちや絶望な感情。どろどろした気持ちなのだけど、「一瞬だけ死んでしまおう」この表現は「助けて欲しい!」っていうメッセージも含まれているのではないかと個人的に思いました。 葛藤にもがきながらも、傷つきながらも、希望を何とかしてでも見いだしたい、生きていきたい。 矛盾を感じながらも、葛藤しても、苦しみながらも、生きていきたいという、複雑な心理を描写されている作品だと思いました。 繊細で折れてしまいそうだけれども、同時に生きていきたい。希望が欲しい。そう強く感じる作品だと思いました。 難しい気持ちの表現を言葉で再現できるのは、素晴らしいと思いました。 まるで、背景が浮かんでくるような、作品です。是非、見習いたいです。
0心に染み込んでくる、いい詩です。
0mimiさん コメントありがとうございます。 自分でも意識していなかった感情を、 mimiさんのコメントで多々気づかされました。 今後、詩作をするうえで励みになります。 ありがとうございました。
0ミリウェイズさん コメントありがとうございます。 そう言って頂けると、嬉しいです。
0生きたいと願えば〜一瞬だけ死んでしまおう が 孤独な夢に堕ちて そこで発した言葉だと思うと ゾクっとしました
0れいんまんさん コメントありがとうございます。 その文章は、寝ても覚めても孤独から抜け出せない、という心情を表したものです。
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