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皆殺しの比喩
死んでください いいからしんでください だからしんでください。 いわないでください。 何もいわないでください。 何もつたえないでください。 黙ってください。 詰まらないのでしんでください。 間もなくしんでください。 どうでもいいので死んでください。 話しかけないでください。 こっちこないで、黙って、そしてしんでください。 やめてください。 いい加減にしてください。 しんでください. しんでください.. しんでください… + (((長い髪の毛を一本、風呂上りのタオルに見つけた))) これは男だろうか女だろうか?…多分女だ。しかし、本当に女なんだろうか? いや、間違いない女だ。絶対にこの長さは女だ。いやしかし、だれだ? これは誰の髪の毛なんだ? 俺は童貞で、童貞であるから、知り合いなんかどこにもいない。だから、これは、ここにいる筈の無い誰かの髪の毛に違いなかった。どこにもいない、誰かの。人の気配をどこにも感じる事の出来ない一本の長い長い髪の毛をどれだけ触ってみても、何か分かる筈がなかった。誰かの匂いとか、そういう物が全くしなかった。という事は、きっとそうでしかなく、そうでしかないんだろうな。俺は、この部屋のどこにも、誰かや何かを隠してなんかいない。何も殺してなんかなかった。だから、この部屋には誰もいない筈だった。そんな、どこにもない筈の女という存在を、一本、一本、タオルから見つけて引き剥がす度に、何故か今まで見たことの無い筈の女の顔が、切り裂さかれるイメージが浮かび上がった。…ああ、そうだ、思い出してきたぞ、この顔は集合写真でとった、そうだそうだ、あの日、あの場所で撮った、集合写真に映った女の影。灯台のある岬で撮った学生時代の思い出の場所。自殺する人間の絶えない観光地で撮った写真の中に写りこんだ幽霊の顔だ。そうじゃないか。でも、いや、しかし、なんでそんな女の髪の毛がここにあるんだろうか …そして、ここはどこだろう。ここってどこだっけか。ここは本当に俺の部屋なんだろうか? 本当に俺の部屋? …そうだ、ここにいるのは、俺は、誰だ。そして、女は、女はどこにいる。 (答えろ「…((答えなさい「「……(((答えろってば「「「………(笑い)―――((((殺すぞ))))女よ、 お前は何処だ、どこにいる。しかし、部屋の中に女の姿はなく、いやある、いやない、いやある筈だ、どこかにいる筈なんだ、というか、そもそも女が存在する筈の無い俺の部屋に、長い髪の毛が数本、ここに存在する筈のない女の気配を宿している。この髪の毛そのものの気配のなさ、女の全ての肉体と精神を顕していた それ以上の事は何も分からなかった。分からない。そうだ分からない。本当に分からないのか? いや、分からないんだ。いや、しかし分からない筈がないんだ。…これは困った。俺の右手には、紛れもない女の髪の毛が存在している。それ以上の言い訳が思いつかなかった。…言い訳? 「訳」とはなにか? 「言い」「訳」とはなんだ? なんで、俺は今「言い訳」を考えているんだ? そんな事する必要ないし、髪の毛を隠す理由なんてどこにもないのに。なんで申し訳なんだろう。なんで涙が溢れ出してくるんだろうか。俺は床にへたりこんだ。痩せ切った両腕で鎖骨の浮き上がった上半身を包み込む。顔を埋めてフローリングの床板の線を一心に見続ける 分からない。 分からないから分からない。 しかし、それらの事は俺の中で、既に「どうでもいいことにしてしまう事」になってしまっていた。 俺は覚悟を決めた。 女の髪の毛を「君」に喩えることにした。 俺は排水口の奥底に流す事にきめた。 ―――俺は、君の髪を口に含んでいた ((((そうか、これはゆめの中の映像なんだ)))) 君がオレの手足を鋸で切っていくのを黙ってみている。俺の口を覆っているのは長いながい君の髪の毛だった。猿轡のようにして、舌に絡んでくる脂ぎった黒髪の味はガソリンの味がした。これは夢だ。そうだ、つまらない夢の続きだ。と、思うと、俺は部屋をでていた。ポケットに手を入れても、鍵はなくしたままだった。俺は階段を下りる。しかし、どこにいても腹は減るものだ。俺はおもむろに肉を食べ始めた。何の肉であるか? わからない、しかし、舌を伝う感触は正に血だった。首元に垂れてくる血の色は鼠色だった。親からの送金が減らされることになった。俺は唐突に自分の立場を思い出して、壁に強く当たった (嘘だ) 稼いだ金が、てめぇのオナニーに溶けていくなんざ悲しい。やめてくれ、どうかやめてくれ。お願いだから死んで下さい。どうか可及的速やかにしんでください。例えば、お前なんか産まなければよかった。育てなければ良かった。お前に餌なんざ与えなければよかった。お前を育てる代わりに別の子を産んで育てれば良かった (((仕方ねぇだろ! オレだって好きで生まれた訳じゃなかった。あんたらの元に生まれたくなかった。親切なんかされたくなかった。そんな俺に、一体どうしろっていうんだよ!))) そんな話を! 週に一度! 日曜日の夜に、月曜日の朝が来る前に、決まって、祈るように、やってくる、電話を、切断することができない、俺は再びかけなければいけない。やめてくれ、今にも死んでしまいそうだ。そうだ、髪を食べよう。君のような伸びた髪は俺の髪の毛だ。君の物ではない。というか「君」ですらない。俺そのものだった。匂いなんて最初からこの部屋に染み付いていただけじゃないか。長い長い髪の毛は、部屋の外からエネルギーを供給するコードの類ではなかった。他の何者の線でもなかった。一度部屋を出て鏡を見ればいいんだ。そこに何が映っているんだ。お前の顔だろうが。そこに、お前の顔が映っているだろう。落ち武者のように伸びきった髪の毛がそこに映っているはずだ しかし、俺はパソコンを開く事にきめた。 昨日、何処かで誰かが死んだ。その死の痕跡をブログでまとめていた。 そんな話を誰かが噂していた 「誰が死んだ? 「誰が死んだんだ 「あれは酷い有様だった「いや、そうじゃなくて「皆殺しだ。「立て篭った人間が人間ごと吹き飛びやがったんだ「んな話あるかよ、つーか冗談だろ?「いやマジなんだって」」」」」」」」っていう動画はつまり、動画でしかなかった。つまり嘘だ。端的に言えばウソだった。「そうか、嘘なんだ「ウソだったんだ!」」 例えば、誰かが捕まった話をしよう。例えば昨日、ダチの父親が死んだ夢を見た話をしよう。例えば、俺だけ親戚の葬式に呼ばれなかった話をしよう、例えば、服用した薬が、知らなかったとは言え違法だったことについて話そう。想像しよう。さぁ、イメージを膨らませて。想像するんだ。例えば、世界中のなにがしの、それがしの、だれがしの、何がしが、誰がしによって、例えられた比喩によって、ここに一万本の比喩が咲くんです。どうですか。すばらしいでしょう。「とても素晴らしいと思います」「確かに、それれは素晴らしいですね」そうやって、みんなつながるんだ。一つのわっかになる。俺と君は繋がる。あるいは、ゲームがアップデートされた時に消える過去のデータについて。もう二度と校合される機会のない電子的なデータについて。ああ、懐かしいな。昔の話を思い出そう。本当にあった事を、そして嘘の話をしよう。物語をしよう。それらを寝る前の子供に聴かせるとき、サンタクロースなんか本当はどこにもいない事について。例えば、そこで急に誰かが死んだ話をしよう。射精の話をしよう。一億人の精子が三度の性行為で死んでいく話を。俺がついに果てて、深い深い、曼荼羅の果て、つまり宇宙の果てにおいて、黄ばんだブリーフの底の中で、ゆりかごにそっと揺られながら、再び射精する話をしよう。その行為の果てにお前が生まれた話をしよう。嘘の話をしよう。繰り返し繰り返す嘘の話をしよう。しかし、俺は童貞だ。俺は童貞である。俺の腕の中で眠る息子だか娘だか得たいの知れない髪の毛の長さを、そういう線を束ねて薪にした一個の頭蓋をくべられた暖炉の話をしよう。眠ってしまいそうな世界がすぐ側で延延と揺らめいている話をしよう。そういう温かさが全て嘘だっていう話を「君」にしよう。しかし、君は「その嘘使い方は間違ってる!「その嘘の使い方は、私の方が知っている「いいや、うそだね。俺の方が知ってる」という会話を燃えるゴミを焼却処分する時の温度で、業火の中で、修羅の中で、煉獄の中で、嘘話の中で、マラをこすっている最中で、というつまらない重層的な夢の中で、よりもっと、正しく、静謐で繊細な形の中で火に包まれて、熱せられた頭蓋骨に罅が入り、中から新しい嘘と未来の欠片が芽を出し始める。おそらく殺されてしまうであろう「未来」と、その「死骸」。という「両極端な双子」が遺伝子が、新たに産声を上げる。最終処理場、道徳の授業で読んだ夢の島の思い出という夢の空を大量の鴉と鴎達が飛び交う。波止場で、岬の先の崖に陰影した見知らぬ人の影と太陽で、波間に攫われる右手の先端の鼠色のネイルが綺麗だった + 夜。場末のバーで、中年男が尻を振っている側で、童貞がカクテルを飲んでいると、となりに黒ずくめの格好をした男が座った。男は適当な酒を注文すると、それをぐびぐびと飲み始めた。童貞は隣の男にタバコを差し出してみようと思った。童貞がバーにきたのは、これが初めてだった。というかそもそも、ここが場末であるかどうかなんて、童貞はまるでわかっていなかった。場末の意味なんざ知らなかった。だからといって意味を調べる気は毛頭なかった。そして黒づくめの男の正体は死神だった。死神は今日初めてセックスをしたのだという + この話をするたびに君は死ぬ。もう一度殺され、そして何度も殺害されるだろう、そして何度も殴られるだろう、そしていずれ撲殺されるだろう、終わらないからおわらないのである。ゆえにリフレイン、リフレインと名付けられた、ある人がぼくに向かって言いました。「大事なことっていうのは簡単に結論付けてはいけません」と誰かがいいました。尊敬できる人の言葉っていうのは、よく覚えているもんだね。うそ、んなこたないよ。ある種のキチガイがそこにいました。僕は生まれて初めてギターを握った。初めてピアノを弾きました。鍵盤を叩きました。大声を出しました。それがはじめての歌でした。ぼくはそれに感動して鉛筆を握りました。すると何もかけませんでした。黒い●を書きました。デタラメなスケッチをしました。デタラメな丸をいくつか書いてみました。それは顔になりました。でも、それが、何になったかい? って聞かれたら、じゃぁオマエはどこに立ってるんだって、答えられるのかい? と言って答えられるのかい? って、じゃぁそしたらオマエは答えられるのかい?ってHey!!Hey!!Hey!!Fuck!!Fuck!!Fuck!!って壁に腕付いて、影絵の中で腰を振る。そうやって叫ぶ俺の舌は太すぎて、綺麗なRが巻けないんだ + 「もっとかきなさい 「マスを掻くんだ 「掻き毟らないと 「包茎を長い年月をかけ剥いていくように 「花びらを一枚一枚めくるように 「もういちど比喩を書きなさい 「それを詩文によってしたためなさい 「手紙をかきましょう 「そして誰かに向けてかくのです 「誰にだっていいのです 「あなたは、かかなければなりません 「そして書き終わったら焚書するしかありません + 死んでください。 いいから死んでください。 やめてください。 言い訳はいりません。 ききたくもありません。 難しい話はやめてください。 とてもつまらないのでやめてください。 いいから死んでください。 うんざりだから死んでください。 そんなこと、くりかえしてばかりいるから、 長い比喩になった、これを皆殺しにしてください。そう言ってぼくは店をでた。昨日の晩ホテルでぼくと話した男の顔は不在で、しかし残された黒い手はまるで黒人のように手のひらが薄くぼやけていたから、去り際に握手をした。とても力強い握手だった。その男は帽子をあげて、ホテルの入口さよならをした途端に銃で打たれて死んだ。駆けつけた少女も打たれて死んだ。それに駆けつけた母親も打たれて死んだ、父親も死んだ、皆殺しだ、フロントマンも打たれた、付近の住民もうたれた、ようやく駆けつけた救急隊員も打たれた、それにかけつけた警察官も打たれた、ホテルの二階で性行為をはたらこうとしていたカップルも打たれて窓から落ちて死んだ、僕の周りに何個か池が出来ていた。ぼくは一つ一つの水の味を確かめながら、世界中で起きる様々な出来事を眺めていた。そして、鉛筆を走らせて何か書こうと思っていた。しかし何もかけなかったので、持っていたスケッチブックを池に放り投げた。スケッチブックは鼠色に染まっていき、ぼくはその場膝を抱えて始めた。そこから顔をどれだけ見上げ直しても、誰も映らなかった。それでも待っていた。僕は待っていた。誰かを待っていたんだ。ずっとキーボードを叩いていた。ここぼくは存在していた。という、なんの意味も持たない感情が、とても愛おしいんだって、Twitterで伝えようとした。愛について話そうと思った。程なくして、街路樹は植えられるときに、邪魔な大きさ木の根を切り取られる事の意味の話を思い出した。それは、生まれたての赤ちゃんの手足を切断して、小さな箱の中に入れて生き埋めにすることと同じなんだって。という話を唐突に思い出したのは、なんで? なんで、思い出したのかわからないが、それでも僕は、今日も本を読んで、そういう話を思い出しては忘れた。本の内容よりも過去の例え話を思い出した事の方がきっと大事だった。そんな大事な事を忘れないように、詩を書き始めてもどこかで行き詰まった。気分を変える為に、小説を書き始めても、たった一行も書けなかった。そもそも書きたい比喩なんてどこにもなかった。そして、僕は学校に行く事をやめて公園に出かけた。老人たちが仲良くキャッチボールをする広場の脇に作られたベンチに寝転がって、暖かい日差しの中、分厚い本庇代わりにしながら読みはじめる。そうしてたら、木枯らしがぼくの上に、一枚の葉を降らせたとき、その葉を右手で掴んだとき、その葉脈を見つけたとき、その葉を握りつぶしたとき、喉が乾いて自販機に向かったとき、右手を開いて離したとき、バラバラになった木の葉をもう一度地面におとしたとき、その上からもう一度すりつぶしたとき、色々なそのときのこと、昨日たべた女の話を、そうして切り裂いた女の話を、童貞の話を、バーテンダーの思い出を、夢の話を、誰かの夢の話、色々な夢を観察した時の話を、そして、キミの話を、今顔に落ちてきた木の葉の話を、その木の葉を手でふるい落として、汚れたスニーカーで磨り潰した瞬間に、俺は君は僕は、もう一度、忘れてしまうのだろうか
皆殺しの比喩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1184.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-08
コメント日時 2017-08-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
長いよ!長くて体力が続かなくて、流すようにしか読めなかったよ! にも関わらず、目の端っこに張り付いて離れない表現がいくつもですね、ありましたこれは本当で。 まず冒頭から死んでくださいの連発でもうそこから引っ張り込まれてしまったんだろうとおもわれるんですよね。 そもそも書きたい比喩なんてどこにもなかった。 百均くんは、どこまで実際の生活の話をしていてどこから頭の中の話をしているのかわからないけれども、私はわからないながらもその渦の中に引きずり込まれてぐるぐるとですね、してしまったようです。 面白い面白くないという観点ではなく、文章としてどうかというと、なかなかに、引力のある文章だったなと。私がハエだとすればですね、おそらくハエ取り紙のようなですね、そういう文章だったという風にですね、私には、感じ取れました。はい。なんともない愛の話が、非常に、大切なわけです。
0冒頭の「しんでください」の連投、誰の言葉か、何の言葉か、その勢いに呑まれつつ・・・二連目から、まるでどこかから引き連れてきてしまった(貞子のような)女の幽霊、その気配を感じ、悪夢の映像を見ているようなスリリングな感覚を覚えました。そこから〈そんな話を!~〉の連に到って、女、が母、にも思われてきて・・・別の意味で背筋にぞわっとする感覚を覚えました。 実のところ、〈そんな話を!~〉の連、〈落ち武者のように伸びきった髪の毛がそこに映っているはずだ〉でいったん止めて、これをひとつの作品、とした方が良かったのではないか。続く連は、連作のⅡ、とする、など・・・ 全体の長さや構成、読みやすさなどを考えると、そうした二部構成の方が良かったように思いました。 〈ここに一万本の比喩が咲くんです~一つのわっかになる。〉比喩、とは何か・・・この連の重量感というのか、迫力が凄い。これで一篇の詩とした方がよいのかもしれない、そんな熱量を感じます。言葉の連続して繰り出される強度にも惹かれました。 その分、〈夜。場末のバーで、~〉と、〈この話をするたびに君は死ぬ。~〉の連が、なかだるみ、の感がありました。 「もっとかきなさい からの連は、高揚感と消耗感、突上げて来る衝動に任せて書き散らかして、そのあとぐったりと果てる、そんな詩作とのアナロジー・・・勢いで書き連ねていく、若さと体力に任せた詩の書き方・・・書き上がったものを見て、〈焚書するしかありません〉というある種の自罰感情のような、書きたい衝動に振り回されている感覚・・・を想起しました。 ネット空間と現実とのはざまで、押し寄せて来る言葉、押し寄せてくる感情、押し寄せて来る「どうにもならない出来事」・・・いつまでもそれをグダグダ言ってんじゃねぇよ!・・・と突きつけられたような感覚も覚えつつ(これはまったくの、個人的な、勝手な受け止め方です)〈そこから顔をどれだけ見上げ直しても、誰も映らなかった。それでも待っていた。僕は待っていた。誰かを待っていたんだ。ずっとキーボードを叩いていた。ここぼくは存在していた。という、なんの意味も持たない感情が、とても愛おしいんだって、Twitterで伝えようとした。〉この一節を、何度も何度も、読みました。誰か、を待つのか、何か、を待つのか・・・わからないけれど・・・それを、Twitterで伝えよう、という発想は、私には無かった、その新鮮さも含めて・・・響く部分でした。 〈街路樹は植えられるときに、邪魔な大きさ木の根を切り取られる事の意味の話を思い出した。それは、生まれたての赤ちゃんの手足を切断して、小さな箱の中に入れて生き埋めにすることと同じなんだって。〉助詞が、抜けてる?と思う所が、全体に何カ所があって・・・〈大きさ木の根〉あたりも、脱字かな、という気がしないでもないですが・・・型に嵌め込まれるということ、社会に嵌め込まれる、ということ、無理やり適応させられる、ということ・・・その残酷さを思い出した、その瞬間をとらえているように思い、ここもまた、惹かれる部分です。 〈そもそも書きたい比喩なんてどこにもなかった。〉書きたい詩なんて、何処にもなかった、と言うに等しい・・・でも、詩、と言わない、あくまでも比喩。そのものをそのままに捉える他ない、そのことを記憶しようとしても、薄れてしまう、失ってしまう、忘れてしまう・・・ということの意味。 書いても語っても失われていく、大量の言葉、日々、流れていく思いの流れ・・・ 私たちは、ただ、そのほとりに茫然と立ちすくんでいるだけなのかもしれません。
0これは 人様に読ませる必要がない 見事なやさぐれオナニー詩として読むと 実に短い。 オナニーにも前戯が必要である。 童貞よ 大志を抱け 比喩を比喩で表現して 死んでください とか言いたくなるね。 他人に 作品として 読ませるまでもない雑な文章。 ちょっとだけあるおもしろい部分が 台無し。 そう感じだよ まる
0皆さんレスありがとうございます。 返事がおそくなってしまい、大変申し訳ありません。 ボルカさん レスありがとうございます。包茎を剥いていくのって、個人差あると思うんですが、銭湯とかに行くと子供はあのデカイ奴に圧倒されると思うんですよね。自分も将来ああるのか、ならないのか。みたいな感じです。という事を、本で読んだ事あんまりないかもなぁと僕も思いました。 >しかし、何故か、(ああ、面白いなあ!)という感想に至りませんでした。 > >何が不足だと自分は思うんだろう、と、しばし悩んだのですが、 >ここにはやはり、名探偵が欠けています。そこなんじゃないかなあ、と私は思いました。 > >(よせばいいのに)謎を解いてしまう怪物的阿呆。その怪物性への哀しい共感が、この作品では寸止めされていらるように思います。 ここは、まさしくその通りというか、新しい比喩を見つけるという事、それすなわち、名探偵的な仕事に近いのかなとか思ったりするのですが、ここでの語り手は、そういう物に気付く事ができない、みたいな感じで比喩を殺しにかかってしまう。レスを頂いてから考えたのですが、多分語り手はオナニーに成功できてないんですね。だからマスを書く事しかできないし、本も読むことができない。みたいなのかなぁと思いました。 ここからは僕、作者の話になってしまいますが、そう考えると、読み物としてはやっぱり弱いのかなぁという納得が生じました。 レスありがとうございました。
0塚本一期さん レスありがとうございます。 >長いよ!長くて体力が続かなくて、流すようにしか読めなかったよ! >にも関わらず、目の端っこに張り付いて離れない表現がいくつもですね、ありましたこれは本当で。 >まず冒頭から死んでくださいの連発でもうそこから引っ張り込まれてしまったんだろうとおもわれるんですよね。 >そもそも書きたい比喩なんてどこにもなかった。 >百均くんは、どこまで実際の生活の話をしていてどこから頭の中の話をしているのかわからないけれども、私はわからないながらもその渦の中に引きずり込まれてぐるぐるとですね、してしまったようです。 >面白い面白くないという観点ではなく、文章としてどうかというと、なかなかに、引力のある文章だったなと。私がハエだとすればですね、おそらく>ハエ取り紙のようなですね、そういう文章だったという風にですね、私には、感じ取れました。はい。なんともない愛の話が、非常に、大切なわけです。 僕は短い物を書くのが本当に下手くそでした。短いと粗とか技術の無さとか目についちゃうし、簡単に突っぱねられてしまうと思ったからです。あとは「そもそも書きたい比喩なんてどこにもなかった。」ここもそうでした。何もない所から何か生み出した所で何がどうなるのかみたいな事を延延と探してるみたいな感じでした。 だから、長く書く事で下手な鉄砲数うちゃ当たる状態にならないか、みたいな事で自分が満足するまでとことん書いたのがコレになります。 ですから、中身の善し悪しのその前に、エネルギーみたいなものが出ていたのであれば、単純に嬉しく思います。これは過去の作品をリメイクした物になるのですが、あの時のエネルギーみたいなのは多分僕にはもう無いので、そこに魅力みたいな物を感じていただけたのであれば、これ以上に嬉しい事はありません。
0まりもさん 丁寧なレスありがとうございます。 色々レス考えていたのですが、正直な所僕からお返し出来る事がありません。 これは皮肉でもなんでもなく、その通りとしか言いようがなく、わざわざレスして下さった事に対して僕がいちいち肯定するようなレス書くしかなく、実際に書いていたのですが、そういうの野暮だなぁとしか考えられませんでした。 僕が出来る事は、そういう意味で本当にありません。 この作品は、多分色々ちぐはぐすぎる面が確かにあるので、色々分裂させた方がいいのかもしれません。ただ、これは僕の未熟な点だとも思いますが、これ以上カットすると、僕からみた時に、なんとも脆く見えてしまうのと、まぁそういう未熟な部分を詰合せた感じが好きなのかもしれません。そういう意味で、多分これから上手く書けるようになったら、こういった作品を書く事はなくなってしまうかもしれません。 ここら辺の、例えばボルカさんからの指摘でもあった、名探偵が足りないという所や、あるいは爽快感みたいなものであったり、作りの丁寧さ、みたいな所は、多分僕が創作を続けていく先で、一番大きな壁なのかなとおもっています。僕はどうせ書くなら沢山の人に読まれたいって、やっぱりどうしても心の底で思っている事は否めないからです。 Twitterの部分は、実は前書いていた時は「ブログ」だったんですが、ここに投稿する前にTwitterっていう風に変えました。僕はフォロー/フォロワーが100~200前後ですが、それでも色々な人の呟きがドンドン流されていくみたいな感覚。昔は多分記録に残る事のなかった誰かの言葉をネットを通じて毎日百人の言葉を一斉に眺める事の出来る事の重大さと、同時に感じる一つ一つの軽さみたいなものと、それらに対峙する時の姿勢についてだとか、それは掲示板を運営するという立場に立ってから一番感じている事ですが、その間で引き裂かれる感情と、引き裂かねばならない感情みたいな物の間に立っている僕、みたいな物とか、、、そういう事引っ括めて多分僕にとってはTwitterの方が近いのかなっていう風な事かもしれないですね。SNSというメディアそのものに対する嫌悪ではなくて、そういうものを使う僕と、使われる僕と、使わざるを得ない僕と、そういう事態に疲れる僕と、それでも殺しきれないから忘れる選択肢を本能的に選んでしまう僕みたいな感じかも知れないですね。 …という感じで、回答になっているのか分かりませんが、レスを拝読させて頂いて僕なりに考えた事をレスさせて頂きました。レスありがとうございました。
0泥棒さん なんか言いたい事あるっちゃあるけど、大体言われたとおりなのかなぁ、と思う一方で、もっと長くしろっていうのは、笑いました。多分中途半端はやめろって事ですよね。(だったら前の方がよかった的なあれかな) 良かったら、教えてくれると有難いっすね。それを軸にして長くでももっと短くでも、機会があれば書いてみるかもしれません。 あとは、、、もし良かったら、7月8月くらいまでは東京にいるので会いましょうぜ。 まぁ、なんのメリットもないかもしれないけど。
0hyakkinnさま 「皆殺しの比喩」の中で、私が美しいと感じた箇所を以下に引用させていただきます。 <長い長い髪の毛は、部屋の外からエネルギーを供給するコードの類ではなかった。> <例えば、世界中のなにがしの、それがしの、だれがしの、何がしが、誰がしによって、例えられた比喩によって、ここに一万本の比喩が咲くんです。> hyakkinnさんはエネルギーに溢れた方だと感じます。溢れんばかりのエネルギーを発散して書かれた詩から、ヒトの生々しい暴力性を感じます。 冒頭の<しんでください>の連呼は、他者というよりむしろ自らに向けて発されているかのようです。苦しみに遭遇し、自ら望んで生きているのではない、と生を受けた理不尽さを嘆きます。しかし、その嘆きに呼応してくれる存在が少なからず生きていると感知します。その存在は、苦しい生に垣間見る残火のような希望です。しかし、それすら消され、ひとすじの煙が上がったとき、ヒトの暴力性が表出するのではないかと考えさせられました。 また、注意すべき点を挙げるとすると、作品の長さや量です。あまりにも延々と語られるものについては、読むもののエネルギーを消耗させてしまう恐れがあります。詩は必ずしも清流である必要はないと思います。hyakkinnさんの持つ、表現の生々しさが濁流のようであれば、読むものの目は夢中で文字を追い、流れ着いた先が濁った海であっても、疾走した後の爽快感は得られると思うのです。
0百均さん こんにちは。 このタイトルには共時性を感じる日でもあります。72年前の本日広島8月6日8時15分には世界で初めての核爆撃があった日です。黙祷いたしました。この作品のタイトルで、国家間戦争を比喩したものとした場合に、結構いろんなことが、比喩とされています。もちろんそれらは、人間の生と死をわかつものとして、です。これらは、北朝鮮などの動向を感じれば、政治的な詩でもあると思いました。命の性質を問う詩だと思います。 1たとえ命を奪う悲惨さの自覚がなくても相当に命を奪う時間を費やす。 2命を奪うことには困難さや不条理が多大に伴います。自らの未来を失う危険にも追い込む。 3命を奪うことを望んでもやはり他者の命は、他者以外の人間にもかかわり、それは、自身も無関係ではありえない。 4すべての命には背景説明は極めて困難です。原爆投下もやはり理由が諸説あり、それらは根拠や真実ですら無数になる。 5近しい伴侶として異性の死をともに痛まざるをえない。強く異性の安否を意識する。
0返信が大変遅くなってしまい、すいません。頂いたコメントを飲み干して自分の物にしていく、事にどうしても時間がかかってしまいます。無下しているわけではなく、大切だからこそ、こうして遅れた返信になってしまう事、申し訳ないと同時に、本当に素敵なコメントをありがとうございました。と前置きに置かせていただきたく思います。
0小笠潔さん ><しんでください>の連呼は、他者というよりむしろ自らに向けて発されているかのようです。 この頂けた一文、、、なんというか一番ビビリましたね…。 もう、、、なんというか、頂けたレス全てに、白旗としか言いようがありません。 これを書いている時に、本当に自分が大嫌いというかですね、死んでくださいといってしまう自分みたいな物の方が本当にくだらないのに、なんでこういう事書いてるんだろうかみたいな所から、常にこの作品は内側に向けて書いていた自覚があります。それを逸らす為に多分外側に向けて暴力を振るう形で、エネルギーを読み手に差し出すしか方法がなかったのかなとか色々な事を考えてしまいました。 >苦しみに遭遇し、自ら望んで生きているのではない、と生を受けた理不尽さを嘆きます。しかし、その嘆きに呼応してくれる存在が少なからず生きていると感知します。その存在は、苦しい生に垣間見る残火のような希望です。しかし、それすら消され、ひとすじの煙が上がったとき、ヒトの暴力性が表出するのではないかと考えさせられました。 正直、このような感想がいただけると思ってもなかったです。多分僕が書きたかった事、そのものを超越したような、色々な物が凝縮された感想だと思いました。 それは、悔しいとか、そういうのじゃなくて、多分こういう事しか言えない自分の未熟さに困惑してる感じですね。僕は多分これからこの頂いた一文の事、折に返しては数年間考えてまたこのレスを見返しながら考えていくと思います。本当に素敵なレスをありがとうございました。
0竜野欠伸さん ずっと物を書いてる時に考える事なのですが、作品の中で暴力を振るうことについて、ずっと考えています。そのことについてもためらいを感じる一方で、では何故それを描くのかというと、やはり、暴力は常に僕らが生きている世界に存在し、それを見ない事には出来るかもしれないが、排斥する事は出来ないからだと考えています。ただ、それをリアルの世界で起こしてしまうと、それこそ戦争になってしまいます。 人を殺す実験、という言ってしまうと本当に不謹慎な事かもしれないのですが、そういう事を作品の中だからといって無邪気に殺してしまう時に脳裏を遮る感情があります。それは多分、僕が作品を書いているときの見た目には分からないのですが、本当に頭の中では疲れが生じます。本当に人を殺す事は大変だ。でも、そのそばで僕は日々当たり前のように肉を食べているという事実が頭をもたげ、その度に自分の中にある人を殺してはならないという思いだとか、なぜ自分の行き方に詰まったときに殺すという発想が出てくるのか。そして戦争についても確かに頭の中を掠めていきます。 最後の最後にホテルが出てくるのは、僕が行った事のない外国がイメージになっています。イメージとしては中東みたいな感じですが、それは、おぼろげな僕の中にあるイメージだけでふんわりと思い描きながら描いた虐殺のイメージです。でも彼ががなぜそのホテルにいて殺されるのか、そこに必然性なんかどこにもないのですよね。偶偶その土地にいてそこで生きていたからというだけなのかもしれないし、そこには何かしらの明確な因果が絡んでいるのかもしれないんですよね。そして、そのような話をなんとなく僕は遠い国の話として捉えるばかりで、うろんげに死を捉えているという事。そんな僕が死んでくださいといってしまう事みたいな事を考えたときに 1たとえ命を奪う悲惨さの自覚がなくても相当に命を奪う時間を費やす。 2命を奪うことには困難さや不条理が多大に伴います。自らの未来を失う危険にも追い込む。 3命を奪うことを望んでもやはり他者の命は、他者以外の人間にもかかわり、それは、自身も無関係ではありえない。 4すべての命には背景説明は極めて困難です。原爆投下もやはり理由が諸説あり、それらは根拠や真実ですら無数になる。 5近しい伴侶として異性の死をともに痛まざるをえない。強く異性の安否を意識する。 頂いた5つのポイントについて個別に僕が何かいうことは本当に難しいのですが、しかし、僕は自分で自分の作品を読み返したときになぜこのような記述が本作にとって必要だったのか自覚し、認識する事ができたように思います。 レスありがとうございました。
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