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夜の庭
苦しみではかることができるなら うつむいて歩く 五月 わらい声の高さは ふるさとの青い砂丘 つゆ空に吸い込まれていった オクターブ 瞳の中の 揺れる火が 雨の眠りにつく夜 そのすべてを ききたかった と 昨日 ひとりあるいた道 むらさき色の稜線を こんなにも悔やんで * とても とても あついのだよ そこは ―間に合わぬだろう いつか 小さく 声をあげて 墜ちる日に わたしを知らぬだろう それを幻と知らず 流れゆく露のひとひらを うたのように宿すだろう ひとり 夜の庭にたてば 空に地に 満ちる声 灼熱の炎に焼かれるという 髪をなぞる とおい指先 いくたびも いくたびも 離れようとして 影は寄りそう
夜の庭 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2487.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 43
作成日時 2019-03-13
コメント日時 2019-03-29
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 25 | 24 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 5 | 5 |
構成 | 5 | 5 |
総合ポイント | 43 | 41 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3.6 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0.1 | 0 |
技巧 | 0.7 | 0 |
音韻 | 0.7 | 0 |
構成 | 0.7 | 0 |
総合 | 6.1 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
読み終えて、ほうと息をついて、曰く言い難い気持ちを噛みしめながら、無言。 この美しい作を読んで、コメントを書けなかった多くの心ある方々が味わったであろう状態を代弁してみました。お粗末様。
0石村さん、コメントありがとうございました。 自分では、アップしたあと、石村さんがよく言われる「詩のようなもの」になっているのでは、と心配していました。 現代詩の中に入ると、何から何まで古くさくて、、、と思うのですが、たぶんこのままで行くのでしょうね。また読んで下さると希望が湧いて、生まれてもいいよ、とどんな子でも言ってもらえたようにうれしいです。
0拝見しました。 ふと、アンゴルモアを思い出しました。それほど破滅的で、退廃的な美しさが光る詩です。 魅入られる表現が多いです。特に >むらさき色の稜線 のくだりは絶品の一言。
0ふじりゅうさん、コメントありがとうございます。 稜線フェチで、 稜線をみると眼の中に快感が走るので、前世は山男だったのかも。 わりと自分では何を書いてるかわからないような感じで書いた詩ですが、何かがお渡しできたとしたらよかったです。
0fiorinaさん おはようございます。 詩に細かくポイントをつけるのは、その人の心を切り刻んで、切り刻まれたそれぞれに点数をつけていくような、痛々しい気持ちがするものですから、ポイント入れなくてごめんなさい。 綺麗でゾッとする、と感じました。 あんまり素敵すぎて感想があんまり出てきません。 fiorinaさんのことばは、私のうんと深層にあって、見ないふりをしていた景色を掘り起こして見せてくださる、と思います。 いったいどのような心境になったら、ここまで内部をえぐれえるんだろうと。 こういう詩に、古さも新しさもなくて、良さだけがあると思うんです。
0田中修子さんへ コメントありがとうございます! おしゃべりなくせに、ここでことばを発せられたら、と言うタイミング的に不器用だと痛感するのですが、 だから、その瞬間は相当痛いリアルを生きることになるんですけど、 心の中で一度生まれた言葉は、死なずにどっかで達者で生きてるんですよね。 どこをどう放浪しているのか、 瞼の母のように、邪険にして捨てたことばと、再会をするのが自分の詩かもしれないなとおもって・・(続くw)
0拝見しました。 繊細な言葉遣いにもかかわらず、読み込んでいくと「最高密度の青色(最果タヒ)」と、それに釣り合うような「イキイキとした炎」を感じました。赤い煙草の火を氷水にぶち込んだような新鮮味を、僕は感じます。 あるいは無声映画の印象的なワンシーンを繋ぎ合わせたような、上手くはいえないのですが。 >苦しみではかることができるなら >うつむいて歩く 五月 に心を持っていかれました。
0静かな視界さん、 技術が見えるというのは、技術がないことで、生硬なのでしょうね。 私もそれを感じます。 ただ読む歓びだけであって欲しいと思うのです。 「流れゆく露のひとひら」は、ひとしずくが本当かも知れませんが、 「うたのように宿す」ときに水っぽくない方がいいかと・・・(後付けです・笑) 。コメントありがとうございました。
0鈴木歯車さん、コメントありがとうございました。 「最高密度の青色(最果タヒさん)」はまだ手にしていませんが、 眼に広がるタイトルです。 なづけようのない、苦しみではかるしかできないときがあり、 よろこびすらも苦しみの形のように、 そこでしか見られないものを見せてくれますね。
0読めてよかったです。 夕暮れってなぜ切なくなるのでしょうね。赤と青の混じるひとときの紫、その複雑な色合いに心をうばわれるのは、何故でしょうね。こんなときは何かを言いたいような、ただじっと眺めていたいような、言葉少なにぽつりぽつりと語りかけてくる、それがとても心地よい...。この詩を読んでいるあいだそんな気分に浸っていました。 炎と夜と影の色のコントラストがとても美しく、ただうっとりとしました。んん、素敵!
0琴乃さん、コメントありがとうございました。 黎明と夕暮れは、奇跡中の奇跡ですね。 毎日どこですごすかで、一生の贅沢度が違う気がします。 ただじっと眺めてるんですけど、猛烈にしゃべっているようなw そのことばをきっと、山や空、外界は聞き取っているんでは? そしてまた翌日出血大サービス! そしてひとには文字が残される・・・。 琴乃さんもたぶん、そんな日々でしょうね!
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