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公園の朝
九月、空が抜けて 小さな足がとことこ軽い 石掘る子の横で摘むネコジャラシの柔らかさよ いち、にい、さんで風に乗れる その頬を撫でてくるっと黒目が光るまで ここにいよう ここにいようよ 私もっと透明になる 戻りたい戻れない 行きつ戻りつ忘れてしまった 石ころ掘った爪の土 汚い汚い汚い指よ 何になるのか忘れてしまった 花かんむりに貝がらあおい絵の具星くずクジラの背草はらの痛み金紙は使わないで雨音ソラシドしずくの海光る反射するあの鳥は桃色手をかざしてその向こうもっと向こう 戻りたい戻れない もう戻れないの おかっぱ頭が泣いている そうやって泣くから いつまでたっても泣くんだから 親になんてなれないのに
公園の朝 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1043.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-19
コメント日時 2018-09-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
やさしさとさびしさときびしさが入り交じった気持ちです。 「親」というパワーワード(という表現でよいのでしょうか)が、パワーを持ってたどり着いていると思います。 たくさんの価値観や意味の側面を持つと多くの人が捉えてると共有できている「親」という語を、そのまま削ぎ落とさずに用いるところにももいろさんの力を感じました。ありがとうございます。
0かるべまさひろさん コメントいただきありがとうございます。とてもうれしいです。 「親」という語を使ったのは、ただただ力不足でして。最初は「母」だったのですが、含有するイメージが強すぎて「親」へと変えたのですが、ピタリときてはなかったんです。そもそも終行がストレートに核心を書いていることが問題で、「母」も「親」も使わずに表現できたらと思います。推敲してみます。 蛇足ですが、「〇〇さと〇〇さと〇〇さ」という文を見ると、「いとしさと切なさと心強さを」が頭に浮かんでしまって。小室哲哉の罪ですね。知らない年代の方だったらすみません。
0冒頭三行で、幼子の足取りと可愛らしいお尻、夢中で泥んこ遊びしている傍らに寄り添って座る若い母の姿が見えてきます。 時々、空を見上げるのは、子育てへの不安なのか、それとも自分にはもう取り戻せない子供時代への郷愁なのか。 子どもの世界にすっぽり入り込めてしまったらいいのに。そんな想いが、透明になる、という言葉に現れているようにも思います。 子供にもどりたい、なりたい、なのか、親になる重圧から逃れたい、なのか。 郷愁を喚起されて、きゅうっと胸が切なくなった瞬間を描こうとして、親になるって、何だろう、という問いがさらに重なっているように思いました。 整理していくとすれば、そのあたりから、かもしれません。 みずみずしい作品でした。
0まりもさん コメントいただきありがとうございます。丁寧に読み解いていただいて、本当に感激しました。ありがとうございます。 整理する点を書いていただて、はっとしました。子どもには戻れないという自明の事実が、私には郷愁を越えた悲しみで絶望であって、親になったことがその駄目押しとなりました。妊娠してから抱えているこの感情に罪悪感があるので、途中からぼやかしてしまったんだと思います。展開考え直そうと思います。
0ももいろさんと皆さんの評を読んで、親=母なのだと知り腑に落ちるものがありました。それは、小さな足から連想する子の姿と共に、母性を連想したからだと思います。親というワードからは責任感を感じるのですが、母や父というワードからは慈しむイメージを感じます。私的ですが。この詩の主人公は子どもでいたくて泣いていますが、「親になんてなれないのに」という文からは葛藤が感じられました。親よりも母としての方が葛藤が強く浮き彫りになる気がします。 この詩のテーマは奥が深いなと思います。ひかれるものがありました。
0ももいろ様、はじめまして。 ももいろ様の作品、なんだか陽だまりの匂いがしますね、包み込まれるような、体温を感じます。ももいろ様はもう誰かのお母様なのですね、思わずお母さん、と言いたくなりました。だって、優しい、とっても温かい。 私も今大人とこどもの狭間で、悩んでいる1人です、現在進行形で。私は母親になっても、この頃私はこうだったなぁと笑いつつ、愛してあげたいです。罪悪感なんて感じる必要、ないと思いますよ、だって、ももいろ様はこんな素敵な詩がかける方ですから。
0>その頬を撫でてくるっと黒目が光るまで 風が吹いて振り向く様子が、あどけなさを感じるとてもいい詩語になっていると思いました
0ヤエ さん コメントありがとうございます。 ヤエさんと同様に、私も「親」と「母」の語感を捉えています。それゆえに、「母」を使うのを躊躇しました。「母」なんて崇高なものにはとてもなれず、義務である「親」にすらなれないという心情があるのですが、それを表現するに至っていなかったと思います。もう一段深く書けたらと思います。気づきをありがとうございました。テーマに興味を持っていただけたこと、何よりうれしいです。 なつめさん はじめまして。コメントありがとうございます。なつめさん、高校生なんですね。先ほど詩を読ませてもらって震えました。すごく響きました。またゆっくりコメントさせてください。 生きたいように生きるって難しいですよね。私は、自分の中の子どもの扱いに困って苦労した末に、逆に守り切って生きるってことで折り合いつけてきたのですが、親になると色々難しくてスタート地点に舞い戻ってしまっているところです。それにしても、優しい気遣いしてくださって、本当にありがとうございます。心がふわっと柔らぎました。なつめさんこそ、優しい、温かい、なんですね。素敵です。 社町 迅 さん コメントありがとうございます。 お褒めの言葉とても嬉しいです。詩作へむかう力をいただきました。
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