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死神
表現の中で、人を殺すことができるというのは 特権であると思う 特権であるというのは、 この世に、この時代に、この場所に、人として生まれ育ったからだ、という事に他ならない 本当に、 誰かを殺していいのなら、それは特権ではない、 人が人を殺す事は許されていない そういう社会に私は生きている だから、 多くの、死が降り積もんだ、その先に 私はいる というのは 幻想 わたしは死をみたことがない ただ、 同胞の死が どこまでも重たい事は知っている いくつもの儀式が積み重さなり、 一つの、死が、重たい場所に運ばれていくのを 私は知っている 死の、香りを 遠ざけるようになるのは なんで、でしょうか 死にたくない と、思うことが、 稀にあっても、 「それは本気?」 ではない、 もう、忘れてない? あなたの、祖父が、 死んだ時の感受性 もう、 どこにもない、 蟻を潰した時のような 遠い死を、どこまでも遠い砂つぶを 積み重ねても 先端に立つ砂つぶは、 いつも一つ、 そして、 ここは、どこでもない場所 表現の中で女の子を殺す 男の子ではない女の子を そういった情動を 持つのは男の子に生まれたからで、男に生まれたから可愛い女の子を殺したいのか、というと、それは違うよね、蟻を殺したいのは本能だよね、 食べる肉は殺してないのにね 本当は殺してるのに それを傲慢と呼ぶのなら その感情を傲慢名付けた人間の意識は もう誰も殺したくない方へ向かっていくのだろう 蟻を殺したいという感情は、嘘 殺す事で得られる気持ちがあるから、殺すの 殺すのはどこまでも手段 本物の感情を手に入れる為の嘘だよ 食べる事は殺す事じゃないから だから、誰も、罰する事の出来ないそれだけだよ それだけ それだけなんだよ これはちっぽけなこと? それとも、 ミサイルみたいに大量のに巻き添えにされた つまらない感情? 『あなたにとって、どうでもいいものがたり』 蟻を潰したあなたの右足は もう、どうでもいいの あなたがもし、わたしに踏み潰されたとしても 虫が嫌いですか? 虫はきっとあなたのことが、きらいだ 私が殺す事が出来るのは この文章の中で蟻を殺す事が出来たのは 人間に生まれたから 日本に生まれたから 1995の世紀末に生まれて、 殺したくなるような家族の間に生まれて 血みどろの歳月を送り 僕が、大人になるまでの間に 死を、 そこまで見せてくれ無かったこと その代わりとして、蟻の死を眺める人生を辿ったことに尽きる あなたは死んでいる そこにしんでいる どこまでもしんでいる このなだらかな毎日の積み重ねの中で あなたは何回生き返って蟻になって、そして、 なんども私に潰された 生きているだけなのに、一生懸命生きているだけなのに それだけなのに、世界中の蟻の巣は 見つけられると殺される その恨みはどこにたどり着く 恨みなんて幻想ですか? 同胞の死が降り積もる 言葉で降り積もる 瞳や瞼の揺らめきの中で論理的に輝く 感情 火花が散りあい身もだえながら地震が起きる 雪が降る そして、誰もいなくなる ただ蟻の足跡が誰も見えない厚さでひたすらに残っていく、そんなアニメ アニメが見たいね。 もう、どうでもいい死の事なんか 私は潰す何度もでも潰す。 黒い影を私の影法師を。 かりそめの腕。魔法瓶みたいな血肉。 ここには何もない 感情なんてものは いや、 感情しかもはやのこってないよ 死、だけが特権ではないと 言えないなら なぜ死の事ばかり考えてしまう 考えるな感じろ だなんて言葉で殺すなよ 適当にごまかすなよ。 判断するなよ、向き合えよ 殺すぞ そんな生き方してるくらいなら死ねよとっととくたばれ 包丁を手に持て、 肉を裂け魚を裂け、お前は人間だ、心持ってんだろ。さっさと殺せよ、お前が大事に育てた蟻の巣は殺されるべきだ。お前は人間だ、だから、死を殺すな。なぜなら、お前は死を凌駕出来ないから、故に殺せない、だから、もう二度と何も殺さずに生きろ。そうすれば、殺さなくて済むから。そしたら、そしたら、お前は人間をやめられるし、そこには本当の死が待っているから。…本当だよ。本当の死。混じりけのない死だ。その死の心さえあれば。お前はなんにでもなれる。そうだろ。 と いいきかせるのは、だれ? 心の中にふりつもることばは うそ の、かたまりなのにふりつもることをかんじるのはなぜ と だれかせつめいしてください わかりやすく 難しい説明はいやだ なんでわかりにくいんだよのなかは と おもっても だいじょうぶ おまえがわかるひつようはいっさい どこにも ない どこか 違う場所でいきたところで なにかをしったところで しぬのだから きよらかにいきてしぬために ひとをあいする きみを あなたを ぼくを わたしを ほら きみの本能のために 紡がれた薔薇がさく しくまれたきれいがそこらじゅうにさいているぜ のうみそでおなにーしなよ そしてまた いつのまにかうまれかわり かわらないこころなんてものも たましいもない ひょうはくされたそのうえうえに 刻まれつづけた重恨があるのみ とおくきざまれた地平の隅で おれはまっているぞ と死神が笑う
死神 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1119.9
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2018-07-14
コメント日時 2018-07-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
僕は自分が思い浮かべた命も、存在として祈ったりすることがあるので、少し身近なテーマでした。
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