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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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(彼は  いつも  こんなふうに、  細胞一個 残さず  つらつらと  なぞる  染み付いた痣を  全部溶かして  消そうとする 浴室の雨、42℃ 叩きつけた唄と除光液


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作品データ

コメント数 : 13
P V 数 : 978.1
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-04-07
コメント日時 2017-05-04
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:978.1
2025/04/09 16時43分13秒現在
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    作品に書かれた推薦文

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コメント数(13)
ひいらぎ
(2017-04-07)

某所にも投稿したことのある旧作ですが、作者のお気に入りっていうのと、こちらでの意見を聞きたかったので。

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白犬
(2017-04-08)

鋭い棘のようなものを感じます。短さがその鋭さを高めていて良い。 「叩きつけた唄と除光液」という衝動的な最後がなんだか美しいです。

0
葛西佑也
(2017-04-08)

短いほど作るのは難しいと思うんですね。伏線なんかはったら、短いと回収しきれないですし。そうすると、一字一句かなり気を使わないと作品として無理な部分が出てくる。この作品は、割とうまくいっている印象を受けました。特に、軽やかなリズムであったり、体言止めであったりで、テンポが良いので。

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ひいらぎ
(2017-04-09)

白犬さんコメントありがとうございます。私がこの作品気に入ってる理由のひとつがそのラスト1行です。効果的な「壊し」を入れたかったんですが、このフレーズよく出てきたな、と。 葛西さんコメントありがとうございます。これ書いてた当時はどの作品もとにかく短くしたくて頑張ってる時期でした。おかげで相当神経すり減ったと思います。しばらくあんなことできない。 花緒さんコメントありがとうございます。意識的あるいは無意識に何を書いてるか分かりづらくしているところがあるような気がしています。自分で読むのも書くのもそういうのが好きなので今後もだいたいそんな感じじゃないかなぁと。

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なかたつ
(2017-04-09)

 一つの読み方として、この作品を読んで一つの写真もしくは映像作品を作りなさいと言われたら、一体どのようなものが生まれるだろうか。  そのためには、場所と人物が必要になる。僕の場合だったら、場所はベッドの上、浴室、洗面台の鏡の前のいずれかになる。人物は二人。彼と語り手の私。でも、それを移すためのカメラは誰が持っているのか。それは語り手の私とこの作品を作った作者の二人になる。つまり、前半部分が語り手の私による描写で、後半部分が作者による私の描写になりそうだから。  前半部分、私が見ている彼は「染み付いた痣を/全部溶かして/消そうとする」が、私にはそう見えているだけで、彼にとっては違う意味を持っているのかもしれない。単なる癖で痣をなぞっているのかもしれない。というのも、「彼は/いつも/こんなふうに」と繰り返された動作であることを示唆されているからだ。それが語り手の私にとって「全部溶かして/消そうとする」ように見えるのは、(強引な読みになるが)語り手の私が何か消したいものがあって、それを投影しているのではないかと思えた。この部分の映像では、音声は流れない。語り手の私がただ彼を眺めているだけだ。  後半部分、浴室の中でひとり、何も洗わずにただただシャワーに打たれているだけの私がそこにはいるように見える。僕は除光液なんぞ使ったことはないが、それは爪の塗料を消すための道具なのだろう。それも風呂場に置いておくものなのだろう。  彼は消せない痣を何度もなぞるが、私は爪の塗料を消すことができる、その対比。ただ、この作品の世界は語り手の私を中心に回っている。私にとって意味をもたらすのは、消せない痣とそれを消そうとする動作であって、それがこの作品で描かれているということは、語り手の私にとって、また、作者にとって消せない映像であったことは間違いない。  ふと思ったのは、彼が消せない痣を消そうとしている、その痣は彼の痣なのか、語り手の私の痣なのか。外れてもいいので意見を表明しておけば、それは語り手の私の持つ痣ではないのか。全く関係ないけれど、僕は背中に蒙古斑がある、らしい。僕はそれを見ることができない。彼が彼の痣をいつもなぞるのも不思議だが、私にとってより意味をもたらすのは、彼が私の痣をいつもなぞることではないだろうか。だから僕は、この作品を映像にした時に選ぶ場所として、ベッドの上という選択肢を捨てられないでいる。

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kaz.
(2017-04-10)

ちょっと暗めのハンネが並ぶネット詩人のなかで、ひときわ異彩を放っている名前があるなと思って見ていたら作品も素晴らしく、また何しろ「42℃」と、横書きの特性を活かしている点が高く評価できる。除光液とはマニキュアのようなものだが、それによって溶かせない爪と溶かせるネイルの部分を、あえて「剥離」などと表現せず、染み付いた痣、と表現しているところが非常に良い。短いが非常にバチバチっと決まっていてインパクトがある。私がB-REVIEWの発起人なら間違いなくこの詩を最優秀作品に選ぶだろう。

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もとこ
(2017-04-11)

短い詩は当然のことながら情報量が少ないので、解釈も難しいものが多い気がします(西脇順三郎の「天気」のように、解釈の必要もなくストレートに頭の中へイメージが流れ込んでくる名作もありますが)。 この詩の場合も浴室でのセックスを描写しているようにも思えるし、恋人とのセックスの後に彼の自分に対する無理解さ、身勝手さに対する怒りがこみ上げてきて、シャワーを浴びながら大声で歌を歌ってストレス発散しているという解釈も出来ます。それはともかく、42℃のシャワーを6分間ほど目の周囲に当てるだけで、視力が回復するんだそうです。語り手がそういう目的でシャワーの温度を設定したのかは不明ですが、とりあえず試してみる価値はあると思います。そんなわけで、完全に理解できないながらも気になる詩なのであります。

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まりも
(2017-04-11)

自由に前後の字間を想像しつつ(下敷きにした「事実」や「作者の創作意図」、とは離れて、独自の・・・あえていうならば、二次創作として)思い描いた物語は、恋人によるDVに苦しみながらも、彼の飢えた心を見捨てることができない、そんな自分への苛立ちの寸描、です。 散々、彼は彼女を傷めつけ、痣だらけにしておきながら(あるいは心に刻み付けた痣、と読むこともできそう)、彼女を愛おし気に、自らの罪を消し去ろうとするかのように、愛撫する。彼を許しがたく憎悪しながら、彼の抱え持つ痛みに惹かれ、離れがたく、最後にはすべてを許してしまう、彼女。 「彼」のために塗ったマニキュア、それを、事後には剥がし、浴室でシャワーに打たれながら、烈しく声を絞りだす。この「唄」がこの「詩」であると言うには、歌謡的な性格が弱いので、心の唄、と読みたいけれども・・・シャワーの中で、泣きながら彼女は叫んで(声を出しているかいないかは問わない)いるだろう。 「消そうとする」という能動性。「消そうとしてくれる」だったら、家族によってつけられた(あるいは別の男に付けられた)痣を、この「彼」が拭い去ろうとしてくれる、と読みたくなるが、この、能動的な意志的な言葉、語り手自身が突き放すような、第三者的な視点で冷静に観察しているような言葉に、感情の濃度を感じました。 マニキュアの色が、彼好みの色だったのか、あるいは黒とか紫とか、あえて娼婦風の色だったのか(そうなると、この「彼」は恋人ではなく、常に自分を指名してくる顧客、という読み方もできる)でも、この作品の・・・清新さのようなものは、やはり、登場人物「ふたり」が、抜き差しならない、でも切り離せない、不合理だけれども受容する他ない、そんな関係の恋人どうし、なのかな、という気がします。

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まりも
(2017-04-11)

訂正 字間→時間 logという題名の意味が、イマイチよくわからない、というか、つながって行かない・・・丸太、日誌、コンピューターの過去ログ、とかもこれ、なのかな・・・数学のlogは、また異なった意味に用いられるらしい、けれど・・・内容の「小見出し」である必要はないけれど、題名は作品のキャッチコピーでもあり、主題の提示でもあるので・・・この難解な題名には、疑問の余地が残ると思いました。

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ひいらぎ
(2017-04-11)

なかたつさんコメントありがとうございます。素晴らしい鑑賞文でなんかそのまま10分くらいのショートムービーの脚本ができそうですね。実写かアニメかどっちが合うかしらん。個人的趣味としては是非アニメでお願いしたいけど。クズの本懐みたいな。 kaz.さんコメントありがとうございます。なんかもうほぼ手放しの高評価でありがたくて何も言えません、恐縮です。 もとこさんコメントありがとうございます。シャワーなら大丈夫だろうけど風呂だとその時間は多分のぼせますね。というか以前自宅に泊まりに来た方がのぼせました。 まりもさんコメントありがとうございます。二次創作。される側にとってはなかなか甘美な響きの単語です……(個人差はありましょうが)。もちろん内容も美味しくいただきました。題名に関してはまりもさんがおっしゃったようなことを逆手にとった節もあります、とだけ。

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百均
(2017-05-04)

 単純に、花緒さんのレスに僕は殆ど同意といえば同意で、そうじゃないといえばそうじゃない。    kaz.さんにこの詩のよさを聞いた時に除光液でマニキュアを溶かすという事は爪の細胞を溶かす事なんだという所が面白いみたいな事を言っていて(上にも書いてあるのかな…意味を取り違えていたら申し訳ない)それで、結構この作品を見る目が変わったっていうのと、僕はマニキュアを付けた事ないから、わかるような分からんような感じでした。  そうだなぁ、多分ひいらぎさんの作品を読むと僕はいつも苛立ちを覚えるのは、ここにある世界の事を僕は何も知らないのだ、という隔たりに打ちのめされるからかもしれないし、だから上に示された皆さんのレスを読むと安心する自分がいるというか、そんな感じ。  つまり、何がいいたいのか、というと四月の二作品。愛憎含めて僕は気になっているという事でしょうか。僕がこの作品を正確に捉えきれてない自信があるから、より囲っておいて滅ぼしたくなる。という弄れた評価の仕方ですけれども。

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朝顔
(2017-05-04)

私がこの詩を読んで二次創作した話は、全然方向性があっちの世界へ行っていまして。これ、相模原殺傷事件の犯人かなぁって。 入れた刺青を、除光液と42℃のシャワーで取ろうとするけど全然取れない。細胞から根こそぎ、殺人の記憶を消そうとするけど消せない。そんな感じ? (叩きつけた唄、は自分を阻害する社会へのルサンチマンの歌ですね、そうなってくると。それとも、弱者にぶつけた刃、その行動自体を指しているのか・・・) 何にせよ、いろんな読みが無数にできる、っていうのは凄い詩の証明だと思います。 ここまで削ぎ落して書くのは筆者の手腕ですね。うーん。

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ひいらぎ
(2017-05-04)

hyakkinnさん、コメントありがとうございます。「愛憎含めて」、「より囲っておいて滅ぼしたくなる」、うん、なかなか不穏な言葉を引き出してしまい、私の中の尖った部分が「望むところじゃワレェ」と騒いでたりするわけですが。ともあれ、好きなように読み解いて、好きなように使っていただいて、それが受け手の中で何らかの形で大きな糧となるのであれば幸甚、というのは参加し始めた時からずっと考えていることです。 朝顔さん、コメントありがとうございます。なるほど、そこに繋がりましたか。 これを書いていた当時は短い作品が多かったのですが、最近の自作は言葉を「削る」よりは「削って重ねる」傾向にあるようです。多分。いずれ長短どちらも自在に書けるようになりたい。

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