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tomato
冷蔵庫の中で私は迷子の夢を見る。誰も何も言わない。種を止める。水を止める。太陽を止める。振動を止める。 トマトの水分と養分が独り歩きして、概念を無視していく。天国に行ったことがない人ばかりが生きている街は、天国に見透かされているということの自覚が足りていない。 テルミートマト、栄養の水、いつも先のことばかり見てる。土壌の原材料を書き起こす作業に時間を使うって無駄なことじゃない、いつでも誰かと繋がろうとしている正しい不自然。 いいね、その孤独。そんなもの孤独じゃない、自己愛に満ちていていいね。美しい。熟れたトマトのようだ。握り潰す音も書き起こせるようにならなくちゃ。 システムの収穫はノスタルジアから派生した季節の愛し方。二度と会うことのない人に対しての遠回しな引導。成すことのない別れの誘導。 作物は種も土も水も太陽も電気も絶望も生きづらさも息苦しさも強がりも希望も現実も生活も無ければ育たないのだ。腐敗も成長もないのだ。朽ちることも枯れることもないのだ。青いうちに刈り取ってしまうのは自分をまもるためだ。いつでも誰かと繋がろうとしている哀しき自由だ。 きちんと傷ついて迷って選択をし続けることができる。確かな空を見上げて天国の地図を想像することができる。トマトの赤を休ませて冒険を続けてみることをやめないあなたが素敵な顔でこっちを見ている。 正規ルートの見識が百花繚乱、テルミートマト、慰めてみたかった。栄養の水、永遠に見ず、あちこちでダウト、ついに渡される引導、甘い誘導。 正規ルートで手に入れた安心があっという間に腐っていく。キルミートマト、助けて欲しかった。風だ、砂だ、埃だ、栄養の仇、永遠を見た、あちこちのダウト。ついに届く引導。甘い誘導。 生き方を教わらなかったから生きることができる。水をやって青と赤の反対色の軋轢で景色が歪む。街と私がくっついた、オンザシティ。 そんなことなら原理を殺してしまえ そんなことなら真理を壊してしまえ そこに友達がいないのなら そこに友達もいないのなら
tomato ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 875.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-03-30
コメント日時 2018-04-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
静かな視界さん コメントありがとうございます。 おお、ラップっぽいですか。 韻を踏んではいますがラップを全く意識していなかったのです。 ありがとうございました。
0種を止める。という言葉は本当にいいですね。普段食べているトマトの見方が、僕には子宮に思えました。僕は種を食べているんだなという思いと、その可能性を消してしまったのだなというような感覚でしょうか。人間の姿もトマトの姿にかさねられるように、冷蔵庫の中で迷子になっているのも、それがたとえ夢の中であっても、強度があるようにおもいました。
0百均さん コメントありがとうございます。 種を止める。について、トマトについての解釈に嬉しい驚きです。 一つの作品をつくるとき、誰にでもきっかけがあると思うのです。伝えたい、言いたい、とは限らないきっかけが。 わたしは自作解説のようなものを余りしたくないと思っていて、それは、読む方に先入観を与えたくないからです。 もし細かく解説していれば、百均さんのような解釈もなかったかもしれません。 百均さんの捉え方によって、詩がまた新しい顔を持ちました。とても光栄なことです。 ありがとうございました。
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