厄怪 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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厄怪    

夢か現か もうわからない 眠気まなこにあいつは現る ここ最近に何度も何度も、、、 おかしなことは何度もあったんだ。 女の声が聞こえる 動物のようなものが足元に触れた 毛玉の塊が見えた 単発で済むこれらの出来事は、 話題になるからいいや で済ませてた でも何度も同じのが起こるとなると、 わかるだろ? 最初は声だけだった 怪しい甘さを纏って 伝える よりは 誘惑 次は触られた 気がする 失われたそれを欲するように 足をそろりと撫でられた だいぶ経ったころから始まった 昼夜逆転のだらけた生活していたころで 起きた時は曇天のせいか仄暗かった 昼と夕の狭間くらいの時間だったと思う まだ現実と夢の間を往復しているような 「ああ、今日は曇りだな。寝るか」 とか思ってた。 そして二度寝に沈もうとしていた時だった 階段を登る足音が聞こえた 明らかな敵意を察した 俺以外に誰もいないアパート 鍵はよく閉め忘れてる 最悪の可能性が想起した とりあえず、待ってみよう 少しずつ恐怖がくる 二階のベッドまで来るのは早かった ひと目みよう としたけれどできなかった 初めて実感した金縛と開かぬ瞼 恐怖が次第に膨らんで気配が枕元に来た なぜかわからないけれど殺されると思った だからこそ生存本能が身体を動かしたのか 襲いかかったのは自分の方だった 昔 剣道をやっていたせいなのか それとも生きるのに必死だったのか 思いっきり掴みかかって本棚に押し倒した ようやっと目が開け、気配は別物になっていた ありていに言えば夢の出来事になり果てた 見たことない女性になって夢の劇場が始まった そういえば、ぶつけた先の棚は音もなかった 明らかに感じた足音、気配、殺気 どうしても夢とは思えなかった それから同様の出来事が間隔を空け何度も だいたいは、あと少し あいつの息の根を止めようとした瞬間で終わる 話のネタとして放っておこう そう思って深く考えてなかった 月をいくつか跨いで忘れた頃、 母と姉が今の家にいる夢を見た 料理の音がキッチンのある下から響く 郷愁を漂わせ安らぎを覚えた けれども ここにいるはずがない 違和感が現実を悟らせた それでも心地良さに身を任せることにした 姉が階段を登ってきた 起こしてくれるのか、こういう朝はいいな って思った矢先に過去のあれを想起した 姉が身体を寄せる ではなく首を絞めにきた 最悪の予感は的中してた 仰向けになった私の上にそれは跨った そこで初めて目を見開いて確認したそれは 姉の原型もなく歪んだ人間もどき 恐怖と驚きが全身に感じたけれど声は出ない でも上半身は動いてくれた 押し切って、手の形をしたそれを掴んだ 思ったよりも力が弱く、思いっきり折った たぶん、そのあたりで現実になっていた まだ白んでいないけれど冬だからまだ夜だ 後味が悪い 幸せの皮を被って襲われた あいつは確実に俺を殺しにきている 部屋が異様なほど静かに感じた まだいる気がする 寝たら出る 嫌な汗が冷えた身体に滴る とりあえず赤い数珠を腕に嵌めた 辰砂を紡いで作った数珠 破魔の効果が宿っているらしい 神さまなんて正月の祈願程度しか信じていない けれども縋らずにはいられなかった そして足りない睡眠を満たすことはできた この時はこれで終わりだった これで終われたら良かった きっと酒を飲み過ぎたからだ なんてことにしたかった その翌日 何度も目が覚めた そのせいか夢と現実がより曖昧になっていた 朝が漂ってきたような時間 また階段を登る足音が 殺意が きた 2階に着いて私のベッドまでの距離 音は聞こえなかったけれど 殺意が近付いてくる 大きく 強く いつものように臨戦体制に入っていた 条件反射みたいな感じ やらなければやられる 確信していた あいつが襲いかかったとき そのまま 取っ組み合いになった それは黒かった 黒一色の霞が人型のような姿 あいにくと実態はあったからベッドに投げて 首を絞めた 強く 強く握りしめた もうやめてくれ 消えてくれ と願って でもそれは笑った なにも効いていない これぐらいどうってことないって顔をしてた それで気づいた もうなにしてもダメだと 手に負えない 絶望感に呑まれたとき 気づけば知ってる現実に戻ってた 遅れて恐怖はやってきて身体が震える 全身に冷や汗をかいている もう狙われているんだ 私にはもうわからない 聞いたことがある こういうことは事故にでもあったもんだと じゃあ どうすればいい? 俺はもともとホラーや怪談が好きで一通りみた 人並みに恐怖も感じる でもいつも未知への好奇心が勝ってた 小さな体験することも少なからずはあったけど 酒の肴程度だから気にならなかった ここまで命の危険を感じたのは初めてだった 夢だろうって思いたいけれど、現実感は あの殺気は今も覚えてる 夢か現か もうわからない どうしよう って不安が私を染めていく あぁ、でもひとつだけわかることはあるよ 次に出てきたら、たぶん 俺はもうダメかもしれない


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厄怪 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 123.8
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2025-04-01
コメント日時 2025-04-01
#現代詩
項目全期間(2025/04/07現在)
叙情性0
前衛性0
可読性0
エンタメ0
技巧0
音韻0
構成0
総合ポイント0
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:123.8
2025/04/07 03時47分01秒現在
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    作品に書かれた推薦文

厄怪 コメントセクション

コメント数(8)
283.0046.
283.0046.
作品へ
(2025-04-01)

実話です。 とりあえず一旦は収まりました。 ちなみにこの詩をきっかけに小説を書き始めまして、城異羽大というペンネームで現代ファンタジーを作りました。 「神さまの下請け」ってタイトルでカクヨム・エブリスタにて連載しています。グーグルでも検索したら出てくるのでよければどうぞお楽しみください。 ダメ押しでリンクも一応 https://kakuyomu.jp/works/16818622171260466814

1
レモン
レモン
作品へ
(2025-04-01)

笑。 自分売る そのド根性              ある意味大物 ! レモンもその小説に夢中です。 とにかく、マジ面白い!デラ面白い! ギガ面白い!その面白さ、まさに悶絶すること間違いなし!

2
283.0046.
283.0046.
レモンさんへ
(2025-04-01)

期待値あげすぎです笑 詩は一年になりましたが小説はほぼほぼ初心者なので、文章作りに苦労してます、、、 やっぱ詩と勝手が違いますね あとやっぱり使えるものはなんでも使わないと自分みたいなのは生きていけないので笑

1
レモン
レモン
283.0046.さんへ
(2025-04-01)

「レモン」を使って下さっても大丈夫ですよ。笑 ガンバレ!

1
283.0046.
283.0046.
レモンさんへ
(2025-04-01)

頼りにしてます笑 とりあえず本日更新頑張ります!

1
レモン
レモン
283.0046.さんへ
(2025-04-01)

オッケー 楽しみに待ってまーす。

1
レモン
レモン
283.0046.さんへ
(2025-04-01)

とても大切なことなので、お伝えします。 伸びる可能性の大きい人は、「素直」な人。 その「素直」さが、あなたの可能性の大きさです。 ありがとうございます。

1
283.0046.
283.0046.
レモンさんへ
(2025-04-01)

心に留めておきます こちらこそありがとうございます?

1
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