オキュペイト・アワー - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

オキュペイト・アワー    

逃避の窓を閉め忘れていたからか 気取った朝に咬みつく獰猛な雨に起きる 遠くで貨物列車が欠伸を引き拐う イモリが二匹 しずかに取り引き 気のせいか にこやかにしている 塵の毛布によれた体は 酒屋の前 胃袋、食道、三半規管を拾いあげてから 呼吸を雲に整えたい 紫色のカップルがスーツケースを鳴らして 泥のように駅の中へ消える そういえば、空にバッテンが描かれた 翌日のことだったこの世は 私の一歩後ろを歩く影が勝手に頬の瘡蓋を掻く 宇宙人から貰ったビー玉みたいなライターを取り出して ピースをくわえてベンチに座る 塗りたてというより、数センチの赤い覚めが抜け落ちた 陽気さに随分溶けてしまっていた くらしと煙がポプラの上で食べられていく 触手を生やした警官に唇だけは抵抗していたくて にじむ汗に毒を混ぜて爆弾を作る 大きな鉄の卵に転がせ 大きな鉄の卵の夢に転がせ 指が二本焼け落ちて アルコールがすっかり抜けた頃 どちらにせよ平和かもしれない と話していた若者をぶん殴り 嘘にまみれさせた自販機から銃を買う 駅前の地産地消フェアを通り過ぎると 獣のインク臭のする駅員が 帰宅を促す立ち鏡に手を添えていた そうして、やさしい寝床にワープして あのあたたかなイモリの受精卵を想う日々に ちぢれた未知の信号が降る 保たない半身



ログインしてコメントを書く
ログイン







新規ユーザー登録はこちら

パスワードを忘れた方はこちら

オキュペイト・アワー ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 11
P V 数 : 867.5
お気に入り数: 0
投票数   : 4
ポイント数 : 0

作成日時 2025-03-15
コメント日時 2025-04-01
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/07現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:867.5
2025/04/07 03時47分01秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

オキュペイト・アワー コメントセクション

コメント数(11)
レモン
レモン
作品へ
(2025-03-15)

こんばんは。 「オキュペイト・アワー」 占領された時間 誰に?何に? >気取った朝に咬みつく獰猛な雨に起きる にだ。 それでも全体的に陽気な空気感がある。 そして「獰猛」な筈の描写も怖さは感じない。 これは作者の人となりが、陽気な方なのだろうと思いました。 ありがとうございます。

1
A・O・I
作品へ
(2025-03-15)

キャラクターもオブジェクトも、話者自身を騙っているようにおもえる。二日酔いの朝の精神状態そのもの(一連目)」「アルコールがすっかり抜けた頃(四連目」これが今の状況を表しているわけ。 流れとして二度寝して夢を見たぐらいの印象があります。 順番に読み取る感じではなくて、どう感じられるか。 これは言葉パズルになってしまうのだけど、やはりイメージとして二日酔いの朝は雨降りで、余計な妄想が捗る。それはシュルレアリスムとして見えてしまうけれども深層が現れているような、この詩全体の仕組みが、わたしには感じられる。まあ誤読だ フックとして「触手を生やした警官に唇だけは抵抗していたくて」を置いてみると、やはり自分の思いに対し、無防備にある状態、それが内部から揺さぶられてるよなとおもう。そのなかで無理やり納得しようとしている感じがする、流されたくはないという強い気持ちと安穏としていたいと思う半身、それがこの詩によって、書き表されているように感じました

1
三明十種
作品へ
(2025-03-17)

本日は極私的考察を投じたのでミハイさんの詩文も三明的極私的観点からウザく騙ってみましょうか。需要はないんだけどね。一連目はパーツ駆使されているが二日酔いの、あのだらだら過ごす学生時代の二日酔いの朝のはじまりにおもえてならぬのです、はい。(確認したら朝でした。)深夜から早朝走る貨物列車も走ってるしね。迎え酒を冷蔵庫に切らしていて急いで酒屋の自販機に急いだのかもしれないしね。今でも酒の自販機は朝5時に開くのかしらね。で二連目は、だんだん酒が醒めてきて、また酒を求めに外に徘徊しに行く。僕の場合は最寄りの駅とか馴染みの鳩がいる児童公園とか、ワンカップ片手に毎朝徘徊していたね。非現実的に構成されてるがやってることは酔っ払った眼で人間観察と心象と情景記憶だったね。煙草はpeace贅沢よ、ECHOか新生にしなきゃ、golden batはあからさまだからやめておいたほうがよい。さして三連目と最終連、酒は軀から抜けてはあくが全部が全部抜けるわけではない。二日酔いにならない方法を教えてあげよう。二十四時間飲み続けることさ。ごきげんにはくらせなあけどね。酒はすっかり抜けることはない、すぐに渇いてくるからよりきけんなものを求めて、どこかでやってる必ずやってるクラブイベントかオルタナティブなLIVEをフリーペーパーで探してしけこむだけだ。drink付きの値段を払うのは何かいやだがね。とんだ自分騙りだったね。すまん。(オキュペイト・アワー コメントセクション)は何処がで読んだ気がするのどがねー既出かな?

1
三明十種
作品へ
(2025-03-17)

(オキュペイト・アワー コメントセクション)→(オキュペイト・アワー)のコピペ間違いですた訂正しておきます。あと文中不適切なとこらがあるかもしれんから先に謝っておきます。

1
283.0046.
283.0046.
作品へ
(2025-03-18)

お久しぶりです。以前「本懐へ」にコメントつけていただきありがとうございました。実はあの後少し落ち込んでて浮上できておらず返信の機会を逃してしまったのを後悔しています。 あと後、熊倉さんの「術産」を読んで感動しました。 とても綺麗な文調で惹かれます。 この詩も美しく描かれつつも、そこにあるやるせなさや苛立ちを消化するような印象を持ちました。まだ勉強不足で見当違いでしたら申し訳ないです。

1
藤重一雄
藤重一雄
作品へ
(2025-03-19)

0
熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
レモンさんへ
(2025-03-28)

コメントありがとうございます。 なるほど、確かに僕は陽気ですねおそらく。 でもまあ、もう僕の常套手段ですが、のんびりとした描写の時ほど大変な事が起こっているという表現が好きなので、この詩の中でもそれはあるのかなと思ったりします。 自分なりの「獰猛さ」がここにありますね。

1
熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
A・O・Iさんへ
(2025-03-28)

コメントありがとうございます。 「やはり自分の思いに対し、無防備にある状態、それが内部から揺さぶられてるよなとおもう。そのなかで無理やり納得しようとしている感じがする、流されたくはないという強い気持ちと安穏としていたいと思う半身」 ここら辺の感覚、合っているような気がします。 「触手を生やした警官」って、よく考えみると、何なんでしょう。 僕はよく異界を詩に展開する(承知だと思いますが)んですが、異形が侵入してくる事は無いよねと言われて、その後にこの詩を書きました。 いわゆる「エイリアン」が侵略してきたような世界なんですけど、それでも、詩中主体も信頼できない視点を持っている。おっしゃる通り「二日酔い」。 エイリアンが日常を侵略してきている世界なのか、それとも主体が異界に迷い込んでいるのか分からなくさせたかったのかもしれないです。だからこそそれらが融合した「触手を生やした警官」が出てきたのかなと。 意図の上に、無意識がぱっと伸びていくような詩、なんですかね。ありがとうございます。

1
熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
三明十種さんへ
(2025-03-28)

コメントありがとうございます。 二日酔い、この詩を書いた時はまだ経験しておらず、数日前に初体験しましたが、嫌なものですね。お酒には強いほうだったのでビックリしました。 煙草はやってないですね……。まあでもその字面が重要だなと、「ピース」が詩に合っていると思って出しました。 いや、このコメントがもう詩っぽくて、面白いです。そのまま作品に盛り込められそう。それほどリアルがあります。なんにも不適切でなく、面白く読ませていただきました。 そうですね、noteの方で既出の詩です。

1
熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
283.0046.さんへ
(2025-03-28)

コメントありがとうございます。 「術産」も読んでいただけたとは、ありがたいです。「感動」という評価は、ほぼ初めて聞けた言葉かもしれません。 いえ、見当違いなことはないですし、見当違いを求めてもいます。想いがあれば、すべて言うが正しい(憎悪以外)、ように思ったり。 引き続き書いていきます。

2
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
作品へ
(2025-04-01)

熊倉さんの独特な世界。 乱暴でどこかドライでそれでいて魅力的な詩ですね。

2
ログインしてコメントを書く
ログイン







新規ユーザー登録はこちら

パスワードを忘れた方はこちら

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン
推薦文を書く

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2