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四季還り少女
吐く息にまで情が乗る。 山道を歩き続けた体には熱が籠もり、口元には吐息の白い形がはっきりと浮かぶようになってきた。ここ数日で、確実に季節が転がり始めている。 一方、息の白さとは逆に存在感を失ってしまったのが、背後を歩く影法師だ。彼の輪郭は朧気で寂しく、時折消える。 自分と同じ存在が薄れ往く様を見るのは、さすがに寂しいな。 無意識に陽差しの温もりを求めて視線が西へ流れる。 だが、地平までを視界に収めて見ても雲が途切れる空は無かった。 天地は変化を求めていないのだろう。 村を遠くに望む頃だ。耳が不意に鳴き声を捉える。足を止めて探ってみれば、凍える水辺に、群れる渡り鳥のはしゃいでいる姿が見えた。 寒くないのだろうか。純然たる羽毛の布団を巻き付ければ、俺もあの湖にも入れるかもしれないと少しだけ考え、考えを否定し、ぐっと背骨に溜め込んでいた空気と共に吐き捨てた。 返す吸気で冬を吸い込み、反射でぶるりと震え、再び体を縮める。爪先も冷たい。 吹き荒ぶ風におだてられ、なぶられ、濃色の重たい葉衣を脱いだ山河。 生きとし生けるもの全て、すべからく永久に命を育てる山々は、人々に媚びる時間を終えた様子で、稜線に沿って裸の木々が列を成していた。 いつになく、あっけない秋の幕切れじゃないか。 「また、冬が来るんだな」 清らかな春を迎えるために、四季は今年も浄化を選んだようだ。 圧し、固め、希釈し、全てを流すべく、無名の雪が今年を静かに閉じてゆく。 ほら、落ちてきた。 六花片が落ちてきた。 *** ふゆりふゆりと降る雪に色を抜かれてゆく山道。その最奥にそびえ立つ崖には、水の侵食を受けて生まれた洞穴があった。 中に居るのは一人の少女らしきモノ。 風を防ぐ板の隙間から、木の葉が敷き詰められている暗がりから、密やかに世界を眺めている。 いのち最期の焔に染まる秋の色を収めた瞳。目映い白に変わっていく景色を透明な瞳に反射させ、彼女は何を想っているんだろう。 外界が厳しいほど、彼女の内面は穏やかに見えた。 彼女は四季を貴んだ。 春は芽吹きを歌い上げ、夏には入道雲の間を飛び回り、秋の実りを両手いっぱいに集めてきては素肌を飾って楽しんでいた少女は、冬を迎えた途端に暗い洞窟へと籠もり、天地が収斂していく様を真似るかのように四肢を折りたためば、屈んで、たった独りきりの静けさに微笑む。 飲まず、食わず、意を告げず。 何人なんぴとたりとも近づくことを許さない姿勢は、人々から神格を得るのに時間など掛からなかった。 彼女は聖なる子、聖女と言われ奉られている。 彼女は運命に胸を刺され、人を止やめた。 聖女であり、人だったモノであり、俺の幼なじみだった。 首をかしげてこちらを見ても、透明な瞳には感情が浮かばない。重々に承知している彼女の性だ。 薄く朱色を乗せている、ふっくらとした頬と耳の先。丸みを帯びた顔の輪郭には誰もが幼さをみるだろう。それなのに、夕暮れに伸びる影のような濃淡豊かな黒髪と、凛と反っている睫(その瞬き)が、妙齢に熟した女の気配を醸し出していた。 同じ年齢では持ち得ないはずの時代を有する異様な生き物。 俺が、彼女に自身の正体を名乗らせるとするならば、時間を超越してしまったが故に歴史の概念を脱ぎ捨てた存在、とでも言わせるつもりだ。年を重ねることを止めた命に成長は有り得ない。伸び続ける髪だけが、世界の変遷を黙って刻み続けるのだろう。 新雪を踏み、彼女に近づいた。 まるで機械仕掛けの獣のように、おもむろに見上げてくる顔。 その存在に手を伸ばす。 両手を使い頬を誘い上げ、親指の腹で唇をなぞる。懐かしい感触を覚えながら、押し込んだ。 瑞々しい唇が俺の指の形にゆがみ、歪にゆがみ、指が離れると同時に、んぱっ、と開く。 吐息が散った。 白く散った。 しかし、雪にはならずに消えた。 儚く消えた。 雨のように透き通る肌の彼女だったが、天空の寵愛を受ける雲ほど無情な白さを持ち得ていない。 そうだ、もちろんそうだ、無辜無情なる白のはずがないじゃないかだってその身体にはその身体にはどこまでも人の命が埋まっている赤い命が埋まっているどれほど幼いまま成熟を為し影が神気をまとい肌に神域が透けてぼやけていこうとも人外の力を振るおうとも決して神仏の類いではなくその内側に喜怒哀楽を宿しながら世俗に汚され生きる定めを背負った人間と同じ俺と同じ情で動く生命でなければ、なければ だから だから、彼女の吐息は穢れこそないものの、当然ながら雪になりきれず、人の白い息のまま散らなければいけない。 ああ、良かった。まだ *** 俺が近づいたから体温が上がったのだと推測した。彼女は洞窟の縁から身を乗り出して、小さな声で時折話しかけている。 雪に向かって話しかけている。 雪と会話が出来るようだ。 そうだよな。いくら雨、風、雪に人情が無いとはいえ、季節の巡りに合わせて移ろい、遙か彼方から旅をしてきた連中だ。吹き抜けてきた里で、町で、国で、言葉遊びの1つも覚えような。 彼女は彼らの言葉を拾って、ほつほつと、他愛ない言葉を返しているようだった。 雪は個であり、全である。 それは己(こ)であり、また禅にもなろう。 冬の間、きっと彼女は雪になろうとしている。 人を、自分自身を忘却し、雪になりたいんだろう。 冬の冷たさを浴び、ひととせの垢を落とした彼女は、また白い子に成りて、沸き上がる幾たびもの春を新たな花芽と共に歌うのだ。 ならば、その頃俺は、咲いたばかりの桜の枝を携えて、彼女を迎えに来るだろう。 幾たびも、幾たびでも、春一番に逢う者でありたい。 *** 帰り道が雪に埋もれる前に洞窟を離れた。 雪の合間に、またね、と声が聞こえたが振り返らない。 返事を返せば俺も、ああなる。 重々承知している呪術。 積もった雪を爪先で蹴散らし、彼女が好きだったポップスを口ずさみながら、凍える山を下っていった。
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四季還り少女 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1287.1
お気に入り数: 3
投票数 : 9
ポイント数 : 0
作成日時 2025-03-03
コメント日時 2025-03-13
項目 | 全期間(2025/04/07現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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平均値 | 中央値 | |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- この人を見よ! (レモン)
おはようございます。 もうね、 解説なんて野暮な話で、 ただただ惹き込まれました。 個人的には 千々森さんと少女が結ばれてほしいと思います。 推薦文を書いても良いですか? もっとも、私が推薦した所で、 何も変わらないのですが。 千々森さんの書き手としての凄い熱量を、 思う存分、 堪能させていただきました。 ありがとうございます!
1あれ?お名前、間違っておりますね。 失礼致しました。 ごめんなさい。 もしかしなくても、ずっと私、間違ってました…よね? 本当に失礼致しました。 本当に本当に、ごめんなさい! 千才森さん。 ありがとうございます。
1おはようございます、お読みいただきありがとうございます。 名前間違いは多分初めてかなと思いますよ?最近は森っちと呼んでもらってますし(笑) ちなみになんですけど、森っちってどこかで見たりしてます?何年か前に作中で自分を出した時に森っちと書いたんですよね。自分にあだ名を付けたのは初めてで、偶然にしてはすごい確率だなと思って読んでたんですよ。 いっそ、この主人公の名前を千々森にしましょうか。名前を考えるのが苦手で、わたしの作品は登場人物のほとんどが名無しなんです。 楽しく読んでもらえたみたいで嬉しいです。わたしは主人公になりきって書く一人称視点が多めですから、読者側の感情が重なってくれれば刺さるかな、と思っています。 わたしが書くのは基本的にハッピーエンドなので、この世界がどうなるかはわかんないですけど、2人はきっと幸せになるでしょう。 推薦文は嬉しいですね?もちろん構いませんよ? 読まれる読まれないで言うなら、そもそも、このサイトでこの文章量は読まれにくいんですよね。
1こんにちは。 えっと。 タイトルだけで詩を書こうと思ってウロウロしてたら、 やたら長いタイトルの方がいて、 「ふーん。おんなじようなこと考えるひとがいるんだな」 と思って読んだのが千才森さんの、「なんちゃらかんちゃら」的な随分長ーーいタイトルの詩で、 その中で、リリスさんが「森っち」と呼んでいたので。 森っち。 とても気に入りました。 まあ、皆さん、 とても忙しいのだろうし、 コメントまで全部読んでる私は、 とっても暇なおバカさんなのでしょう。 では、 気合いを入れて 推薦文、書かせていただきます。 ありがとうございます。
1推薦文を書きました。 お忙しいところ申し訳ありませんが、 チェックだけ宜しくお願い申し上げます。
1いや、もう、本当にありがとうございました。 凄く素敵な批評文をいただきました。 あー、あのなんちゃらかんちゃらは、他の作品に対するカウンター的な意味合いで書いたものでした。喧嘩とかではなくて、むしろ作者さん側に立っていたんですけどね。もうその作品は消されているかな。 意中のYouTuberさんの詩を読まれて傷ついた、そんな意味合いのネガティブな動画系の詩に対して、VTuberに詩を読んでもらって楽しかったというポジティブな作品を作ってみたものです。ビーレビさんでの活動の中では、あの時がわたしの中で一番火の付いたタイミングだった気がしますよ(笑)懐かしいです。 コメントを読むのは良いことでしょう? わたしもよく読ませてもらっています。時々過去の作品も見させてもらうこともありますし。 作品よりもコメントの方に作者さんの本音が現れますね。 詩はどうしても作者さんとは切っても切れない関係にある、と考えています。 小説は、フィクション小説であれば作者さんと作品は離れている方がいいと考える人もいらっしゃるぐらい距離があるものですが、詩は作者さんとの距離が近いですから。できればコメントも味わいたいと思っています。 さすがに全部は追い切れませんけどね。
1とても素晴らしい方がコメントをしておられて。 もう、スッゴい勢いで目まぐるしく生まれ変わっていて。 スローペースの私は、 ゆっくりコメントして行こうと思っています。 (あのスピードで的確なコメントをしておられる。悔しいですが、本当に凄い!) 千才森さんには、 つい本音を話してしまいます。 いつもありがとうございます。
1まるでジブリ映画や細田守監督の作品を見ているかのような気持ちになりました。季節が変わる様子が色鮮やかに表現されていますね。
2お読みいただきありがとうございます。 まさかのビックネームでびっくりしましたよ。お二方の作る作品のように万人受けする作品を作ってみたいですね。色鮮やかとの評をもらえて嬉しいです。
2拝見しました。二聯、いえ、三聯構成ですね。で、一読ではよく掴めなかったので何度か眼を通してみました。というのも一聯の表現が秀逸で素晴らしくたいへんよく書けている。全体を通して小説形式としても読めてくるので、何かそのような物語が元にあるのかもしれません。 四季~云々というタイトルを見ればわたしの年代では映画「四季奈津子」を浮かべてしまい、といっても主演の烏丸せつ子の魅力的なヌードばかりが眼に焼き付いていて、ストーリーはトンと忘れてしまってます。笑。 しかし二聯に描かれた怪しい光景には迷わされてしまいますね。 洞窟の少女(聖女) なにやら伝説的な碑や墓碑にも伺える魔性を帯びた場所。 ふらりとドライブに出かけたときに「何々姫の碑」と伝承に書かれた遺跡に出くわしたりすると、つい車を降りて立ち寄りたくなります。そして碑に刻まれた伝承の文字を読み手を合わせて帰ろうとすると、後ろ髪を引かれる思いに駆られることがあります。それと同時に(~ああ、何か何か霊に憑いてこられそうだな~)。というような不気味さも感じてきて、すぐにその場を離れたくもなる。 雪深い山道を歩くなかで遭遇した洞穴を覗けば少女が居た。(水の浸食を受けて作りあげられた洞穴ということなので、これは鍾乳洞ではないのか?)とわたしは感じました。鍾乳洞へは何度も入ったことがあり、その長い時間をかけて積まれ形成された重厚な透明感と艶のある白い肌合いがよくわかるのです。 なかには人間のカタチにも見えたりして聖なる祈祷のスポットにもなっているモノもありますね。 というのもこの洞穴の少女の偶像表現があまりも心象的に事細かく表現されていて、どうにも創作としか読めてこないのです。もちろん元になる伝承、或いは本当に語り手を配して書かれた作者の史実があるのかもしれません。 ~ほら、六花片が落ちてきた。と一聯では締めくくられるので、*** 二聯との時間差も考えなければなりません。 そして *** を挟んで小さな三聯がある。 帰り道~呪術~彼女が好きだったポップスを口ずさむ? 彼女?彼女という表現がいきなりリアルに出てくる。ということは洞穴の少女を彼女の面影に浮かべていた。とも考えられてくる。 作者はこの二聯三聯を入れ子的な構成の物語として創作されたようにも伺えるので、たぶん元には小説として物語の下地があるのだろうと推測もされてきます。 まあ、全体を通してその古風にも重厚で卓越した表現力と怪しい魅力を携えた創作(少し褒め過ぎかな)力には印象の証を二重に付けたいですね。久しぶりに文筆としての力を感じる読み物を拝見しました。
2お読みいただきありがとうございます。 めっちゃ褒めてもらって嬉しい限りです。 そして、感想を読ませてもらって色々とこちら側の課題が浮かび上がってきました。なるほど。 ああ、ヌード。この描写の量でヌードを描いたらちょっと大変な感じになるかもです(笑)もしヌードを描くのなら、この少女と鍾乳洞はよく馴染みそうですね。洞穴の中がどんな様子なのか、そこまでは全然想像していませんでした。その辺は好きにお任せいたします。 この作品は目一杯自分の好みに寄せて書いた小説、描写メインで書いた小説のつもりでした。 元になっている伝承などは無いんですが、1枚のAIイラストから思い浮かんだ情景を書いてみたものだったんです。 初期のAIイラストの絵柄だったので、絵師が描くイラストとは違い現実離れした人形のように生気の薄くみえる可愛らしい少女の横顔でした。全くこちら側(鑑賞者)を意識していない様子を受けて少女の設定が生まれています。作り物めいた偶像表現はここから来ているんだと思います。 できればそのイラストを公開したいところなのですが、昨今のAIイラストの不評的な世論の都合で、ちょっと表には出しにくいのが残念です。 そして、こちら側の課題としては、聯の繋がりが途切れてしまっていること。少女のイラストが先にあって、そこから話を書いているので一応作品を通して繋げて書いたつもりだったんですよ。 ただ、読み返してみると確かに繋がりが薄い。 山を登っていって、洞穴まで会いに行って、戻っていく青年のお話。 言い訳のように書かせてもらいますと、幼なじみの少女が何らかの事情で聖女に変わってしまったけど昔のような関係を諦めきれずに会いに行ってしまう青年、みたいな背景も考えてはいました。書くと説明臭くなるのでバッサリ切ってしまったんですが、それが途切れた原因にもなっている気がします。 最初の描写が楽しくなり過ぎちゃって本編を忘れていたんでしょうね。 他のサイトにも投稿したんですが、そちらではまあまあ不評でして。不評の理由はいくつかありますが繋がりの薄さも災いしていて、いきなり聖女が出てきて予想を悪い方へ裏切られたという(そういう意味だと解釈していますが)コメントなどをいただきました。そのコメントをいただいて、そうだよな~と読み直していたところです。 それでも、こうして楽しく読んでもらえる方もいますのでちょっとホッとしました。 個人的に描写が好きで多ければ多い方が書いていて楽しい。でも、書きすぎれば読まれにくくなるのはわかっているんですよね。そこで他者が読める描写の量を探っていたところです。現状ではこの作品が目一杯の描写の量になるかなと考えています。
1こんばんは、森っち。 作品に冬の森というか、樹々の様子が出ておりましたが、 「千才森 万葉」さんというお名前は、冬になると、 「千才森 百葉」さんになるのかなぁと、 素朴な疑問です。笑 ほかの方々のコメントは、いつも勉強になります。 自分のいたらなさを痛感いたしますが、背伸びしても無理は続かないので。 ただ、以前より作品を、じっくり拝読するようになりました。 ありがとうございます。
1文章の流れが有機的に絡まり合い、とても素晴らしいと思いました。 物語としても面白く、一文一文がとても美しく、神聖なものさえ感じました。 今までこの文芸サイトで色々読んできましたが、私の中でかなり上位の位置に食い込む内容に想い感じ入りました。
2こんばんはです 百葉!その発想はなかったです。箱に入れられそうな名前。 でも、百葉はちょっとしっくりこないかもです。お堅いイメージがありますね。 全てが落ちる無葉=夢葉かな~と思ったんですけど、無用に通じてしまうので諦めました。 万葉でいさせて下さい(笑) 最近のお気に入りの言葉が 作者の中に解はあり、正しさは読者が持ってくる というものです。 解はひとつ、正しさは人の数だけあるもの。 作品への感想は読者が自由な視点で書くべきだと考えています。 レモンさん自身が納得できる感想を書き続けられるといいなと願っていますよ。
1お読みいただきありがとうございます。 詩文ではないがゆえに有機的に感じられる文章になったのかもしれません。文章の流れから繋がりを作れるのは散文の強みじゃないかなと考えます。 物語として読んでもらえて嬉しいですね。これだけ装飾過多だと読みにくくなっているはずですから。でも、個人的には好きな書き方なんですよ。 神聖な感じが伝わって良かったです。 元になっているイラストはAIが描いたものでしたが、どこか神聖さがありました。その雰囲気をできるだけ文章に乗っけたいと思いながら書いてました。 褒めてもらって恐縮です。精進していきます。
2こんばんは。 「返詩」 少女はひとえだの桜から ひとひらの花びらが散るのを見ていた 少女の頬を 流れ星のような涙が 伝わった …………千々森君?
1おはようございます。 せっかく「返詩」したので、 ついでに上げときます。 尚、詩中の「伝わった」は、単に「伝う」だと面白くないので、「伝わった」にしただけなのですが、 意味がバッチリ通ってて、思わず苦笑い致しました。
1ひとりひとりじゃ人には成れず なれど、ふたりの間は慣れる ひとことたりとも交わせなくとも ひとより寄り添う仲睦まじく。 再びこの地を踏むことは無し 未熟も浅慮も承知している 夜ごと触れあう心の在り処 いつか定めを脱ぎ捨てるために 「伝う涙は指で掬って 月影の下に閉じ込めておくよ 伝わる涙は僕が背負うから 今夜はぐっすり眠るといい」 春を歩き続けて幾日 ひとふりの枝で行く先を指す 最後のひとひら桜が風に 散った名残か、舞った希望か 暁の先に大峡谷 辿り着いた隠れ里 奇跡が息づく大蛇のアギト ここは天狗の住まう場所 ~ 奇跡を求めて ~
1我が名をば 日々に強く 呼び賜へ ひかりと成りて 奇跡を為さむ
1添ふこころ 愛しき万の葉を絡め 軌跡生くるや ちとせの杜にて
1レモンさんの批評文を見て来たけど……これは確かに引き込まれるような綺麗さがある
1彼女と雪の距離を思います。何か原始的で自然なもの、原初的なものが具体化している詩。ちょっと投票したくなる詩だと思いました。まだ投票しませんが。
1こんばんは 一つ目の句は、なんだか神様みたいな威を感じますね。神威。 天狗なのかな? 主人公のほうかな。我、日、光として太陽神のように絶対的な奇跡の与えてくれるのだと確信できます。 口調も格好いいですね。 2句目はわたしの名前を入れてくれた作品ですね。 こちらは一転、優しげな美しさが全身から伝わってきます。落葉や木漏れ日を思わせる見た目もいい感じだと思いますよ。 1句目を主人公、2句目を聖女の句としても成り立ちそうな気もしますね。 あ、でも、旅にわたしの名前を仕込んでしまうと辿り着けなくなるかもしれません。わたしの名前の読みは万葉と書いて まよう と読むんですよ。千才の森に迷うに掛けてますね。 もっとも、二人で迷うのなら、それならそれで幸せなのかもしれません。 仕込みと言えば。 わたしがお返しした詩もどきで、実は縦に仕込みがしてあったんですよ。 1連目がひと、ふた、ひと、ひとと来ましたので、2連目には再び(ふた)未熟(み)夜ごと(よ)いつか(いつ)と縦読みで数字を仕掛けていました。 まず、気が付かれないような言葉遊びですね。こういうの好きなんです。
1お読みいただきありがとうございます。 あ、綺麗な感じがしましたか?それなら嬉しいですね。 理想を言えば、もう少し広がりと言うか含みを持たせた描写をしていきたいです。
1お読みいただきありがとうございます。 雪との距離って言う表現良いですね!素敵。 聖女を人間よりも自然に近い存在として描いているので、わたしが彼女にガシガシ引っ張られていったんだと思います。人間らしさを失った命に、原初の生を透かして見ることになったのかもしれません。 投票は、まあまあ。 この詩はもっと良くなるだろうなって気がしています。より上手なのを書けたときにでも頂けたらなって思います。
1こんばんは。 なるほど。面白いですね。 ありがとうございます。
2こんにちは。 昨夜のわんこは私です。 驚いてしまって逃げたのですが。笑 では、失礼いたします。
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