わたしたちの希望 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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わたしたちの希望    

思考を撫でる。 わたしたちの海の射程は、 リンゴ飴の驚嘆に値する余白によって。 たとえば、冷凍された 歯茎のリボルバーだ。 走り書きの頬を抓ることは、 おそらくラテン語の森を撃ち抜くことで。 わたしたちは陰惨な唇をぬぎ捨てた。 だれよりもかわいい星。 鉛筆をにぎる昔の習性とか、 くらげのような涙を拾い集める 焔だった、やはりペルソナの使い方を わたしたちは心得たふりをして 忘却してしまっている。 ほら、郵便局の甘い声を憶えてる? 概念はみんな死んでしまった。 ロリコン野郎の歌なんて聴きたくないし、 わたしたちの血脈、あるいは 猫の息吹――夜の朝。白い黒。あなたの心臓。 お願いだから、わたしの詩を触らないでくれる? わたしの詩が、あなたの指先を傷つけてしまうから。 詩と小説の違いなんて、 太陽と海と言っておけばいいのよ。 詩が太陽で、海が小説。 どうして、分からないの? 角砂糖がね、砂漠だった。 わたしたちは一輪の孤独そのものだった。 緑色の淫らな花だったかもしれないし、 忘れられた惑星だったかもしれないということ。 嘘はつきたくない。 本当のことなんて、誰も知らない。 あなたがたは宇宙の中で生きているふりをしている。 世界地図は日々変化しているということ。 歳を重ねるたびに若返るということ。 じゃあ、空は何? 詩が太陽で、小説が海なら、 空は一体何? わたしたちの心臓、わたしたちの在り処、 わたしたちの英文、わたしたちの記憶力。 風景が溶け、脱構築される。 わたしたちの差延。 あなたは、砂漠の真ん中で、 ひとにぎりの砂を売れますか?


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わたしたちの希望 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 29
P V 数 : 1252.6
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2025-01-26
コメント日時 2025-02-02
#現代詩 #ビーレビ杯不参加
項目全期間(2025/02/25現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:1252.6
2025/02/25 18時36分58秒現在
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    作品に書かれた推薦文

わたしたちの希望 コメントセクション

コメント数(29)
メルモsアラガイs
メルモsアラガイs
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(2025-01-26)

類さん、角砂糖がね、砂漠だった。~から本気で笑ってしまえる。本気で笑らわせてしまったら詩文として負けだと思う。ここの聯からは話者は姿を変えるべきだと思います。

1
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2025-01-26)

「ネオテニーJAPAN」という感じで、いいんじゃないですか。 >あなたは、砂漠の真ん中で、 >ひとにぎりの砂を売れますか? この一節はなかなか冴えてるな。たとえば、高須クリニックに殺到するBBAとGGYたちを茶化しているような洒落っけがある。「アンチエイジング」もネオテニーですからね。

1
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2025-01-26)

追記ですけど、類さんがじつは乗り越えないといけない仮想敵はゼッケンさんじゃないかな。 なんだか、そんなことを思ったな。

1
テイムラー隆一
テイムラー隆一
作品へ
(2025-01-26)

『わたしたちの海の射程は、 リンゴ飴の驚嘆に値する余白によって。』 『走り書きの頬を抓ることは、 おそらくラテン語の森を撃ち抜くことで。』 この文章の構築がどことなく田村隆一的な現代詩だと思えた。「誰もいない所で射殺された一羽の小鳥のために野はある」に似たセンスというか。 意味で人を魅せるというよりは、その切れ味によって人の魂に刻み込むといった感じの精神が感じられて、良いと思う。 『わたしたちの心臓、わたしたちの在り処、 わたしたちの英文、わたしたちの記憶力。 風景が溶け、脱構築される。 わたしたちの差延。』 これもあの時代の現代詩が使いそうな詩文というか……まあ、『脱構築』という単語からしてポストモダン的なのはわかる。 文章が整然とした形で美しいから一見するとわかりにくいけれど、情景が全体を通して一致してない(僕の主観であるから気に障ったらすまない)気がするというか、そこもポストモダン風味があると思ったんだ。 ……で、ここからは本筋とは関係ない枝葉末節の域の話になってしまうけれど、詩と小説の違いってあまり考えたことがない。ジャンルとしての違いはあるのは承知だけど、詩は太陽で小説は海だみたいな感じの分け方を僕はしたことがないというか……。 どっちも創作されるためにあるジャンル、僕が空を飛ぶための装置、文章というパーツをうまく構築することで機能するAC……という感覚なんだよな。 (だからあまり脱構築という概念にもピンとこないことが多い。作品は構築・設計するものという意識が強いし)

1
メルモsアラガイsさんへ
(2025-01-29)

じゃあアラガイさんの勝ちでいいですよ。良かったですね。

0
おまるたろうさんへ
(2025-01-29)

こんばんは。 ウーパールーパーよろしく類です。 すべての書き手は敵じゃありませんよ。 みんな仲間です。 友達ではありません。仲間です。

0
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-29)

うーん、俺は「逆張り」ってけっこう高度な問題だと思っていて、 そこらへんの話をしたかったような気がする(気がする?) 誤解させてたらスミマそ

1
テイムラー隆一さんへ
(2025-01-29)

こんばんは。 いつもよりコメントが濃いめですね。 嬉ぴーです。 伝えたいことはなんだろう? それは絶対に詩でなければなりませんか? 絵は?音楽は?小説は? あなたはなぜ、詩を書くのかですよ。 詩が小説に変換可能であるとすれば、それは詩の必然性の脆弱さを暴露してしまっているのではないか、とね。 そのようなことを考えています。 脱構築はふつう、テキストを捉える思考のアイテムであり、詩作には使いません。 それをあえて詩作に使うことも一興ではないでしょうか。

0
おまるたろうさんへ
(2025-01-29)

……逆張り? 何のことでしょうか? お話がしたいなら、いくらでもします。 ただ、お話が長引くようであれば、Xの方へ誘導させていただきます。

0
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-29)

>……逆張り? >何のことでしょうか? この初動だと、もうなんというか、ちょっとやりとりが長引きそうよね... Xへの誘導というのは、どういうことですかね?

1
おまるたろうさんへ
(2025-01-29)

そうねー場合によっては長引くこともあるかもです。ただ、お相手が納得されるまでお話に付き合いするという前提です。僕はどちらでも構いません。ただ、「逆張り」が何のことなのかさっぱり分からなかったのでお訊ねした次第です。 雑談と化した場合、Xへと誘導するようにしています。ここで話さなくていい内容であれば尚更でして。他意はまったくありません。もちろん、誘導はしますが、強制するわけではありません。

0
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-29)

>ここで話さなくていい内容であれば そうかしら? 俺のガイドライン理解だと、 ここで話さなくていい内容かどうかは、まわりが決めるので、 そこまで懸念するのであれば、アゲ進行にしなければ、あとは、 お互いの意見を言い合えばいいと思うんだけど。 わたしは、Xでやろうという気が起きませんね。

0
おまるたろうさんへ
(2025-01-29)

サゲ進行にチェックするのがめんどくさいのです。それに僕はおっちょこちょいな所があって、うっかりアゲてしまうのです。Xでやりたくないのであれば、それで全然問題ありません。

0
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-29)

逆張りというのは、文学的な新概念ではなく、 Xにいる、たいはんのアルファアカウントが毎日勤しんで やっているアレですよね。 類さんの作品には逆張り的な要素が多分にあるような 気がしていて、最初コメントは、そこについての提議ですね。

1
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-29)

実際に一時期、マジモンの逆張りポエムを連投してましたよね。

1
おまるたろうさんへ
(2025-01-29)

なるほど。おまるたろうさんの言いたいことが分かりました。 逆張り的な要素かー当の本人はまったく意識していなかったところです。 特に、 >あなたは、砂漠の真ん中で、 >ひとにぎりの砂を売れますか? ここをどう捉えるかなんですね。 皮肉に聞こえるかもしれません。 でも実はそうではないのですよ。 自解は避けておきたいところですけど、少し解説します。 それでも、砂漠の真ん中でひとにぎりの砂を売ってやる!という熱いハートが我々に必要なんじゃないかと思うのですよね。 水なんかじゃなくてね。 それが「わたしたちの希望」なんですよ。 かなーり要約しちゃいましたけど、大まかそんなところです。 もし僕らがダイヤモンドの星に生まれていたら、当然ダイヤモンドの価値は下がるでしょう。 それに反比例する形で単なる石ころの価値が爆上がりするんですね。 それでも、ダイヤモンドの価値を本来のダイヤモンドの価値にまで高めるということ。 その価値を創造することが我々の仕事なんじゃないかな、それが希望じゃないかなと思った次第です。

0
おまるたろうさんへ
(2025-01-29)

マジモンの逆張りポエムがどれのことなのかさっぱり分かりませんが、創作姿勢をコロコロと変えている節はあります。単純に色んな作風に挑戦したかったからで、逆に張ってやろうと意気込んだわけではないです。僕は気まぐれです。

0
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-30)

>逆張り的な要素かー当の本人はまったく意識していなかったところです。 ええっ...そうなの? 批評って、あたりまえのことをあたりまえに指摘することから はじまると思っているので、 逆に類さんを論じるにあたって、このクリティカルポイントというか クリティカルヒットを外すわけにはいかないと、 俺は考えているんですね。 そのざっくりした自作解説も、 逆張り精神を感じてしまうんですよね。 ただガムテープで貼っつけたバナナが現代アートの最高峰みたいな話があるでしょ? むろん、マウリツィオ・カテランにも熱意はあるわけですよ。

1
おまるたろう
おまるたろう
類さんへ
(2025-01-30)

デミアン・ハーストもそういう態度をとりますね。「俺って気まぐれだから」とかいって、うまい逃げ方ですよね。白痴化したふりをして。

1
エイクピア
作品へ
(2025-01-30)

ペルソナと言う仮面。確かに使い方を忘れてしまっているのかもしれません。ひとにぎりの砂を砂漠の真ん中で売れるとかと言う問いはこの詩の眼目でアルファーでありオメガだと思いました。

1
三明十種
作品へ
(2025-02-01)

僕のこの左手中指の先の傷はこのせいだったのだねー

1
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
作品へ
(2025-02-01)

「詩が太陽で、海が小説。」、なるほどと思いました。 暑く耀く太陽も、穏やかに、時に激しく波を立てる海も、どちらも言葉を包み込むゆりかごとして必要なものですね。

1
おまるたろうさんへ
(2025-02-02)

おはようございます。 普段から逆説的な考え方はしています。 その結果が反映されているのであって、書いているときは逆張りをしようという気持ちはありませんでした。 普段から逆張り的な考え方をしているので、書いているときに逆張りしようとすれば、それは一周まわってストレートな作品になるでしょう。 ただですね、自解は逆張りでも何でもなく、本当にそう思っています。 だから難しいんですよ。

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エイクピアさんへ
(2025-02-02)

おはようございます。 ご感想ありがとうございます。

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三明十種さんへ
(2025-02-02)

おはようございます。 僕の手も古傷だらけです。

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秋乃 夕陽さんへ
(2025-02-02)

おはようございます。 >詩が太陽で、海が小説。 気に入っているフレーズです。

1
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
類さんへ
(2025-02-02)

素敵なフレーズだと私も思います。

1
田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2025-02-02)

あなたは、砂漠の真ん中で、 ひとにぎりの砂を売れますか? 唐突なさいごに、びっくり。

1
田中宏輔さんへ
(2025-02-02)

ご感想ありがとうございます。

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