羽根が送られてきた。ご丁寧にシーリングワックスでとじられている、差出人を書いてない封筒、
ここ何日か この羽根のことばかり考えていた。アーク森ビルの陸橋を渡る途中、ピーポ君の看板が立っている。この場所に漂っている虚無感はまるで人生みたいに、もって生まれたままで、むごくて、
こうしてまた会えてうれしいよ。羽根に込められたメッセージ、かつてわかちあった共感や、笑い。昔なにが起こったのかを知っている者たちは、徐々にその場所を譲り渡さねばならない。手元に残ったのは、この悪魔のような羽根。もうわかりあう日はこないんだね、ゾっとするよ。トラウマは新たなトラウマで治すしかない。俺たちにとっては、
別れてすぐは、どうしようもなくつらかったのに、少しずつ以前の自分を取り戻し回復する。でも時間は止まったまま、なぜ止まったままなのかうまく説明できない。魂のない體はただの肉と同じ、
配達員がポストに届け物を入れて去っていく。どうせ自分に手紙なんか来ないと思ってポストを開けたら、この封筒があった。一言の言葉もなく、羽根が入って、
「あなたのはねです」
羽根はついに聖性を帯びはじめ、ポケットからとりだすと鴉共がいっせいに騒ぎはじめるようになった。だからといって軽々しく喜んではいけない。この場所はあいかわらず虚無にみちていて、自分の軀もあいかわらず、虚無で。だからこそ分かれ道でとまどい、迷わずにはいられない。
全く呆れるじゃないか、これぞ都会の神髄。見え透いた嘘をいう輩で腐ってる。俺はいつだってガチだよ。ぜんぶ嘘って知っているから、なにもかもバカバカしいから。ガチになれる。
作品データ
コメント数 : 1
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作成日時 4 時間前
コメント日時 3 時間前
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2025/01/15現在) |
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エンタメ | 0 |
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2025/01/15 23時45分29秒現在
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ガチやね、これは、ガッチガチ!連呼されてるわけではないが、所々に配置されてる虚無が、もー虚無虚無って感じで、(キモいかもしれんが)僕はもうそこで共有とゆーか共感とゆーか、まじこれに描かれている同じ事象は体験したこたぁないんですが、よくよく思い出してみれば同じよーなことがあったかもと惑わされてしまいますねーああ僕もいつだったかブコウスキーそっくりの配達員が届けた郵便物の中からハネが出てきたことがありましたありました(あったはず)オマリズム、幅広いですねー(僕も僕のこの路線で突き進んでいきまーす)また何書いてンだか分からんくなりましたが、この感激だけは伝えたいのでぇぇぇぇぇぇぇ
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