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五月とカステラ
唇は五月 春雨の似合うおんな 走り書きしたソファー 適当に組み立てた机 勉強するための鞄 足首を交差させるための金曜日 スナック、それから それから何があるんだろう 何があるんだろうな 何があると思う と書いてみただけ 書いてみただけなのか そうだよ と鞄の中に詰めてみただけ 弁当箱をつめてみただけ お酒を飲んでみただけ ちょっとだけ ほんのちょっと いいじゃんそれくらい のど、 からからにかわいているでしょ くしゃみがでるでしょ それくらい なんともないのに みんなにおこられる くるっているって そこまでくるってないって いやくるっているって あなた、なにもわかってないって そうだね そうだよ きっとそうなんだよ ってカラカラ笑いたい ねえ、そうでしょ? そういうもんでしょ わたしってすごい? なんでもわかってる? そういう事、靴紐を結びながら聞いている 自分に 自分の中に何もないのに 悩んでいる 悩みを繰り返している 足音 足音が続く わたしのすきなものってなに? ねぇ、って 思わずきいてみたいけど 聞いたところで こまらせてしまうばかり この終わらない行分けのような 五月 散り際の桜 東北の桜 太陽が眩しくなる 学ランが少しだけ重たくなる 桜 歌い始める季節 ほころびだした 新しい始まりの合図 首筋を撃たれて 何も歌えなくなる 気がついたらご五月にいたわたしは五月にいたわたしは五月にいたわたしは五月にいたわたしは五月にいた わたしは ごがつ に いた わたし は ごがつ にいた わたし は ご がつ に いた わ た し は ご が つ に い た わ た し は ご が つ に い た わ た し は ご がつにいたいたいたいた、 いたんだ いたんだよ ここにたってた 五月に立ってる 何で立ってるか知ってる? 五月だからだよ そう聞こえたんだ。耳鳴りがした 確かに鼓膜が揺れて 桜が最後の花びらが散って 乾いた葉っぱが生えてきた 緑色をしていた 緑としか言いようのないほころびがめぶいていた 干からびた体から 血が吹き出したように 太陽がさんさんと輝いた それからそれから もっとつたえたいことたくさんある ない いやある ないよ そんなものどこにもないって神様がいってた そんなものどこにもないって かいたってしょうがないって こんなことかいたってだれみてくれないって みんな心の内にもっていることでしょ そんなこといわれた そんなこといわれたってどうしようもないでしょ? わたしはいまいきてる ポエム書いてる 桜咲いてる 今ここにいきてる そうでしょう? それいがいになくない? ねぇ そうでしょ? そうじゃないの なんでかいてるの なんでここにたっているの なんでよんでるの 答えて欲しい 聞いて欲しい 桜が散ったそして葉がさいた こんな単純なことなのに それだけで唇が潤っていくのは 難しい事? あくびが出ちゃうような五月。欄干の上で、同級生が逮捕されていく光景を目の当たりにした。友達は酒を飲んで捕まってしまった。捕まってしまったので、悲しかった。と同時にどうでもよかった。捕まるべくしてつかまったとおもうから。風が吹いている。強く吹いている。髪をすいていく。わたしの黒髪をすいていく。綺麗な風が。欄干の上を滑っていく。耳鳴りと共に滑っていく。そうしてみんな忘れていってしまう。そうでしょ? そういうもんなんでしょ? でも忘れないよ。そう思っているわたしが今ここにいるから。まだ立ってる。この欄干から去ることになったとしても、まだ、五月に負けないから。今日を生きているから。きっとだよ? きっと
五月とカステラ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1165.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-28
コメント日時 2018-03-31
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
スマホで見た時とPCで見た時の違いが、かなり活かされた作品という印象だ。
0百均さん、こんにちは。 65才くらいの男の人が、パチパチ燃える薪ストーブの前で、ひとりでカステラを食べているところを想像させられました。 詩は書かなくても生まれてるなって。 ありがとうございました。
0〈この終わらない行分けのような/五月〉 〈首筋を撃たれて/何も歌えなくなる〉 〈緑としか言いようのないほころびがめぶいていた 干からびた体から 血が吹き出したように 太陽がさんさんと輝いた〉 このあたりが、とてもいいなあ、と思いました。 詩の部分と、詩を書こうとしている思考回路というのか、創作回路というのか、そういう楽屋裏のような部分を描く時の描き方・・・描いてはいけない、ということではなくて、たとえば映画のメイキングビデオとか、不採用になった場面の集積などが、編集の仕方によってとても面白かったりする。そういう・・・メイキングビデオを作ってやる、というような視点で見直してみるのも面白いかもしれない、と思いました。
0テストコメント。
0ですと
0ごめんなさい。テスト。
0kaz.さんありがとうございます。パソコンで書いたので多分パソコン寄りになってしまうと思います。どの媒体で何を書くのかというのは、多分創作する時に多少関係あるのかもしれません。例えば、僕は今電車の中にいるのですが、電車の中の時間というのは、僕は嫌いじゃないみたいな。 ありがとうございました。
0くつずり ゆうさん 詩は書かなくても生まれるというのは、一ヶ月くらいたったからかもしれませんがそう思います。書こうと思ってかくと、僕はいつもそれてしまいます。この詩のタイトルは中身と関係がないとおもうのですが、かんけいがないからこそ、そこに僕は安心するのかもしれません。関係がなくてもいいんだよ。と自分に言い聞かせるような。 ありがとうございました
0まりもさん メイキングビデオという言葉を久しぶり聞いたように思うのと、僕が多分好きなものがその一言にあるのかなとおもいました。 僕は過程を、見るのが好きというよりは、過程のないものを信じていないのだとおもいます。ので、過程を見ることがとても好きというよりは、そこに自分を投影することによって、つくられたものや作っているひとにちかづきたいのかもしれません。僕は自分で作ったメイキングビデオが、好きじゃ無い理由がよくわかったような気がします。なんというか返事が遅くなってしまったので説得力ないのですけれど、腑に落ちました。 ありがとうございました
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