子供の頃から 雨の日が嫌いじゃなかった
暗闇から蘇りほんのひととき 美しく生きる蝶のように
いつも元気のない お前の汚れを洗い流す
誰にも省みられない 可哀想なお前の意思
蛹みたいに 小さな母体の中で眠っている
かつて人生は快楽を味わうためにあったと死刑になった詩人が言い残した
もしも大きな罪で多くの犠牲者が出ても人々はこの地に戻ってきて春が深まる
なぜ同じ人間同士なのに能力や容姿や財力に差があるのか
お前が蛹の中で眠っている間にも世の中は変態が動かしていて
着ているものを脱ぎ捨て 与えられてきたものを拒んでも
それでも親に似てしまうのが子で春が深まっていく
生きることは 誓いにそむいて心を変えることだ
あるいは 捨てられて恨むこと *
*(原條あき子「原条あき子全詩集」)
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 335.4
お気に入り数: 0
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-01
コメント日時 1 時間前
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) |
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閲覧指数:335.4
2024/12/04 17時45分58秒現在
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それでも親に似てしまうのが子で春が深まっていく 齢を取り、憎かった父親に似てきました。
0しんみりさせんでくれよおぉぉぉぉぉぉぉぉ分かってる分かっていたのーこれもオマリズムの一側面なのだねー春はまだまだ遠いねー
0感動しました、素晴らしい作品をありがとうございます。 また詠ませて下さいね。
0私もかつて誰にも顧みられず理不尽な状況のなかで蛹となって生きてきた。 私が蛹の中で丸くなっていた頃は外界では変態が動かしていて如何ともし難い情緒を醸し出していた。 もし私がそのままの私出会ったならば今の私はいないだろう。 すでに捨てられた人生。恨むことも違いに背いて自分を変えることもしては来なかったけれども、状況が変われば景色も変わることは知ることが出来た。
0田中宏輔さん、ありがとうございます。 なんと。わたしも歳をとり、父に似てきている気がします。
0三明十種さん、ありがとうございます。 この詩の原型は若い頃、芸能事務所に所属してた時に書いたものでして、まあ、いろいろ、とても悲しいことばかりだったんで、感情がストレートに出ています。
0yutaka77さん、ありがとうございます。 そういっていただけて、なんだかホッとしています。投稿してよかったな。
0秋乃 夕陽さん、ありがとうございます。 一握りの変態野郎が世の中を動かしてますね。何かを成し遂げるには自分も変態になるしかないみたいです。これは比喩でも何でもなく。自分の周囲はどんどん金持ちになっていって、有名人になっていって、自分だけは現代のサチャグラハの一環として、頑固に極貧。風呂なし3畳!もはや打つ手なしですので、いつか時代がわたしに追い付く日がくるのをただ漫然と待っています。状況が変われば景色も変わることは、、あればいいなあー
0こちらは一転して美しいね。叙情◎ 大詩人に化けそうな片鱗を感じさせる作品でした。 >なぜ同じ人間同士なのに能力や容姿や財力に差があるのか なぜ同じ命なのにその価値が違えられてしまうのか ちなみに、唯一リアル繋がりのある詩書きが、今、Bで批評らしきものが書けるのはおまる氏くらいじゃない?って言ってたけど(まぁ彼はガチ読書家だからその辺りを好んで言ってるんだうけど) なぜ運営はそういう人材生かそうとしないのか
0素晴らしいです! どう素晴らしいかは、もうまったく皆さんと同意見です。 最初、この詩全部が「原條あき子」という人の引用なのかなと勘違いしていて、 「???」と思っていたのですが、こっちの早とちりでした。 いや、失礼しました。
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