やけに 緑の看板のコンビニエンスストアの
多い街でした 人でいるのが いやになれば
紙飛行機に なれる街でした
たぶん 陽がでている間に 紙飛行機になる
のだろう と思っていましたが タバコ屋の
ヨネさんは それを 聞くと 笑っていまし
た
紙飛行機になってしまうのに 朝も夜もない
じゃないか と なに ばかなこと 言って
んだい とでも 言わんばかりに 笑ってい
ました
ヨネさんは 紙飛行機に なりたくはないのかい?
そりゃ 紙飛行機になったさ
人間やっとるし こういう街だしな
紙飛行機 なったんだけどさ
どこまでも 飛んでいけたけど 爺様がな
追いかけてくるんだ あれは 情けない顔だ
った 連敗続きで もう明日にでも 力士を
やめようとしているガリガリの相撲取りくら
い 頼りない顔しててな いかんでえ いか
んでえ って 十二指腸震わせて その声
出しとるんか って言いたくなるくらい 細
い声で言うんじゃ
とてつもなく ばかばかしくなってな
紙飛行機になって 飛んでるのも どこか
ばかばかしくなってな
くしゃくしゃくしゃー って やめたんじゃ
そんな爺様も 死ぬ間際は ところ
どころ 紙飛行機になっとったなあ
まあ 飛んでいく って気持ちええもんなあ
飛んでいってしまいたいもんなあ
紙、ふぶいた
紙飛行機が うかんでいた
ゆうやけ とけるまえに
まどろんでしまえよ
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 606.2
お気に入り数: 2
投票数 : 5
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-14
コメント日時 2024-09-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/09/21現在) |
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:606.2
2024/09/21 08時50分07秒現在
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紙飛行機はふつう、だれかに飛ばされない限り飛びません。タバコ屋のヨネさんが紙飛行機になって飛んだときは、きっと爺様に飛ばされたのでしょう。ヨネさんを捨てたくせに追いかけてきたのですね爺様は。だからそのばかばかしい爺様が、死ぬ間際ヨネさんに飛ばされようと紙飛行機になったとき、きっとヨネさんは爺様を捨てられなかったのでしょう。 ありふれた寓喩のようでいて余韻が深い。文体も酔える、時と場合によっては泣ける。よい詩です。
2わっ。鯖詰さんだ! ガリガリの相撲取りというファンサービスワードが出てきて、ちょっと嬉しくなりました。
0よい詩ってこういうものだよと教えられたような気持に。福眼でした。
0こんにちは。 そこまで考えて書いていなかったので、澤さんの考察、面白いと思いました。 自分で書いといて、これってそういう事だったのかあ、と思ってしまいました。 興味深い解説、作品を読んでいただきありがとうございます。
1良いよ?良いんだけど、終わり方がちょっとね、響かなかったかな
0こんにちは。 ガリガリの力士。 あまり同じ表現を使う事を、禁じ手にしているつもりではありますが、なぜかこの時はこの表現を使ってしまいました。 「こいつ、このワード気に入っているのだろう」と思われてしまうのはいささか恥ずかしいものがありますね。 作品を読んでいただきましてありがとうございます。
1こんにちは。 楽しんでいただければ幸いです。 まだまだ精進していかないとなとパソコンのキーボードをたたきながら思う日々です。 作品を読んでいただきましてありがとうございます。
0こんにちは。 最後がつながりとして、「ねじれる」と言いますか、「イコール」でつなごうとした時に、はたして可逆性があるだろうか?というところで自分でも若干、解釈として微妙だったかなあという風に書き上げたあと、思ったりしました。 どんな言葉をつなげたとしても「染み入る」ものを書いていきたいなと思っております。 作品を読んでいただきましてありがとうございます。
0>やけに 緑の看板のコンビニエンスストアの/多い街でした 人でいるのが いやになれば/紙飛行機に なれる街でした」 この初連を読んで、わたしは、自由な街というよりも便利すぎ忙しない窮屈な街という印象持ちました。そして読み手はすっと詩に入り込め、それぞれ現実に直結するものだと思いました。その中で紙飛行機になり、風におされ、また誰かの手により、様々な生き方ができ、うまくいくこともいかないこともあるのでしょう。そして紙飛行機は紙吹雪となって散る。その紙吹雪も、もののあわれなのか大団円なのか、この詩には書かれていないことを己に顧みることもできますし、解釈次第で様々なセカイがふかく沁みいるものだと感じました。 めちゃめちゃ良い詩っすね、うまい!
0こんにちは。 読みこんでいただけて、恐縮する思いです。 好意的に読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
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