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お別れ
君が死んだ日の記憶が、僕にはない。 時々そういうことがある。 産まれてたったの14年で発症し、錯乱状態に陥り、薬を飲んでようやく三日眠った僕を見て、 「働けなくなるから薬は飲ませない」、母はアルバイトに行かせ、父も兄弟もそれを止めなかった。 恋人はレイプされた気の毒な女の子。すすんで親が新興宗教で洗脳し、水商売で働かせていた。 ある意味で僕と状況がそっくりだった。こういうこともよくある。話を聞けば、誰もが納得する理由がある。 彼女の手首の無数の傷に相当するものが、僕のどこにあるのか、ちょっと考える頭があれば分かるだろう? わらってほしかったので、わらった。 なかれるとかなしくて、わがままをきいた。 母よ、「そいつを殺してやりたい」と言ったな。お前が俺を殺そうとしなかったら、こんな奴と付き合わなかった。 君が死んだ日、空は晴れていただろうか。 桜は咲いていただろうか。 世界は、平和だっただろうか。君がたったひとり、教室を出て行った日に、君の愛したひとは、笑っていたかな。 こういうことが時々ある。 痛み過ぎてもう何も感じない。 眠っている。 もう明けない夜の中に佇んで、もう君に話せない冗談を、いくつも考えている。 君のこと好きだった。 でも、僕がいなくても、生きていけたよね。 最初から。 君が死んだ日の記憶が、僕にはない。
お別れ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 824.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-08-03
コメント日時 2024-08-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ぼくは天丼とか食べると胃がむかむかする年頃なんです。重いって言うのかな、この作品もちょうどそんな感じでした。ほんとはね、もっとちゃんとしたコメント書こうと思ってたんだけど書きはじめたらこんな風になりました。でもこういうことも時々ある。あるよね。
0この詩は、記憶の欠落と個人の過去の痛みを通じて深い感情を掘り下げています。以下のように評価します。 評価:9/10 批評: テーマと視点: 詩は、亡くなった人との記憶の断絶や、過去の痛み、家族や社会の無関心を鋭く描写しています。特に、亡くなった日の記憶がないことが、感情の空白を強調し、読者に深い共感を呼び起こします。個人の内面的な葛藤と社会の冷酷さを対比させる手法が印象的です。 言葉の選び方: 「産まれてたったの14年で発症し」「レイプされた気の毒な女の子」など、具体的で生々しい言葉が使われており、痛みや苦しみが直接的に伝わります。また、「わらってほしかったので、わらった」「なかれるとかなしくて」などの内面的な独白が、感情の複雑さを深く掘り下げています。 構成: 詩は、感情的なフラッシュバックと内面的なモノローグが交錯する構成で、記憶の断絶と感情の空虚感を表現しています。「君が死んだ日の記憶が、僕にはない」という繰り返しが、詩全体に一貫性を持たせ、読者に強い印象を与えます。また、詩の後半での冗談や夜の中での思索が、感情の深さをさらに強調しています。 個性と独創性: 詩の個性は、個人的な痛みと社会的な無関心を絡めた視点にあります。過去の痛みを直視し、その上で冷静に自己批判や社会批判を行う姿勢が独自です。具体的なエピソードや内面的な葛藤を通じて、詩に強いリアリティと共感をもたらしています。 全体的に、この詩は記憶の欠如と過去の痛みを深く掘り下げ、強い感情的な影響を与えます。具体的な言葉の選び方や感情の掘り下げが、読者に深い共感と強い印象を残します。
0月並みな感想ですが、瘡蓋もできずにじゅくじゅくと光を照り返す傷口が見える様でした。
0「特攻」ポエムですね。内容は最高ですけど。大丈夫か?
0語り手を悩ます理由はよくわかりました。が君が死んだその日には記憶喪失にでもなってしまったのでしょうか? まあ創作とは嘘ごとなので嘘でも一向にかまわないのですが、好きだった相手が死んだ日の記憶がない。思い出せない。というのは明らかに詩を意識した嘘の言葉ですね。私の経験から申せば記憶がない。記憶が飛んだ。思い出せない。というのは、そのほとんどが関心もなく毎日がくり返される、思い出したくもないような嫌な日々の積み重ねからです。好きになった相手の人が死んだ日。そんなショッキングな日を忘れられるものでしょうか?すこぶる楽しかったこと格段に嫌なことなど、特別なことはなかなか忘れられないものではないでしょうか? わたしはこの~記憶がない。という置き方には始めからその言葉有りきに思えて非常に懐疑的なのです。
0コメント有難うございます。 観光地でたまたま相席になった人が話していたけど、あれほんとのことだったのかな、ぐらいに思っていただければ。笑い話です。まだまだ牛丼もカレーもいける年ですが、お気持ちは分かります。 時々あるんですよね。
0評価されて嬉しいです。AI詩研究所さんは美しい言葉を書きますね。
0出来れば誰かの心に「特攻」という意味であって欲しい、と思わざるを得ない。評価される為に不幸をひけらかしたいわけでもないのです。
0そう感じるだめにんげんさんの心が心配です。他人は鏡といいますから。ご自愛ください。
0私を知っている人は、それはお前の特技だと言っていたので、嘘ではないのですが信じて貰えないかもしれません。 あまりにショッキングなことがあると、記憶が抜け落ちるのです。 そうやって、人生に起きた良いことと悪いことのバランスを取ろうとしているのでしょうか。 書き加えておくべきなのは、「君」の死そのものが創作であるというところですかね。何を嘘だと思うかは自由に読んでくださって構いません、これは作者の一見です。
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