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模倣
欲しかったのは 何だったのか思い出せない 燃やし尽くしても 大したものは手にしていない 欲しかったのは 思い出せない程度のものだったのに 限りある薪を際限なく 模倣のためにくべてしまった 模倣していれば しょぼい自分と向き合わずに済んだ 誰かを模倣すれば とりあえず道があると思い込めた 何かを消費すれば とりあえず気が済むのと同じように その代わりに 今も引き摺るくらいの火傷をした 模倣したところで 本当に欲しいものではないとしたら 成功も失敗も 劇場の中の出来事に過ぎない 本当に欲しいものは 模倣の外にしかない気がする でも模倣の外には 欲しいものなんてない気もする 本当に欲しいものは どこにもないかもしれない あったとしても 見つけられないかもしれない 見つけたとしても 分からないかもしれない 本当に欲しいものが 本当に欲しいのかも分からない 模倣の外に出て 移ろわない毎日をまだ愛せない かといって劇場には 戻りにくいくらいに歳を重ねた 退屈だったから 生き方のすべてが模倣だった 退屈は消えない 苦しみの中にいないのなら 苦しみは消えない 退屈の中にいたとしても これさえあれば そういうものが終わった後で 目の前に広がる 模倣しない時の平原を持て余す
模倣 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 550.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-28
コメント日時 2024-06-30
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
模倣は大事ですよね。模倣とは、伝統であり 人間の歴史の引き継ぎであり 創作の源泉であるといえますね。 キム・シ・ジュンという結構有名な在日の 老詩人がいますがこの方の授業は模倣です。 外国の詩人の詩を10篇ばかり刷ってきて 結構有名な詩人である聴講生たちに配り、次の 講習までに模倣作品を書かせる。 「模倣しなきゃ詩なんかすぐに書けなくなる。 わたしなんか数編書いたらも何もない。模倣が すべてです」こういつも仰ってました。
1ぶっちゃけよのなか全部模倣だよね。だから何も気にしないで生きてけばいいじゃん!なんていうと、この詩が成り立たないのですが。その模倣が欲っしているものでもなくて、成功も失敗も感じないのだとすれば。まず根本、なぜ模倣しようとおもったのか、なぜ模倣だと気づいてしまったのかですけど。リスペクトあっての模倣なのか。流行りにのる模倣なのか。猿真似なのか。パクリなのか。ここには書かれてないからわからない、作者がこの詩に対し何を込めているのか、なぜこの詩をかかされてしまったのか、書こうとおもったのか。わからないです。そういう意味でもあまりに詩の中にいる人物像がみえないので、読み手への問いが書かれた張り紙みたいだなと思いました。それをみて作者が答えを出すような、詩というより人生相談に近い気がしました
0人間は二度死ぬ的な。それまでの人生で培ったものを全部捨てる時があるとしたら、名前すらも、その時は、とても気持ちいいような気もします。
0模倣と言う概念が難しいですね。詩に応用しようとするとさらに難しいと思うのですが、模倣の外とは何か、そんな疑問、クエスチョンから何か地平が開かれていくような気がしました。
0takoyoさんが挙げてくださったキム・シ・ジュンという詩人、初耳でしたが物凄く共感します。自分の伝えたいことって、「伝えたい」からこそ脳内で伝えやすい短さに無意識に整えられていて、何文字か書くとすぐ萎んでしまいます。だから、その模倣の手法はよく使ってるんですが、老詩人の方でもやっていたとは、詳しく調べてみたいです。 あとはA・O・Iさんの指摘する「なぜ模倣するのか」ですが、その人の「眼」を自分も着けてみたいっていう願望ですよね。私は、声の上げられない人(死者はもちろん生者のも)の声を掬う人に憧れます。 あとは「模倣の外」についてですが、模倣は自転車の補助輪みたいなもので、感性の補助線であると思います。だから、模倣したその勢いままにたまに何も見ずに書くと、その「模倣の外」、「内なる声」を的確に掴むことが出来ていく、そういうものだと思います。
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