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追憶の詩
不思議な女(ひと)だった 150cmほどの小さな身体に 少年のように凹凸のない胸 なのに腰つきは人魚のように妖しくて 一足一足、歩むほどに 物哀しい潮騒が聴こえてくるようだった いつもどこか物憂げで それでいて澄明な彫刻のような横顔 その美しく張り詰めた表皮はその秘密を 猥雑な外界から隔てつつ煌めかせていた 求めても求めても、届かずに 日夜、虚空を掴むことしかできなくて いつしか僕は胸のなか 女山伏の彼女を幻視するようになった その身体には繊細な英知がみなぎっていた 純白の装束にはやはり人魚の腰がうごめいていた たおやかに歩むほどに白雲は厳かに揺らめき 立ち止まり目を瞑れば葉擦れすらも止んだ 沈黙が彼女を包み、僕をも包んで 微睡みのような木漏れ日に瞼を開く彼女は懐かしかった 焚き火越しに翳る頬 その瞳は 遠い故郷でも眼差しているかのように、淡く 仄暗い口を開ける洞 夢見る星々をよそに 佇む彼女の前に、立ち尽くすしかなくて 何の変哲もないあの町の空の下 彼女は今もみなにへりくだり続けているだろう だけど僕は知っている 彼女こそが真に、この世界を眼差していることを もう30を超えた彼女の 少女のように甘い声が、胸に木霊する あの透徹な視線の先に、あったもの ひとえにそれを知りたいから 僕は明日も詩を書くだろう
追憶の詩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 557.5
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-24
コメント日時 2024-06-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
シリアスですね。 今作はいろいろコメント来そうな感じがしました。 あと、小説も読んでみたいなという気がしました。もしかして書いてますか? 名作を放出してきそう(無茶ぶり)
1「ひとえにそれを知りたいから/僕は明日も詩を書くだろう」というきれーな最終連に騙されませんでした。ほぼほぼ女の描写、それによって僕の思いが並々ならぬものだとつたわってきま……せん!僕の切実さとか真摯さとか、もっと書くことあるだろうに・・スマンけど、舐めるようにみてるしかおもえなかった。私はそう思うってだけですけど
1何やらイメージさせようと目論むような詩を見て、ごめんなさい、久しぶりに緩やかに罵倒したくなってしまった。少し読んで~もの哀しい潮騒が聴こえてくるようだ。もうここで投げ出したくなる。~もう30を越えて~とか全体的に言葉使いが緩くてイメージできないのです。決定的なのが〆に置かれた~僕は明日も詩を書くだろう。?あれ?何のこっちゃですよ。人魚のイメージは何処に置いてきたのか。 読み手にその形象をイメージさせたいとき。ここでは人魚ですが、作者はあたまの先から脚の爪先まで、その姿は完璧にイメージされていないと漠然としても読み手には伝わりません。 例えば、~人魚の腰が~なんて書かれても読み手にはあのアンデルセンが想像した人魚姫の容姿でしか思い浮かばない。人魚、なんて最初から押しつけなくても脚の先が鰭になった女、と書かれてただけで人魚というのは想像できます。わたしが表現する、とはそういうことではないでしょうか? そもそも「追憶の詩」このタイトルの意味が主題を成していない。 追憶とは自らの記憶を思い出し偲ぶことです。仮に語り手であるわたしに追憶を持たせるのならば、想像で作りあげたわたしが先にイメージされ描かれていなければ追憶とは云えないのです。 とここまでゆるやかに酷評してきましたが、思いつきで書かれることは誰にでもあり、酷評も糧にはなるのです。どうぞ笑いながらご参考にしてくだされば、と失礼いたしました。
1みなさん、ありがとうございます。読ませていただいて思ったのですが、コメントを返すのにも技量がいるんですね(いまさら)… いままではお返ししやすいようなコメントが多かったため、一人ひとりの方に返信してましたが(途中止めてみたこともありましたが)、今回拝読して、自分には上手く返信する技量のないことを悟りました(苦笑) ただ1つ感想としましては、作品は自分の手を離れたら誰のものでもない―そのことを再度確認させていただいた(痛感することになった)お二方のコメントだったなぁ、と。 最後に、おまるたろうさんへ。物語を強引に(それこそ小学生レベルの強引さで)引き起こす癖が抜けたなら、いつか小説も書いてみたいと思っていますが、まだ夢の段階です(苦笑)投票どうもでした!
0で.....この詩の書き手は柳腰のセクスィーな女性と●ったんだろうか。 それが気になりました。
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