きみは
都市にまるく空いた夏のプールで
プラスチックの白い椅子に横になって
気持ちよさそうに眠って
わたしはひまでやることないから
黄色い浮き輪に向かって
(だれかたすけて)
ってつぶやいてみたけど
そんなことべつに望んでない
(幸せにも不幸せにもなりたくないから)
わたしは
でも、もし、
たすけてくれるなら
だれか一人でがんばったりしないで
世界のみんなでたすけてほしい
広い畑のおおきなカブをひき抜くみたいに
ちいさな動物も、できれば植物とかも一緒に
てをとりあって、ちからをあわせて
(そういうのって夢があるから)
あと、もし、
できるなら
わたし一人をがんばらないで
さっきそこで転んだおとこのこも助けてほしい
いつもどこでも浮いてたおんなのこもついでに
ニューヨークのホールデン君みたいに
かっこつけて酔っぱらっててもいいから
(わたしはお酒は飲まないけど)
それで、もし
みんなが泥だらけになって
わたしを黒い土から抜いてくれたら
わたしはきっとのどが渇いて
つよくてつめたいコーラが飲みたい気がする
自販機で買ったすべすべのアルミじゃなくて
ガラスのコップにおおきな氷がはいって
太陽が透きとおってしっとり汗をかいたやつ
(アイスが浮かんでたら言うことないけど)
でも、きっと
世界はいつでもひまじゃないから
こんなわがままだれも聞いてくれない
そんなに重たいこととは思わないけど
(できればきみには聞いてほしいけど)
わたしは
(だれかのわがまま叶えてあげたいけど)
きみじゃなくても
(みんなけっきょく死んでいくから)
作品データ
コメント数 : 31
P V 数 : 2992.6
お気に入り数: 1
投票数 : 4
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-19
コメント日時 2024-07-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:2992.6
2024/11/21 23時38分32秒現在
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日本はうすいうすい蜉蝣(かげろう)のように うすい生命意識をもつ民だということを思いだしました。
2夏になるとなぜかぼんやりと命のことを考えます。 蜻蛉といえば、吉野弘さんの「I was born」を思い出します。 生命を意識することはあまりありませんが、いつか死ぬんだということはいつもどこかで思っている気がします。
0さっきそこで転んだおとこのこやニューヨークのホールデン君。黒い土から抜かれるべきわたし。植物のたとえが隠れているのかもしれません。アイスが浮かんでくるようなことはあるのだろうか。「こんなわがまま」や「だれかのわがままを叶えてあげたい」気持ち。死すべき人間が少し存在を意識しだしているような気がしました。
1ボタニカルシャンプーのCMかなと思いました。文字からハーブとフルーツの匂いが漂ってきます。黄色い浮き輪は輪切りパインでしょ。へへ。 余白やひらがなの使い方がとても勉強になります。
1エイクピアさん、コメントありがとうございます。なんとなく出てきた言葉を気軽にかたちにしたので、はっきりした意味はないのですが、わたしも読み返してみて確かに植物とか死とかそういうものを全体から感じました。
0エイクピアさん、コメントありがとうございます。なんとなく出てきた言葉を気軽にかたちにしたので、はっきりした意味はないのですが、わたしも読み返してみて確かに植物とか死とかそういうものを全体から感じました。
0(みんな結局死んでいくから…)わたしのつぶやきが最後は決定的な悲観で終わってしまう。という内容ですが、べつに客観的に読めるからと言って( )を仕様することもないと思いますね。語りかけるわたしに対してのもう一人のわたし。これは作者の声としても受けとめれるので( )に入れて強調する必要もないと考えます。いつもAOIさんにいじめられるからかな(笑)文体を変えて来られた。 しかし、佐々木さん、はじめの印象があまりにもわたしの中で強力だったので、ふむふむと、うむうむですね。ここ二作品はちょっと尻すぼみの感じがしています(ごめんなさいね) でもね、仕方ないですよね。いい作品を書き上げた後はプレッシャーも強くなる。押しつぶされて書けなくなってしまう人。詩人だけに限りませんよね。音楽家にも画家にも云える。ふむふむうむうむと内心ニヤついているわたしを責めないでください。決してざまあみろ、なんて阿漕な気持ちは爪の先まで毛頭もありません。それよりも久保田早紀(異邦人)ご存じですよね。天使のように降りてきた彼女はその曲があまりにも偉大過ぎたために後が続かなかった。否、それ以上の出来栄えを求められてさぞかし苦しんだのでしょう。ほとんど一発屋で舞台から消えていきましたね(もちろん彼女は現役で健在です) ここ二作品を拝見すると、ああ、佐々木さんもこれから苦しまれるな、とか勝手に思ってふむふむうむうむなのです。すみません。どうぞわたしを否定してください。詩なんて本来苦しみながら書くものでもなく。人それぞれ自由ですよね。創作に苦しむなんて、それでお金になる世界でもない。馬鹿らしい事です。詩だけじゃない、文学や音楽から絵画創作劇と芸術は他にもたくさんある。何が一番興味ある事柄なのかはわかりませんが、創作に於いて役に立たない趣味はないと思います。 きっと苦しみ抜いてわたしをあざ笑うときは来るでしょう。その時を楽しみにしています。 過剰な意見で失礼いたしました。
1メルモsアラガイsさん、ありがとうございます。これまでコメントで書いるように、まだ書き始めて数ヶ月で、最初はみなさんが「うーん」みたいな感じだったのに、最近は褒めていただくことが多かったので、正面からダメ出しいただいて正直ホッとしてます笑 特にこの作品はご指摘のとおりAOIさんからのコメントでほおほおとなって( )使ってみたかったって感じなので、「こんなの書いてんじゃだめだよ!」って誰かから言われるんじゃないかと思ってました。そしてアラガイさんに言っていただけました(前作はそれなりにがんばって書きましたが、それはそれとして)。 たまに最初の方の作品を読み返すことがあって、ここ何作かとは確かにいろいろ違うなと思います。作品に至る経路とか紆余曲折みたいなものだと思うのですが、たぶん自分のメンタル(というか気分)が影響してる気がします。ああいうのはエイッと書けるものではないなと思うので、何か降りてくるのを待ってます。待ってる間にちょこちょこ浮かんでくるものを文字にしてる感じです。それもあとから読むと自分で書いたものとは思えないのですが。 久保田さん、調べてみました。この歌歌ってる方なのですね。創作は厳しい道だとは思いますが、わたしは自分にそんな才能があるとも本当に思っていないので、せめて自分の中にある何かに近づいていけるように地道に書いていこうと思います。同時に、それがわたしでない何かに近づくことでもあればステキなことだとは思ってます。 というわけで、全然過剰じゃないです、むしろスッキリしました! ただ、「ふむふむうむうむと内心ニヤついている」のはちょっと意地悪ですね笑
0あと、AOIさんにいじめられてるとは全然思ってません(念のため)。毎回すごく発見があるし、活かす活かさないは自分の問題だと思ってます。アラガイさんも冗談だとは思いますが。
0佐々木さんはかなりはじめの頃、作風と違う「お話詩」を書いてきたことがあってそのとき結構辛辣なコメントしてしまったので、潰してしまったかなとすごく心配していた事を覚えています。しばらくして一皮むけて戻ってこられたので、この方は強さがあるなとおもって、初心者とかそういう目線ではなくおなじ創作者としておべっか抜きで接しています。言われたことに対して吸収し応用する能力が高く、才能を活かせる方だと思っています。どういう方向へ行くのかはわかりませんけど、自分で自分の姿を探し見つめ、いっときのものではなく、しっかりと芯を立たせる物を書かれるだろうと、今後一層のご活躍をたのしみにしております。この作品に対しても早速使ってきたなという印象を持ちました。まあ、気になる点もありますが、言わないほうがいいかなと思いつつ……佐々木さんは作風としてこれで定めてしまっていいのか、手癖として定着する前に、そろそろ、その何となく書いているものに対して、向き合ったほうがいいのかも知れませんね。伸び悩んでいる、そんなかんじがします。
1佐々木さんの作品、いくつか読ませていただいているけど、 素直に「いいなー」って思うのです。 「自分に書けるものを」「自分の言葉で書いている」からかなーと。なんとなく。 ただ、↑って(シンプルだからこそ、と言うか)なかなかできないんですよね。 作品の感想ではなく、すみません。 次の作品も楽しみです。
1ぺえ太さん、コメントありがとうございます。輪切りパイナップル思いつきませんでした!でも確かに夏とパイナップルっていいですね。
0AOIさん、ありがとうございます。「その何となく書いているものに対して、向き合ったほうがいいのかも知れませんね」というところ、確かにに何となく書いてるとぜんぶ同じ感じになってしまうので、どうしようか考えています。何かが劇的に変わるわけではないと思うのですが、何を大切にしていくべきなのかという意味で。
1葉月ニ兎さん、ありがとうございます。そう言っていただけるとほっとします。わたしはわたしにできることしかできないと思っているので、右往左往しながらも、自分なりによいものを目指して書いていきたいと思います。
1バナナフィッシュは作品の外で すいすいと泳いでいるのか? ホールデンのお陰で一気にグラースサーガに引き込まれてしまいました
1完成度高いけどどこかで見たような作品だと思った。力を抜いた文体も良いが本当に言いたいことは腹から声を出して言うべきだ。
2コメントありがとうございます。サリンジャーはとても好きです。よくあんなの書けると思います。
0ありがとうございます。完備さんの作品を読んで、たしかに「腹から声を出すこと」も大切だなと思いました。次は自分なりにお腹から声出してみようと思います。
0単純に(だれかたすけて)って何を指しているのか最後までわからない。そのぼんやりとしたものをかかれているのはわかるんだけど。じゃあそのものは、はっきりと書かないとなんとなくばかりで、心に残らないんだ。だから自分でそのなんとなく書いてあることに対して、見つめてあげてください。佐々木さんはできるとおもっています
2ありがとうございます。そうですね、完備さんのコメントいただいて、そしてAOIさんのコメント読んで、ぼんやり何かを書くだけじゃもったいなくて、それを「見つめること」、そして「おなかから声を出すこと」が大切なんだなってすごく納得しました。これは本当に何か書いてみないと気づかなかった(実際気づいてこなかった)と思うので、わかってよかったと思います。すぐにはできない気もしますが、これから意識してやっていこうと思います。
1ラストの (みんなけっきょく死んでいくから)、すごく効いてるなあと思いました。 優しい世界を描いていて最後の最後に切先を突きつけるみたいな感じ、すごく良いと思いました。
1コメントありがとうございます。すごく良いと言っていただいて嬉しいです。
01人で頑張らないでたまには助けを求めてもいいんだよ、というメッセージが伝わってきます(*´ω`*)
1世界にこうあってほしい、と願うナイーブな感じがよかった。
1これね。他愛もない告白のようなメッセージにも詠めて少し厳しい見方をしたけど、ちょっと違う角度から見れば面白いのよね。 この空間を僕は読み落としていたと思う。つまり文体形式的な、 、つまり音が意識された形式的な詩だったんだ。 僕も得意な、ポリフォニー形式ですね。僕の場合はそもそも空間と人物を置き換えるけど、ここでは楽器になぞらえている。フロート。その軽いタイトルに感性も眠らされていたな。 のように受けとめれば作者の思惑も読めてくる。
1なんでそんな風に詠めるのか。 読めたのか。 って言えば、この詩、同じ相手に同じ空間で繰り返し伝えようとしてるのね。追うように。つまりフーガ的に。たぶん響きは管楽器。その様に読めたのでした。
1田代ひなのさん、コメントありがとうございます。ひとりでがんらなくてもいいし、ひとりでがんばってもできることは限られてますからね。
1湖湖さん、ありがとうございます。ナイーブなことを書くのは勇気がいりますが、たまに書いてみないといつまでも書けなくなってしまいそうな気がして書いてみました。
1世界を救い救われたいという思いが、自然と浮かんでくるような、穏やかな日が描かれていて、 気持ちがいいです。必死に頑張らなくてもいいから、ということは、誰もが望むことだろうし、 それを言ってくれる世界であって欲しい。詩人の願いが世界を救うのに貢献する、というような ことを言いたくなりました。
1メルモsアラガイsさん、再読いただきありがとうございます。 確かにこの作品は特定の近しい誰かへの呼びかけなのでフーガみたいなものなのかもしれません。このようなかたちをとらないと、こういうどこにも行きつかないものは書けないかなと思ってはいました。内容もふわふわしてるのでフロートにしてみました。
0黒髪さん、コメントありがとうございます。誰かを救い、誰かに救われたいっていうのは、やっぱりいつまでもどこかにあるんじゃないかなと思います。自分はひとりで生きているんだ!って思っても、たぶんよくみてみればそんなことはないし、それを認識してるかどうかも実は大切なんじゃないかと思ってますり
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