蟹は自己言及しないから、蟹はメタ認知できない
メタ認知できる人たちは、蟹を食べる人たちです
蟹は、死をイメージしない、
らしい
それは、蟹は、
目の前のものしか、見ていないから、
らしくて
蟹は、自分が誰かを、知らない
らしい
蟹は、目の前の砂を、砂だと
知っている
しっている
らしい
でも、蟹は
砂を見ているのが、だれか
知らない
らしい
蟹を食べる人たちは
目の前の蟹を、蟹と知っていて
蟹を食べているのがだれかを、知っていて
自分の体に触らなくても
自分の体がここにあることを知っている
らしい
でも
自分の体が蟹であることを
蟹を食べる人たちは、知らないでいる
皮膚の下に、真っ赤な、茹で蟹が
しょきしょきと泳いでいるのを
筋繊維が、びよびよと引き伸ばされた蟹であるなのを
知らない
それを知っているのは、蟹もまた、それを知らないから
それを知っているのは、だれか、誰も知らない
知っている
知っているということは
脳みその中に、あること、なのだろうか
脳みその中の現実と、現実の中の現実が
ちょうど一致している、のを
知っているということなのでしょうか
蟹味噌が、脳味噌ではないと、知っている
でも、脳みそが、かにみそだって、しらない
くせに、
蟹は、目の前の砂を、砂だと知っていると
知っている、人は、なぜ、それを、
知って、いるのか
蟹は、言葉を喋らない
いや、人間が、蟹の言葉を知らないだけではないでしょうか
いえ、蟹は、発音しない
らしい
でも、蟹は
息を、吐いて、いることを
蟹は、発音していることを、知ら
ら、な
しら、ない
でも、
蟹は、ひとたちの、血管の中を、ショキショキと泳いでいて
それを、人たちは知らない
知らない、という、ことを、しら、ない
では、誰が、しっているのかというと
しょきしょきと泳いでいる、蟹たちも
泳いでいるのが、誰なのか、知らないまま
びよびよと引き伸ばされた蟹たちを
はむはむと
食べている
食べて、蟹を食べる蟹たちは、蟹味の汁を啜って
蟹の、残り香の、蟹の肉団子を残して
しょきしょきと、泳いでいくのを
知っているのは
知っていて、言葉に、しているのは
それに
言及して、いるのは
それは、それは、蟹を
食べる、人
食べられない人
腹が、膨れる、ひとたちの、腹の中で、胃の肉と、蟹が、置換して、いる、夜に
蟹が、蟹を食べる蟹が、蟹を食べる人たちを食べる蟹が、蟹を消化しながら、変な色の、あぶくを吐きながら、目の前の、蟹のことをは、蟹だって、わかるのに、わかっているから、食べるのですが、ひとたちは、実は、ひとたちは、ひとたちのなかで、肉と置換する、蟹なのだと、蟹を知っている、ひとたちが、言葉に、しているの、だ、けど、蟹の、中の、蟹の人たち、が、かにのひとたちがしょきしょきと泳いでいます、
います、す
と、言っている、のは
その、ことを、知っているのは
蟹に言及しているのは
テーブルを囲んで、蟹を、解体する
タキシードに、汁が、つかない、よ、うに、
気を、つけ、
る
黒ずくめの、蟹たち、が、きょろり、と
自分が、蟹だとは知らないで
自分を、ひとたちだと、知っていて
しっていて
蟹の、蟹たちは、自分に言及するふりをして
蟹や、ひとたちの、輪郭を、なぞりながら
まっくらやみのなかで
じぶんじゃないだれかのからだをなぞりながら
ああじぶんはこういうかたちなのだろうと
へんないきものをいめーじする
目に見えている、手が
自分のものだと、証明、出来ますか
その手を持っている、変な生き物の顔に張り付いた
透明な、柔らかい蟹かも、知れない、でしょ
あなたは
柔らかい蟹は、耳から、鼻から、変な生き物、ひとたちというへんないきものの
脳みそと、置換して
変な緑色の、甲羅と、変な淡褐色の、ぶよぶよが
しょきしょきと、泳いでいるのを、きっと
知って、いるのは
蟹の蟹たちを見ている、蟹の、ひとたちの、中を、泳いでいる、ひとの、蟹たちを、しって
ひとたちが、蟹の人たちだとしって
しって
し、ってて、いる
のは
それは
蟹を知っているのは、蟹たちです
と、蟹に、言及している
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 889.4
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-04
コメント日時 2024-06-25
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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2024/11/21 21時32分40秒現在
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後半から、どんどん壊れていって、 最後は、メタメタになり過ぎて、純粋な思考実験になってしまって、 実生活との接続がうまくいってない気がしましたね。 読んでる方が迷う。 わたしは、この作品からスクウェアプッシャーの音楽を想像しました。
0蟹を生かしきれているかというとそんな感じでもなく、蟹である必要性を考えてしまいたくなる。けれど蟹だから、この詩は成り立つと。そうですね、まあ単純に読んでおもしろかった。こちゃこちゃ考えなくても、それでいいとおもえますね。言葉が重くならず堅くなく角張った構造もないので読みやすく好きです。
0蟹ってのは確かに不思議な食べ物だ
0わりと好きw私的には浅い皮肉はつまら無いんだけど、皮肉の毒が己にも回って身を蝕む悲壮性までをおかしく描くと毒々しいゆーもあになる。攻撃性を持つなら同時にそれ位までの客観性も同時に保持して書かないと毒にも薬にもならんよねと思っちゃうから、この詩にはそこまでちゃんと降りてこうと努力してる感があって良かった。私も頑張ります。ざっと読みの感想でごめん。まだ何かあるかもなので、時間ある時に読み返したい。蟹、美味しい?
0地下アーケードの通路にこの作品か書かれていて、こう読んで進んでいくうちにだんだん辺りが暗くなってなんか生臭い匂いとかしはじめて、ハッと前を見たら巨大な蟹が泡をブクブクさせて右の爪を振り下ろしてくる みたいな想像をしたな ちょっと注文の多い料理店のグロいバージョンみたいな 広い空間に書けばらしくなる気がする、そんな可能性を感じさせる作品
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