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募金
バスのステップを降りると 募金の声が流れる BGMのように記号化された呼び声 地下改札に続く階段 左右挟みうちで5・6名ずつ 哀れな犬の看板と 首に下がった白い箱 階段を下りたい 止まりかけた足を軌道に戻す “通勤通学”に同化し リュックを前に回して 一つ下りる わん と何かが吠える 私は戦慄する 次の電車でも間に合う 抱いた黒いリュックから300円が取り出され 抱かれた箱に入る 鈍い底の音 空っぽの音 吊り革を握りしめて考える さっき私は 赤の他人に金を渡し良い奴だと承認されたようなのだ
募金 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 575.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-02-20
コメント日時 2024-02-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
これを描写しましたか。 なかなか描きにくい物をうまく料理したと思います。 即興で返詩を川柳で。 募金箱 ちゃりんと鳴る 偽善箱 善は善 それで救いし 命あり
0コメントありがとうございます。 料理、というのは確かに、普段と違って感情をある程度加工して書いてみました。「偽善」って、漢文だと「偽の善」でなくて「人為的な善」というような意味だそうです。募金のボランティア達は善を後天的に獲得したのかも…
0「空っぽの音」といった描写が、物理的な音だけでなく、どこか感情の空虚さを象徴しています。300円を募金する一瞬の出来事が、詩全体に深い余韻を与えると共に考察を促す要素となっています。最後の一文で、「さっき私は赤の他人に金を渡し良い奴だと承認されたようなのだ」と記されていることから、他者との瞬間的な交流によって作中主体の行動や選択が一瞬で他者に認められ、それが内面に何かしらの変化を引き起こした様子が感じられます。
1承認がなにか、ちょっとした驚き、意外な感があるのかもしれません。募金箱でしょうか、精神の遍歴が、この詩では飛翔していると思いました。
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