ブルーエンハンサー - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

永訣の詩

あなたが出発していく 光あれ

羽田恭

あなたには「十月」が足りていますか?

もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

るる

だれのせいですか

どんな身体でも

どんな自分であっても愛してくれるか、抱きしめてくれるか、生きてくれるか SNSできらきらした自分だけを見せてそんな見た目や上辺で物事を判断しやすいこんな世の中だからこそ響くものがありました。例えばの例も斬新でとても魅力的です。

sorano

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow



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ブルーエンハンサー    

俺はエルマーになりたかった。だとしたらおまえは一体なんだったのか。俺はおまえがいなくなったあの日から、ハラワタと呼ばれる役割の代わりにリンゴを消化している。バビロニアの中にバビロンがあるように、俺の中にも「俺」よりも少しばかり先鋭化した響きの「俺」が存在していて、いつの間にやらすげ替わっている。その頃にはバビロンなんて都市はもう知らない。どこにあるんだ? 俺たちはどうしたって出会わない。おまえはどこにも居ない。 さびしい。さびしいというはなし。さびしいというおと。さびしい。言え。さびしいと言え。おまえはきっと叫んではいない。俺はいまも語りかけの練習問題を繰り返している。きっと。有りもしない言語にさびしいというだけの意味を与えている。きっと。ガキの頃、俺はきっとという言葉の名手だった。俺は夏休みやクリスマスが近づくと、その言葉を有り合わせの言語で叫び続けていた。飽きる事なく。あの頃の俺は腹を押せばいつまででも音が鳴る、ただのマヌケなチキンだった。 それは5歳のクリスマスの日だ。俺はバカデカいドラゴンのぬいぐるみを買って欲しくて世界一泣き叫んでいた。俺はそいつに跨ってかのエルマーが行けなかったすべての島を踏破するつもりで、とにかくもうすでに14種のチューインガムまで用意していたのだ。半分はリンゴ味だった。コウギョク、オウリン、やめろ。チエノミをトラに渡すな。きっと詰んでしまう。それでも外せば13種しかなくなるから外せなかった。ガムを噛む唇はいつも震えていた。 そういう話だ。覚悟を決めていた。どうしても叶わないなら俺は俺を取り囲む海原を俺の手で作らなければならない。そのためにはいつまでだって泣き続けた。なのに勘違いした母親は俺にちいさなノライヌのぬいぐるみを買い与えた。くいいじがはっていて、いつも知らないワタのかおりがした。そいつはどういうわけか全身がテレビの中の外国の空みたいに真っ青で、雲模様で、しかしとてもじゃないが子供一人乗せて走れやしない、まったくもってオオマヌケなカオをしていた。不憫に思った俺は、ノライヌだったやつの尾っぽを掴んで、せめて街中を練り歩いた。大好きなエルマーも読んでやった。そうする必要性を強く感じていた。 俺達のこの目に映るすべてはケンタッキーだった。サイ、ドラム、キール、そして架空の臓物。そこから何滴ものコトバがしたたり落ちる。そいつを啜っては空を仰ぎ、俺達は少しづつ大きくなっていった。俺はやつの尻尾を掴み、やつは俺に尻尾を掴ませて、お互いと、お互いの孤独について考える。嘘みたいに青い空、しらないワタのかおり。それはノライヌという響きがとても似合った。ノライヌは孤独を咥えて走り続け、しかしきっと一月もすれば口を離すだろう。きっと、それこそきっとだ。その後は迷いの無い風になり、時々は過去をわんさかと掘り返し、数多の名有りの草花を蹴散らす。そうしたらもうオチバだ。おまえはオチバと呼ばれる。そうやってすべてが一緒くたになっていく。それは切り離された部位の名前で、過去へと剥がれ落ちた皮膚の欠片たちだ。どいつもこいつもいつまでも浮かれていて、どういう訳だかふいに探したくなる。 俺たちはそうやって大きくなっていった。おまえのくいいじはとどまるところを知らず、何年も経てば俺がエルマーについて話せることももう無くなってしまった。おまえはたまにトラの数を間違え、チューインガムは二つ三つ混ぜて口に放り込んでいた。もうコウギョクとオウリンの違いなんて解らない。チエノミなんて捨ててしまえば良かった。その頃には俺はいつだって意味もなく震えていた。青ざめた唇が有り合わせをつむぐ。 いつの間にか、おまえは俺の手に尻尾だけを残していなくなっていた。ブルーエンハンサー、おまえのまえあしをさわりたい。ないてくれ。物陰から都合よく転がり出てきてくれ。さびしい。さびしいというはなし。さびしいというおと。さびしい。言え。さびしいと言え。どうしたっておまえは叫んではいない。きっと。だから、俺が叫んでいる。さびしいという。さびしいという言語。しらないワタのかおりがする、あの、嘘みたいな作り物の青色。


ブルーエンハンサー ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 19
P V 数 : 2361.9
お気に入り数: 4
投票数   : 5
ポイント数 : 23

作成日時 2023-08-25
コメント日時 2023-08-28
#現代詩
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性100
前衛性00
可読性110
エンタメ00
技巧00
音韻20
構成00
総合ポイント230
 平均値  中央値 
叙情性1010
前衛性00
可読性1111
 エンタメ00
技巧00
音韻22
構成00
総合2323
閲覧指数:2361.9
2024/11/21 22時50分48秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
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    作品に書かれた推薦文

ブルーエンハンサー コメントセクション

コメント数(19)
atsuchan69
作品へ
(2023-08-25)

ブンブン振り回して袋のなかでクリームがベチョベチョになったナイススティックを齧りながら読みたい詩だと思った。できたらパンツも脱いで腰をひねりながら朗読した方が良い。そーゆーの動画にのせたらゼッタイ凄い。テキストだけでも十分イイのだが、読めない人もいるからなあ。半分くらい食べた鰻丼に粉山椒を振りかけるみたいに、更なる味の変化を狙って、ここはひとつぜひとも YouTube にアップして欲しい。

0
atsuchan69
作品へ
(2023-08-25)

とーひょーしました。

0
トビラ
作品へ
(2023-08-25)

比喩を重ねた  重ねるほど薄くなる皮膚を 透けて青くなる空も 途切れてしまう林檎の皮も 「南無阿弥陀仏」が全てを阿弥陀仏にお任せしますなら そこで花と開く比喩もまた  仏が開く コスモスとカオスと定理と抒情と夏の夕暮とグレーとカレーと 誰もいない一人の部屋で 淋しさに感染する

0
ゼンメツ
atsuchan69さんへ
(2023-08-25)

振りかけのナイススティックに 振りはじめの雨、 見ろよあの空を、 誰もが画面下部を見上げる…… あれはなんだ、あれは、 それは、わからない。 くちにしては、ならない。 雷に怯え、おまえたちは整列する。 じゃがりこ、じゃがビー。 ヌテラアンドゴー。 見上げろ! 見上げろ! おまえはまだ誰にも観られてはいない! おまえも振りしきれ!! おまえらは今日からのり玉だ!! 止んだやつから俺ののり玉だ!! そして夕立の如くたち消える、 俺のYouTubeアカウント……

0
ゼンメツ
さんへ
(2023-08-25)

>どこまでいっても「おれ」「おれ」「おれ」だ。 もう俺だけが俺じゃない。 俺だけが俺俺と泣きじゃくっている訳じゃない。 なんかたしか、そう。マツケンも言ってた。 立派なマツケン。 どっちのマツケンも立派だけど、 サンバで言ってるほう。 俺以外の俺が俺俺と口を揃えて言っていた。 「俺、マツケンさんば」と、 みな口を揃えて言ってた。 「ば」は方言だ。 俺以外の俺と、 口を揃えて俺俺言い合う。 そういうものにわたしはなりたい。

1
ゼンメツ
トビラさんへ
(2023-08-25)

ひとは、重なるほど透明へ近付くんだよ。 そうすると相槌とため息と、 吐息の区別がつかない。 ひとは、ずつ丁寧に拾っていると、 きみの雲が乱雑に覆い被さる。 夏の雲はそうやって出来ているんだ。 あんなに大きくなっても、 透明で、かぜに身体あずけるしかなくて、 いつまでも涙を流し続けている。 見えないところへいくまで、ずっと、 流し続けていく。 僕と僕たちと、もう海の区別がつかない。

1
ゼンメツ
さんへ
(2023-08-25)

シケモクの山で迎え火をつくった。 それを5人で取り囲んで、 迎え火の隣に、 ストゼロの缶を積み上げていく。 えいやんは、 俺たちの3個上のセンパイで、 俺たちはなにかとえいやんに殴られた というか視界に入ったら最後、 だいたいぼこぼこにされていて、 仲間のうち一人二人は必ず欠けている、 という始末だった。 ある日、 この街からえいやんが消えた。 俺たちは突然殴られなくなって、 別の知らん先輩らが、 俺たちのところにえいやんのこと、 なんどもなんども聞きにやってきて、 俺たちは知らんくて、 本当になんも知らんくて、 その日から街中で、 「えいやんいないか!!」 「えいやんじゃないか!?」 「おーいおーい」「おーいおーい」 と呼びかける、 バカデカいセンパイの声を、 ただただ毎日聞きながら、 俺たちは欠けることなく、 常に5人揃ってて、 段々となんも知らんのが、 逆に怖くなってきて、 なんかもうマジで怖くって、 耐え切れなくなって、 俺たちがえいやんを殺したんだって、 テキトーこいてたら そのうち誰も来なくなった。 もう、えいやんを呼ぶ声も聞こえない。 えいやないかえいじゃないか おいおいおいおい えいやないかえいじゃないか おいおいおいおい 生きてんのか、死んでんのか、 相変わらずなんも知らん。 知らんのがとにかく怖い。 怖くて、怖くて、 なんもええわけがなかった。 だから、 俺たちは、 本当にえいやんを殺すために、 こうやって、 迎え火と送り火を、 何度も、 いつまでも、 繰り返している。 えいえんに、 えいえんに、

5
田中恭平 new
田中恭平 new
作品へ
(2023-08-25)

うんうん。 その後半のブリッジなると、何か脳内快楽物質が出たように思いました。 そこまで読ませる、語りの妙というのもあるでしょう。 ちょっとね  俺達のこの目に映るすべてはケンタッキーだった。 からのブリッジ、多分、意図的な挿入ですけれど、イメージの混濁があるのですけれど しっかり後半になって解消する。凄い。 何か、評と言いますか、感想が淡白になってしまうのですけれども えてして、実際の素晴らしい詩はそれで済んでしまうんだろうなと。 そうして加えて書くならば、文体なのですけれど、僕が知りうる限りの ゼンメツさんの声=言葉の調子、 なのですね。 僕はそういうセンスも低いのですけれども、目から耳へのセンスといいますか 力が強い方は、もっとダイレクトに味わえるとしたら、それって羨ましいですね。

0
眞島脈博
眞島脈博
作品へ
(2023-08-25)

とりあえず本文よりも浦桐さんへの返詩の方がずっといいのに吹いた ざっと読みで申し訳ないけど、女性の裸を初めて見た童貞がガンギまった目でぐるぐるベッドの前で儀式を始めちゃった、みたいな作品で、BBA受けとか同属性受けしそうねって思った。(他意はない 詳しく読んだ感想はまた。 うん。ポエム力、あげてこーぜ笑

1
もじゃお
もじゃお
作品へ
(2023-08-25)

誰かにあてた手紙のように感じました。 詩として考えるなら圧縮のしようがあると思うのですが、それは無粋なのかな?と考えました。

1
澤あづさ
作品へ
(2023-08-26)

>そうしたらもうオチバだ。おまえはオチバと呼ばれる。そうやってすべてが一緒くたになっていく。それは切り離された部位の名前で、過去へと剥がれ落ちた皮膚の欠片たちだ。どいつもこいつもいつまでも浮かれていて、どういう訳だかふいに探したくなる。 あらすじはここに集約できるとして、かつ説明は蛇足としてですね。話の長さといいネタの多さといい、どう見ても盛りすぎだが、文脈が鞏固で削れそうな部分が見つからない。こんな改善しにくい欠陥はめったにお目にかかりません。さすがポエムスターの列挙とはいえ、無用なほどエモい部分くらいは削れるのでは。 選語がポエムで中身は思想というのは、たぶんどちらが好きな人にも読まれないので、どちらかに振り切るほうが無難だと思うのですが。訴求など関係なく書きたいものがあるのなら、どうぞこのままお突っ走りください。個人的には『Wheel of F F F FFFF For tune』好きです。 http://bungoku.jp/monthly/?name=%83%5b%83%93%83%81%83c#b04 * 長い 遅漏よりは早漏のほうが ずっとましだ これでBBA受けすると思ってる 素人BBA童貞は、母胎回帰を忌み嫌う 罵倒家にすら読解が劣る おめでたいBBAは、寝てるGGIの 腹に頭を埋め居眠りする 顔より頭がよりよいのだった 横っ腹に片耳 アンチブルーエンハンサー。たしか皇居の北の丸公園で、心臓のような、つまり見たことのない赤い花を見た。見せたくてきみを呼び止めるまえに、遮光眼鏡を外すとただの蘇芳だった。血の気が褪せた痕跡を、埋め立てる作り物じみて青いひかり。紫という色の生まれかたを知る。見せられない視野を、色眼鏡がふたたび見透かす。 父から遺伝した難病と、それを苦にして父が自殺したことを、知ったからといってきみと別れられなかった。きみはわたしの夫になるために、継ぐはずだった生家と絶縁しなければならなかった。眼科医に作らされた遮光眼鏡は、執拗に青を欠かす。黄砂の青空をみどりに見せかけ、日陰の露草のひかりを否認し。街路の百日紅に、どす黒い血縁を通わせ。あの日以来、わたしだけの蘇芳色が、わたしの断ったきみの未来にしか見えない。 道ばたの胡瓜草が、たいてい橙色に見えるのはなぜだろう。枯れ色が透けているのか。この水色とかいう虚偽が、ほんとうは紫なのか。

0
天才詩人2
天才詩人2
作品へ
(2023-08-26)

大人の絵本みたい

1
ゼンメツ
田中恭平 newさんへ
(2023-08-26)

何もかもを、 口ずさんでいた。 僕の言葉から、 僕、 が、 いなくなって、 どれほど、 経ったか、 あの日、 見たよ、 おまえの、こと。 あの日、 河川敷 いいえ。 ビル街 いいえ。 戦地で いいえ。 あの日、 見た、 憂うつな、 横顔。 見たよ、 見た、 どうぶつ、病院で、 しんだ、 かいいぬ、 の、 たましい、 の、 思い出せない、 なきごえ、 に、 僕の発語、 を、  食わせて、 タバコ その、火を消してる、 泣きそうだ。 いいえ。 あの日は、たしか、 いいえ。 なにが いいえ。

2
ゼンメツ
眞島脈博さんへ
(2023-08-27)

違う、違うよ……いやだって、これは違う。 おかしいだろ、どう考えても違うだろ……どうして今なんだよ。いっぱい食べすぎてお腹出てるし。てかこれまだこれ何回目のデートとかそういうはなしどころか、まず一回もデートしてないじゃん。いやだ、嫌だな、嫌だろこんなの。そもそも告白したい。告白したかった。今日がそうなんだ、その日になるかもしれないんだってずっと思いながら、カフェに行って、緊張しすぎて変な話しちゃって、それからちょっと黙っちゃって、最初から目なんて全然合わせられなくて、それでもどうにか今から言うって決めたら、なんかもうそれがすぐに相手にも伝わっちゃって、それ待ちで、それ待ちだなって思いながら、事前に考えてた言葉なんて飛んじゃって普通に恋人になりたいですくらいしか言えなくて、 きみもこちらこそよろしくお願いしますなんて、敬語に逆戻りしちゃって、手だって繋げなくて、そうだろ? そうなんじゃないのか?? なんで今なの? なんでここなの? いやまておまえ、恥じらいもなく速攻全裸になるなよしかもそのままでタバコ吸うなよ。つーかお前だれだよ。あだ名しか知らねーんだよ。だってさっきコンパで会ったばかりじゃねーか。え、あ、ちょ、待て、寄るな、来るな、段階すっ飛ばすな、違う違うちがうよちがう俺は認めない……認めたくないこんなもの!!!! ぐ、ぐぁ……グアア!!! か、カ、かラ身体、がっッ!!!!  ――300年後―― 「くくく、よくここまで来た。女勇者よ……」 「ッッ……! あ、あなたが最終童貞なのね……!」 「いかにも」 「御託なんていいわ、この光の剣の一振りであなたを打ち破ってみせる!!」 ギッッッィィィイイイン!! 「剣が……通らない!? え、魔法も……! 何一つ!?」 「そんなもので我は滅ぼされぬ、女勇者よ、無粋なやりとりは要らぬ、我と手を組め。……もとい、丁寧に段階を踏んだのち、我と手を組んで街を歩け、くくく、もちろん我が車道側だ。」 「な!? なにを言っているの!? 意味がわからない……」 「……フ、我は我を"正しく"終わらせて欲しい。ただそれだけだ。……場所を変えよう。ここでは全力が出せぬ。まずはLINEを交換し、ゆっくりと一月ほどのやり取りを経て喫茶店」 「……喫茶店? というか一月も先の話なの!?」 「そして海の見える公園へとゆっくり歩きながら何度も言葉を交わし、その足で観覧車へ」 「い、一体、あなたは何が目的なの……!?」 「我は……この名を、ただただ当たり前のように捨てたかったのだ……」 「あなたがなんの話をしているのか正直わたしにはわからない。けれどわたしはこの世界のすべてを救いたい。だってわたしにとってはそれが勇者という存在なのだから。わたしはわたしの勇者という理想を叶えるために立ち上がり、そしていまここに立っているの。だから……考えるより先に立ち向かうのみよ!!」 「くくく、それで良い……さあ、来い女勇者よ……!!」 「「うおおおおおおおおおッッッ!!!!」」

2
ゼンメツ
もじゃおさんへ
(2023-08-27)

他者を圧縮し わたしはここにある あなたの言葉足らずへ わたしはわたしを注ぎ足す 注がれた水の色が たとえ変わってしまったとしても それがわたしの目にうつる あなたの色なのだ

1
もじゃお
もじゃお
ゼンメツさんへ
(2023-08-27)

グラスの内側の水滴が 確かに液体はここにあったと主張している お空には怪しい雲 ゴロゴロと雷鳴を轟かせる 空気が汗ばむ 水滴は言う 「ゲリラが来るわ」 と。

0
片々
片々
作品へ
(2023-08-28)

とりとめもなく、感想などを。 「言葉つて野蛮だけれど鎮魂のなかにちんこがあるのだけは好きだ」(藪内亮輔『海蛇と珊瑚』) この短歌には「バビロニアの中にバビロンがあるように」という発見より劇的で下劣な発見がされてて、面白い。でもこういうのはきっと昔から嗜まれてきた遊びなんだろうなと、思う。 ざっと読みで恐縮ではあるが、ストーリーは二重性をもって語られていると感じた。 ひとつは「俺」と「俺’(=おまえ)」の関係性。大人になるにつれて異身同心だと思っていた物が異心でもあると気づいていくこと。 もうひとつは、父と子の関係性の変化に関して。いつまでも子供だと思っていた存在が成長するにつれ、自分の子供時代を投影していたことに気づき、自分とは違う存在へとなっていくことへの悲哀。 といったところだろうか。 いずれにせよ「俺」という人物からは強い劣等感と趙烈なエゴイズムを感じる。 社会化できないことを賛美し憧れ対し支配の失敗を嘆く姿は、なんだか旧弊の男根主義的な社会構造に虐げられながらもそこから脱却もできず、かといってそれを模倣しては失敗してしまう、時代からも孤立する条件を(自らか環境からか分からないけど)選んでしまったロスジェネの悲哀を「カリカチュアライズ」している、と読んであげないと、ちょっと書き手とその書き手によってなされた修辞のレイアウトが可哀そうな気がする。 たぶん、本当は考えてないのだろうけど。 面白かったのは「エルマーのぼうけん」に材を採っていること。「My Father's Dragon」原題を「お父さんのりゅう」とするこの作品のエピソードを巧みに使い、父の在り方への戸惑いを真逆とも取れる手法で表現していること。トラとチューインガムの扱いが面白くて、このトラはもしかして「しまじろう」なんじゃないかって邪推してしまったり。 これらトラのエピソードで分かりにくかったのは「チエノミ」がリンゴの品種名として扱われていこと。もうちょっと綺麗に分かりやすく整理してもいいんじゃないかと思った。 父は生物学的な父として存在するが、出産そのものは女性が担う行為であること。身体的なつながりは出産から授乳によってなされ、父は社会的な認知によってしか「父」と呼称される資格を持ち得ないこと。父にとって子は他人であるが、その他人は遺伝的形質を持ち、似たような顔で笑う。 いずれ親の手を離れて行ってしまう子供(この詩で描かれている子は多分男児だろうけど)に時間や環境が社会的父親として以外の親愛を与えることが、きっと常識的な親の愛なのだろうが、親もひとである。失敗している例は卑近にもたくさんあり、そのことについて考えさせられた。 文体としては言葉の配置、特に暗喩的な修辞をまき散らすのに効果をみとめられなかった。冗長であることにも意味を見出すことは可能だが、そこまでして寄り添う価値があるかは疑問。散文形式でこれではただの文章が下手な人にもみえてしまう。言語に淫するのは悪くないと思うが、よりリーダブルな文体の方が作者にとって向いているのではないか。

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ゼンメツ
澤あづささんへ
(2023-09-08)

あなたはあなただけの花色にいくつもの新しい花言葉をつけていて、きっともう数え切れない花々をその腕に束ねているのだろう。僕達の知らないどれほどの言葉越しにあなた達がいるとして、僕達は知らず知らずいつだって花束をかき分けているのだろうか。 その詩を何度読み、何度返す言葉を選び、それをどれほど消したかもうわからない。僕がそれらを捨てたわけは、他者に触れる迷いからだと思う。なになに目なになに科なになに属、僕のこの言葉はどこのなにだと言うのか。上滑りしていく。もう上手い詩を書こうとすることをやめた。僕は僕だけの視野に触れてもらうために詩を書き、他者の視野に触れるために詩を読んでいる。 僕はクソ馬鹿なので、好きなものへは憚らず好きだと告げてしまう。告げるだけしかできなかった。僕は断ってきた人間だ。だから比喩をかき分けて見えないいろに触れるより、物理的に触れられる手を伸ばし、握り、離さないことのほうがどうしたって強いと思っている。それは目を閉じたってそこにある。色以外の、触れる温度は変わらない。 上手いことが言えなくてごめん。色々がっかりさせてごめん。あなたとあなたの旦那が幸せであることを、僕はここで、ひとり勝手に願う。

1
エイクピア
作品へ
(2023-09-10)

「さびしい」と言うキーワード。なぜ叫ばなければならないのかと言う問いはこの詩では無意味なのかもしれません。「エルマー」とは妖精だろうか。ああ、竜の子を助けに行った男の子の事なのですね。「リンゴ」もキーワードのようで、王林や紅玉などリンゴの品種が出て来る。ちょっと読み解き難い詩でもあると思いました。読み解くための材料は与えられている。しかし作者の意図を読み解くのは難しい詩だぞと思いました。

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