打ち上げ花火 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

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きょこち(久遠恭子)

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きょこち(久遠恭子)

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打ち上げ花火    

高く掲げられた 理想というものは 往々にして 打ち上げ花火の如く 一瞬だけ煌めいて すぐに燃え尽き 灰となって地に墜ちる 同じ方向を向いている者など そうそういるものではないから バベルの塔のように 誰もが皆 自分の言葉で語っている 共通の言葉で 語り合えるのは あのときの煌めきは 美しかったねと 花火の思い出話を するときだけ でもそのときには 既にもう 誰もが違う方を向いて 違う道を歩んでいる 次々と打ち上げられて 暗い夜空を飾る花火 刹那に燃え尽き 毒にも薬にもならぬ 思い出話ばかりが 残されてゆく


打ち上げ花火 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 21
P V 数 : 1459.7
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2023-06-10
コメント日時 2023-06-27
#現代詩
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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 平均値  中央値 
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閲覧指数:1459.7
2024/11/21 23時32分56秒現在
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    作品に書かれた推薦文

打ち上げ花火 コメントセクション

コメント数(21)
こひもともひこ
こひもともひこ
作品へ
(2023-06-10)

ビーレビが新しくやろうとしていることの皮肉として読める詩。 空行を多用している効果はないように思います。「バベルの塔」への言及があるので、言葉数をそろえて縦長の塔みたいにするといいかも。

0
m.tasaki
こひもともひこさんへ
(2023-06-10)

コメントをありがとうございます。 どう受け取るかは、読む方の自由にお任せします。 確かにもう少し詰めて書いてもよかったですね。 また、言葉数をそろえて縦長の塔みたいにするのもいいのですが、そうなるとタイトルは「塔」になりますね。 ご指摘ありがとうございました。

0
ハツ
ハツ
作品へ
(2023-06-10)

書いておられる内容は、そうだよなあと共感しました。もうすこしイメージを膨らましたり、抽象的な語り口にしてみるのもありなのかもしれません。

0
m.tasaki
ハツさんへ
(2023-06-10)

コメントをありがとうございます。 少しシンプル過ぎましたか。 今思えば、表現にもっと工夫をすればよかったかもしれません。 ご指摘ありがとうございました。

0
m.tasaki
さんへ
(2023-06-10)

コメントをありがとうございます。 仰っていることは大体わかりました。 おそらく何に重点を置くかの違いではないかと思います。 蛾兆ボルカさんとしては、花火で大事なのは、花火を見ている瞬間なのであり、バベルの塔の話は、共通言語があったという伝説があるということに重きをおいているようです。 ですが、私がこの詩で比喩として使ったのは、花火については一瞬で燃え尽きてしまうことであり、バベルの塔では、神の怒りを買い違う言葉を話さざるを得なくなった人間の驕りということです。 言い換えれば、蛾兆ボルカさんが重視しているのは、他者との共同、共感、共有といったことであり、私の(この詩の)場合は、そういったことの儚さということになります。 とは言うものの、この詩の表現の鋭さや工夫はまだまだ不十分であることは否めません。 ご指摘ありがとうございました。

0
m.tasaki
さんへ
(2023-06-10)

こちらこそすみませんでした。 どこまで書くか、どこまで削るか。 私にはまだまだ難しいようです。 ご返信ありがとうございました。

1
m.tasaki
さんへ
(2023-06-12)

コメントをありがとうございます。 私はこの詩をシニカルな警鐘のようなものとして書いたので、希望のようなポジティブな印象を持たれたことは想定外でした。 ですが、そのように受け取っていただき嬉しく思います。 なお、冒頭の連に書いた理想とは言わば一般論で、説くにどのようなものか限定はしていません。 「同じ方向を向いている者が居なかったとしても、それってかなしいことなのかなとも思いました。」 私は誰もが違う方を向いていることを、寂しいこととして書きましたが、よくよく考えてみれば、それは束縛されない自由でいることでもあるので、決して寂しいだけのことではないなと思い直しました。 気づかなかった視点を見せていただき、ありがとうございました。

1
きょこち(久遠恭子)
作品へ
(2023-06-13)

理想と現実、人はいつもその差異に戸惑ったり、考えたりしているような気がします。 花火は打ち上がり、そして消えてしまうものだから儚さをそこに感じる視点に共感します。また対比させてみると、花火は儚いからこそ、美しいものだとも感じます。一瞬の煌めきの美しさもあるかなと。 この詩は、前者の方に視点を持ってきた詩で、儚さは悲しいということを伝えたかったのかなと思いました。 色々考えることが出来て、勉強になりました。

0
もじゃお
もじゃお
作品へ
(2023-06-13)

横書きの効果がよく出ていると感じました。 シンプルな内容をゆっくり読ませて 景色が浮かび上がるような。 こういう作品好きです^ ^

0
m.tasaki
きょこち(久遠恭子)さんへ
(2023-06-13)

コメントをありがとうございます。 仰る通り、この詩は理想の儚さを悲しさとか寂しさとして捉えたものです。 また、それと同時に、高く掲げられた理想というものは、花火のように儚く散ってしまうことが多いという、警鐘のような意味も含まれています。 お読みいただき、ありがとうございました。

1
m.tasaki
もじゃおさんへ
(2023-06-13)

コメントをありがとうございます。 横書きと縦書きの効果の違いについては、特に意識していませんでした。 今後投稿するときには、そのような視点からもよく検討してみようと思います。 そのような視点に気づかせていただき、ありがとうございました。

0
入間しゅか
入間しゅか
作品へ
(2023-06-13)

この詩を読んで高く掲げられた理想が多くの人に共有されるころには違った形になっているのだろうなと思いました。なかなか興味深いです。

0
もじゃお
もじゃお
m.tasaki さんへ
(2023-06-13)

縦書き→日本語スタンダード。流れるように読めるため文章、物語など文脈で読ませるものに最適。 横書き→一字一字に意識が行くため相対的に読むスピード遅め。報告書やレポートなどに向く。 フォーマット固定の場合は、特徴を活かした言葉選びや構成を、フォーマット選べる場合はどっちで書くか決めてから書き始めて、推敲の時に組み替えてみたりしてます。 時代と共に横書きへの馴染みが良くなってきているかなと思ったりしますが概ねこんな感じだと思ってます。 たぶん大学の国語の授業で習った気がします。高校ではここまでしないかなーと思うので。 気づきを与えられて光栄です^ ^

1
m.tasaki
入間しゅかさんへ
(2023-06-13)

コメントをありがとうございます。 高く掲げられた理想の多くは、厳しい現実にもまれて、多少の差はあれ妥協を余儀なくされるのでしょう。 お読みいただき、ありがとうございました。

0
m.tasaki
もじゃおさんへ
(2023-06-13)

なるほど。 流れるようにと、意識を向かわせるようにとの違いなのですね。 私は大学は文系ではなかったので、そこまで知りませんでした。 勉強になりました。 ありがとうございました。

1
てつふみ
てつふみ
m.tasaki さんへ
(2023-06-13)

高く掲げられた理想は、打ち上げ花火の生涯。 自分の言葉で語りあいながら通じ合える共通項は少なく、淡々と歩き始めていく様。 刹那に燃え尽きた、毒にも薬にもならぬ思い出話の残骸へ。 「夢」「や「希望」などが善悪にくくられることなく時間の流れとともに過ぎていく情景が静かに感じられました。

1
m.tasaki
てつふみさんへ
(2023-06-13)

コメントをありがとうございます。 一瞬で燃え尽きてしまう打ち上げ花火。 その内に時間の流れを感じていただき、嬉しく思います。 お読みいただき、ありがとうございました。

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完備
完備
作品へ
(2023-06-15)

ただ思考を書いただけであり,雰囲気で改行しているにすぎない.真に新しい言葉の発見がない.

0
m.tasaki
完備さんへ
(2023-06-16)

コメントをありがとうございます。 言われてみれば、確かにそうですね。 独り善がりにならず、なおかつ美しい表現というのは、なかなか難しいですね。 ご指摘ありがとうございました。

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三浦果実
作品へ
(2023-06-27)

思い出話や過去の出来事をくだらないものとして扱っているところが良い。ただその扱いが中途半端。過去や実績を懐かしむなどということがまったく無価値でダサいということを心底からの憎悪を持って書いて欲しかった感。読者を意識してバランスを取ってしまった(という風に読めてしまう)ところが作者らしい。無風状態に放たれる花火ではなくて放火魔が花火をむちゃくちゃに打っちゃってる的な方が詩情が出ていたのではなかろうか。静粛がイコール詩情ではない。はず。

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m.tasaki
三浦果実さんへ
(2023-06-27)

コメントをありがとうございます。 どうやら仰る通り、無意識の内にパランスをとってしまったのかもしれません。 心底からの憎悪を持って過激に書くのも詩情のひとつなのでしょうが、まだまだそこまでの覚悟ができていなかったようです。 ただそれと同時に、そのような書き方をするのがどうも自分の性に合っていないような気もしています。 でもそれに閉じ籠っていて殻を破らないでいるのもどうかなと思ったりもしたりして、難しいところです。 ご指摘ありがとうございました。

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