砂 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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『砂』 砂遊びのあとの 誰かの 足跡に踏まれて 散らばるコトバのかけらたち やがて芽を出すのか 生まれたて 二葉の色をしている 欠けた珈琲カップ 転がる 誰かの 忘れもの 危ないから 片付ける 砂が一杯で 重たい 『日曜日の午後』 砂場に散らばるコトバを見ている時に 私は居ない コトバは私の方をじっと見ている 私を見ながら 私の名前を砂場に並べてみせた 私は後ずさりする 後ずさりする時にも 私は居ない コトバは何も見ていなかったという顔をして 今度はランダムに動き始めた 砂場に 時間と 子供と 音が戻ってきた その中に 私は居ない 今日は 日曜日の午後 『砂粒』 平等を約束されて ここに撒かれた 一粒の砂は 諍いの絶えぬ海の端っこで 争いの波にいつももまれていた 生まれた日のことを知らない砂粒は 死ぬということが永遠に出来なかった 海中を漂いながら ある時は クジラに飲まれ吐き出され 気の遠くなるような広さの中に居て 自分をとりまく全てのものを 何一つ理解することは無かった 自由に泳ぐ術を知ることも無かった 平等を約束されて ここにぶち撒けられた 一粒の砂は 今も この広い海のどこかで 等しく与えられた闇を憂いながら この星の最後を ゆっくり 見届けるだろう



砂 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 12
P V 数 : 1125.0
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2025-02-22
コメント日時 2025-03-07
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/12現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:1125.0
2025/04/12 15時03分53秒現在
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    作品に書かれた推薦文

砂 コメントセクション

コメント数(12)
レモン
レモン
作品へ
(2025-02-22)

こんばんは。 「日曜日の午後」が一番好きです。 私はいない。 空気にでもとけて、見守っておられるような感じがしました。 ありがとうございます。

0
紅茶猫
レモンさんへ
(2025-02-23)

コメントありがとうございました。

1
佐々木春
佐々木春
作品へ
(2025-02-24)

この三つは連作でしょうか。 全体的に不思議な世界観ですね。 コトバと私の関係、砂粒と平等にヒントがありそうです。 全体的に悲しいというかむなしい気持ちを感じました。 少し全体が中心を遠回りしているような感じがしたので、もしかしたらもっとダイレクトに(場合によっては散文的でも)書いてみるのもおもしろいのではないかと思いました。

1
紅茶猫
佐々木春さんへ
(2025-02-24)

そうですね。砂をテーマにした連作だと思います。 「砂粒」はかなり虚しさを前面に出して書きましたが、「日曜日の午後」はどうでしょう。 直接的な繋がりはあまりありませんから。 スマホとばかり向き合っていると虚しさばかりを感じますので、生活のスタイルを少しずつ変えていく所存です。 アドバイスありがとうございました。

1
紅井ケイ
紅井ケイ
作品へ
(2025-03-05)

砂をテーマとした3部作とのことですが、いっそ4部作にしては如何でしょう。 4作目はもちろん「砂の女」です。

1
黒髪
作品へ
(2025-03-05)

安定したクリエイティビティのある作品群だと思いますが、砂に着目した点が、いいと思います。 クジラとか、対象に寄り添って記述されているので、その想像力が心地いいです。

1
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2025-03-06)

三作それぞれに一長一短あって、補い合っているのではないでしょうか。作品の中枢に(ディス)コミュニケーションがあるのではないか。共同体や家族関係からこぼれおちていく様子。

1
紅茶猫
紅井ケイさんへ
(2025-03-07)

安部公房の「砂の女」読んでみたい本の一冊です。

1
紅茶猫
黒髪さんへ
(2025-03-07)

クリエイティビティは忘れたくないところなので良かったです。

2
紅茶猫
おまるたろうさんへ
(2025-03-07)

うーむ。「砂」ですから。 読み手の気持ちを投影することもありますね。

1
メルモsアラガイs
メルモsアラガイs
作品へ
(2025-03-07)

やはり私的にはタイトルが惜しいと思いました。 「砂」長い年月を経て砕けた物質の欠片たちですよね。 そしてこのことを念頭に詩はたぐり寄せられている。我々の内にも積み重ねられ弾けていく記憶としての砂。 [砂」とはその対象に過ぎず、これを基にして思想(詩)は展開されていくのです。 砂から何を拾い上げ伝えようとしているのか。 それを与して考えられたほうが、きっとタイトルも活かせると思いました。

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紅茶猫
メルモsアラガイsさんへ
(2025-03-07)

そうですね。精進致します。 マイページのプロフにも書きましたが、先月末でこちらのサイトを退会しております。 なのでこれ以降のコメントにはお返事をお返しすることはありませんのでご了承下さい。 皆様へ お読み下さりたくさんのコメントありがとうございました。

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投稿作品数: 2