君は夜に音楽を聴く。
多分一曲か二曲。今の気持ちを表してる曲だ。
心を閉ざすと決めて、
自分から離れた相手を、
きっと思い起こして聴いているんだろう。
僕はその曲を聴くことは出来ない。
その曲に潜ませた君のメッセージを、
掬いあげることが出来ない。
なぜって、
余りにも遠く隔てられてしまったからね。
僕は元気じゃないが、そう決して元気じゃない。
だけどここにいる。
どんなに日常が変わって、
どれほど世界に非常識ないさかいや争い、
それが溢れたとしても、
僕はここにいる。
詩を書き、ツイキャスを開き、時に馬鹿げた冗談を言いながら麻雀を打ったりして。
赤い月は沈んでしまった。
流す血さえ枯れてしまったのだろう。
涙は零れるのではなく、
壊れて、粉々になった。
僕は即身仏のように、
この場所にいる。
迎える門戸は広く、
僕は客を歓迎し、
心地よく話をすることだろう。
失調症のゴッホ、
うつのセザンヌであっても、
それは変わらない。
雪が降りそそぎ、太陽が乾いて、
瓦礫に積みあげるのが、
墓碑だけになったとしても、
忘れないでいて。
僕が最後まで待っているのは、
君だということを。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1938.4
お気に入り数: 2
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2022-01-08
コメント日時 2022-01-09
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 19時40分58秒現在
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>僕が最後まで待っているのは、 君だということを。 これは詩人だけが持っていられる優しさのような気がします。 どんな詩人にも会ったことはありませんが、きっと。
1yatukaさん、初めまして。コメントありがとうございます。詩人だけが持っていられる優しさ、という解釈こそがまさに詩人的で胸熱になりました。胸熱というと俗っぽいですが、痺れて胸熱、これが相応しい。僕も、いつの間にか詩人になったのでしょうね。
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