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落ちかけの画鋲を差し直す気力もないぼくの 存在しない子どもが作った 押し花、紙飛行機、その折り目、あるいは 尖りきらない鉛筆、人差しゆびの金属臭 共有されない光量に目を細めて 例えばいま崩壊しつつあるベランダから飛び降りれば 死ねるのでしょうか 棚を飾るおくりものと一緒に…… 心が一番やわらかい、人生のわずかな季節に 好きだった人のような 閉じない風 あなたの筆跡をいまでも覚えている あなたはぼくに「死ぬな」と書いてよこした ぼくが死ねばあなたはぼくを嫌うだろうか 記憶の過剰包装を剥がせよ 押し花、紙飛行機、その折り目、落ちかけの画鋲を差し直してから 思うこと ぼくはあなたに嫌われたくない セックス、セックス、セックス、いいえ、 心が一番やわらかい、人生のわずかな季節に好きだった あなたにぼくは嫌われたくない
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作品データ
P V 数 : 1710.7
お気に入り数: 1
投票数 : 10
ポイント数 : 0
作成日時 2025-02-09
コメント日時 2025-02-25
項目 | 全期間(2025/04/12現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
セックス依存症というのもありました。 承認欲求を満たすためにsexに依存するそうです。 「ちょっと奥さん......」 とみのもんた心の疼く詩でした。
0この詩をどう読んでもセックス依存症は関係ないと思うけど
3心が一番やわらかい瞬間に書いたような詩ですね。そういう風が通り抜けました。透明な水母に思いがけず触れたような感触。こういった作品は物凄く希少だと感じます。 それだけじゃ終わらないタイトルの付け方が流石、上手いです。コメントで語ることが野暮になる作品だと思いながら少し語りたくなりました。
0完備さん、はじめまして。佳い詩ですねー最近の僕の波長にぴったしはまりましたよーronaさんと同じくコメントで語ることがどことなく野暮かなーと3分ほど悩みましたけどやはり自分の心動かされた作品には意志表示しとかないと後悔するのでねー(僕はとうに嫌いになられてるだろうなー嫌われたくないんだけどなー)と苦笑い、優しい人たちばかりだったのにねー今朝の僕の人差し指はマーガリンのによいがしますねーまた作品読ませてくださいねーありがとうございました。
0ありがとうね
0人に嫌われるのはいつでも辛いよね
0情緒に基づいた細かい観察眼が、美しいですね。神聖なる行為に思いを込めて、 嫌われたくない人が、嫌われるわけがない。
0——— 心が一番やわらかい、人生のわずかな季節 かつては自分にもそんな季節があったような気がします。そして、それは今も何処かに存在しているような気がします。
0読者に読みをて渡すタイプの、なんとも困ったような魅力のある作品ではあります。 檻にとじこめられた感じ、、 と同時に、 背景に、じつは奥の方に、美しい関係が潜んでいるような気がしました。 たとえば「師弟関係」とか。 >セックス、セックス、セックス、いいえ、 この「サビ」?の、「いいえ、」とか いった直後に自分で否定する、この感じですよね。 反町も「ポイズン」といった直後に撤回するというか。 繊細のきわみですね。 感触としてはこの者はコミュニケーターだなとも思うのですね。 あまり受け身の人間とは思わない。 積極的に相手を傷つけにいくタイプにも思える。 あとは、普遍性まで届いているのかどうか?というところで、 もしそうならば、すごくいい作品なのかもしれないですね。 皆、同じ時代を生きているのだ。それぞれに。
0とてもストレートな作品だと思いました。 もちろん書く力があってこそなのでしょうが、その手前にとても繊細な感性があるような。 自分があまり繊細なタイプではないからこそ、こういう声質に憧れます。 話者や相手との関係性が美しいです。
0ストレートだよね。私もそう思う。そう書いたつもりだから。
0到底相手を前にしては口に出せない言葉「sex,」 死ぬほど好きだった相手の情念にすがりつくような文章から導き出された答え「sex,」 まずここに書かれである話者と作り手を混同して読んでみても仕方ない。話者は歯を噛むように(ハニカム)くらい純粋に内気な性格なのだ。 とてもsexなんて言えなかった。 なので作者は話者を通じて詩に言わせている。 もちろん作者を前提に詩を選考してはいけないのだろうが、この方の場合詩の多くにメッセージ性が内包されていて、話者は二重に重なる。そして言葉とは裏腹で、この作者も実ははにかみ屋さんで内気なのだ。 思いもしないタイトルを置くところが、センスのいい証で、「sex,sex,sex,」いいタイトルだと思う。 似てる。やっぱ、このセンスはイカイカ大王を彷彿とさせる。懐かしい詩がよみがえる。のだ。
1鬱だなぁ。 ただ自分の思いを書いて、それが作品になってしまうなら それに越したことはないよね。 練られた形跡を全く感じない。 文字通り一発描きだろう。
0何が鬱なの?
0どこをどう読んでも鬱だよね。 落ちかけの画鋲を差し直す気力もないとか死にたい気持ちとか昔はよかったとか。 全部が鬱。 鬱が悪いわけじゃないよ。 俺も鬱だし。
0>共有されない光量に目を細めて >棚を飾るおくりもの >閉じない風 これらの言葉たちは、霧散しそうな詩の世界観を、何となく回収しているというか、語彙が少ないのでうまく表現出来ませんが、引き締めているように感じます。 相変わらず巧みだなと思います。
0他の作品にもよく出てくるモチーフの「名前」って、基本的に、誰もが誰かから授けられたもので、この「死ぬな」って言葉も名前とは違うけど、授けられた言葉だなって、思いました。「名前」って更新できないけど、「記憶の過剰包装を剥が」すために、「落ちかけの画鋲を差し直」すっていうのも、記憶を更新する作業だなって思いました。思いました。
1素敵なコメントありがとう
0初めまして。 好きです。
0セックスという行為はしばしば、過剰な身体の接近と反比例するように、「心」が遠のく時があります。 この詩を読んでまず思ったのは、「心」のやわらかさについては触れているが、「身体」はどうだったのだろう、という点。「あなた」との肉体関係というのが、詩全体で描かれない。 「好きだった人のような/閉じない風」のように、「あなた」は実体を持たずとも「ぼく」の心に触れ、やわらかく(豊かに)してくれた存在だったのだろう。 そこから愛を感じたことで、順序に、「未来の子ども」→「セックス」という逆転が生まれているのかなと思いました。「セックス」というのが一つ、邪魔な壁のように現れる。 その感情は、最愛の人に対しては特に。 良い詩でした。
0語り掛けるような調子、「あなた」とは誰か。セックスの意味とは。記憶の過剰包装と言う言い方に何か秘密が有るような気がしました。
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