夕暮れに子猫を捨てる勇気を僕に - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

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きょこち(久遠恭子)

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衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

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夕暮れに子猫を捨てる勇気を僕に    

唇に映る空は 真っ当な深紅 電信の糸は宙を割って ページを送る 永遠の最期の方で 氷を溶かしつつ 正気 の沙汰を 満面に浴びながら 青空の日を消費する 腫れぼったい頬 斜めった実家に爪一つ で、引っかかる今 段ボール に埋めた 土も被せた 誰かが拾ってしまえば それは きっと ウェポン オブ マス  ディストラクション ぼんやりと朽ちてゆく者を 増やす 増やす 増やす 空の水槽 で金魚を喰って 何かを吐き出した 紙飛行機 落ちた 燃えた 何を祈る? 僕の顔したラヴドールに あのね あの ね あの瞳にはね 無限の宇宙 が好きな僕 が広がってる 秋刀魚の温もりは 足止めにならない ロケットの巻き戻し 午後5時! ぴかっと ひかるよ ぴかっ とひかるよ ぴかっ と、ひかるよ ぴかっ ぴかっとひかったよ わーわー! うぎゃあ ぐわしゃ めきょ がちゃんして、 ぶちぼくぼきごおぉ なによっごわぁんして、 ばちびしゃあああがなまにぎゅうはあはぁしぬなあにうえした。 夕暮れに子猫を捨てる勇気を僕に 10年経っても、 20年経っても、 幾千光年経ってたとしても、 彼は母の口内で 柔らかくなった魂に 幼さで甘え続けるから 海になった空には 浮かんでる カップラーメン の肋 と人間 とアシモフ 僕には何ができるだろう 子猫を捨てる勇気を僕に! 拾って下さいの文字が滲んでる? 嘘だそれでも罪人である ※本作品は動物の虐待・遺棄を容認・推奨するものではありません。愛護動物を虐待・遺棄した場合は、動物愛護管理法のもと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。 ※ No animal was harmed in the making of this poem.



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夕暮れに子猫を捨てる勇気を僕に ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 18
P V 数 : 801.2
お気に入り数: 1
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2024-12-15
コメント日時 2024-12-29
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/01/18現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:801.2
2025/01/18 16時38分12秒現在
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    作品に書かれた推薦文

夕暮れに子猫を捨てる勇気を僕に コメントセクション

コメント数(18)
湖湖
湖湖
作品へ
(2024-12-16)

自己否定と自己批判に相当な苦しみが見られるような詩に、読んで辛くなった。森や海に逃げる、などなさってみられては、と感じました。苦しすぎるなら言葉にせず黙る手もあります。神経が張り詰めすぎるのは心身に悪い。ご自愛なさって。

1
エイクピア
作品へ
(2024-12-16)

擬態語と言うのか、オノマトペが印象的な詩だと思いました。最後の注釈では英語まで用意されて、詩に張りを与えていると思いました。

1
stereotype2085
作品へ
(2024-12-16)

正気の沙汰を満面に浴びながら、というフレーズが現実や良識、社会と反りが合わなかった話者の心証を絶妙に表していてよい。それでこのタイトルと中身。しんどいんだろう、でもその感情を詩中で爆発させている。いいじゃないか。子猫、最も健気で弱い立場の象徴、を捨てて自分を守る、救う。その勇気。あった方がいい。世界を救うより自分を救え。

1
らりるれろ
らりるれろ
湖湖さんへ
(2024-12-16)

コメントありがとうございます。 僕の詩は半フィクションという部類にあると勝手に思ってまして、ある程度は話半分で読んでいただいて少しヒヤッとするところがある、といった感じです。実際近頃は思春期(というよりはモラトリアム期)の中で不安定な日々を過ごしております。温かいお言葉嬉しい限りです。作詞も精進していきます。

1
らりるれろ
らりるれろ
エイクピアさんへ
(2024-12-16)

コメントありがとうございます。 途中の擬態語は工夫したポイントの一つです。人々が優しくなりすぎたが為に、錯乱して何もかもが無になる世界。精進していきます。

0
えんがわ
えんがわ
作品へ
(2024-12-16)

なんか無垢な感じがしますね。それが捨て去られるような感じがして悲しい。 悲しみを背負いつつ、なにかを濁らせていない。 感覚的な印象ですが。 この後、夜が来るにしても、真っ暗な闇じゃなくて星空が待っていて欲しいですよー。

1
らりるれろ
らりるれろ
stereotype2085さんへ
(2024-12-16)

コメントありがとうございます。 注釈をわざわざ最後に書くほど心配していた、表面的に読んでくださる良識のある方々が発生しておらず、ホッとしています。このまざまざとした感情が伝わったようで嬉しい限りです。社会は優しすぎる人で溢れかえっています。自分を大切にしていきたい限りです。

0
らりるれろ
らりるれろ
えんがわさんへ
(2024-12-16)

コメントありがとうございます。 夕焼けはいつだって何かの予兆です。悪いことが起ころうと、善いことが起ころうと、僕らを包み込み魅了させそして狂わせる。 星が出てはてさてどう物語が転んでゆくのかは分かりませんが、ただ輝かしい未来が待ち受けていることを望むのみですね。

0
田代ひなの
田代ひなの
作品へ
(2024-12-16)

"ぴかっとひかったよ わーわー! うぎゃあ ぐわしゃ めきょ がちゃんして、 ぶちぼくぼきごおぉ なによっごわぁんして、 ばちびしゃあああがなまにぎゅうはあはぁしぬなあにうえした。" ↑このフレーズが特に印象的でした! 独特なオノマトペにすべて持ってかれた感じがする。 最後の「動物虐待を推奨するものではありません」の文言が怖さと生々しさを醸し出していますね。

1
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-12-16)

(良いと思ったところ) グイグイ読ませる、筆力を感じる ところどころのフレーズ、タイトルが秀逸 (不満に思ったところ) おくゆきや背景が見えてこない 最後のはいらないと思う

1
らりるれろ
らりるれろ
おまるたろうさんへ
(2024-12-16)

コメントありがとうございます。 良いところ、不満に思ったところ、ともにご指摘ありがとうございます。嬉しいお言葉もあり励みになります。 奥行きと背景に関しましては、かなり排した状態で伝える方式を取りましたが、扱えてないようですね。試行錯誤していきます。 最後の注釈に関しましては、「優しすぎる方々」「良識のある方々」への警鐘とアイロニーのつもりです。無くても成立しますが、これも作品の一つとして読んでいただきたいです。 丁寧なご指摘ありがとうございました。精進します。

0
らりるれろ
らりるれろ
田代ひなのさんへ
(2024-12-16)

コメントありがとうございます。 擬態語の部分は凝った部分でもあります。気に入っていただきありがとうございます。これからも精進していきますので、宜しくお願いします。

1
佐々木春
佐々木春
作品へ
(2024-12-16)

おもしろいと思いました。 そのうえで言えば、少し書きすぎな気がしました。筆が走っているというか。 好みの問題なので、ご参考程度に。

1
らりるれろ
らりるれろ
佐々木春さんへ
(2024-12-17)

コメントありがとうございます。 おもしろいとのお言葉、嬉しい限りです。 まだ拙い部分が多い為、排す・書くの要領が上手く言っていないのだと思います。 これからも試行錯誤し、精進していきます。

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秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
作品へ
(2024-12-26)

小さな子猫を抱いたまま途方に暮れたように佇む少年の姿が思い浮かびました。 その表情はなんだか寂しげで影があり、頭は良いけどあまり他人に自分の感情を素直に話せない子どものように感じました。

1
熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
作品へ
(2024-12-29)

らりるれろさんの作品、読み解けなくて、その読み解けなさが好きなんですよね。今回の詩は特に、強いです。 他の方は自己批判や心の爆発と仰っていますが、私はそういう個に絞った型に嵌めたくない作品だと思いました。 というのも一つ、気になったのが、ぴかっとひかる所です。動物虐待云々のアイロニーを混ぜた最後の文は良いなと、肯定しますが、このぴかっと部分は別件で、原爆を想起させられるように思います。「午後5時!」は単なる記号で、それで隠そうとしてもそうはいかない。締めの「うえした」をそのまま「上」と「下」と捉えると、戦闘機が悠々と飛ぶ空と凄惨な地上のコントラストが強調されているようです。 前半にウェポン、ディストラクションという言葉もありますし、紙飛行機というのもなんだか疑わしく見えてきました。「ぴかっと」から後半は、現代に時間が飛んだようです。 動物の件を隠れ蓑に、戦争の問題についても意識されてますね? あまり、そういう仕掛けをする人がここでは珍しいので、全く違う可能性もありますが。というのも、そうとも言い切れないくらい、巧く隠されているからです。後は、後半で空に人間たちが浮かんでるくらい(亡くなってしまった方々)。 でも、そう思って読み返すとやっぱり怖さがあって、また良い。面白い詩でした。

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熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
作品へ
(2024-12-29)

※追記 私なりの結論を言い忘れました。 つまりですね、あれだけ人間は人間の命を無下にできる、残酷になれた時代があったのだから、子猫を捨てることくらいどうってことないだろう? という問いかけがあるように思いました。 罪人になることのラインを、これからも永劫、上げてはいけない。子猫を捨てることも、立派な罪である。戦争をすることを、勇気だね、と、その方面も暗に皮肉った作品。

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らりるれろ
らりるれろ
熊倉ミハイさんへ
(2024-12-29)

コメントありがとうございます。 この詩では、自己愛=子猫を可愛がり愛す心を皆が持つがゆえに自滅する、それは実家での引きこもりから戦争まで多岐に渡り、そういう「我可愛がり」の行先を書いたつもりです。戦争云々の指摘は全くなかったので、お気づき頂き嬉しいです。これからも精進していきます。

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