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遊園地
ゆれる ゆれる 肩の上の観覧車 軋む音が鼓膜を不快に震わせる 回転の度 引き裂かれるような 淀んだ痛みに踠くものの 小さな箱に乗り込んだ妖精は 知らんぷりの顔をして 御伽の言葉でくすくすお喋り 脇腹に食い込んだメリーゴーランド 無人のまま 錆びた馬が上へ下へ 塗装が剥げて虚な目は 枯れ葉の浮いた湖を映している 手に持ったコーヒーカップは 手首ごとくるくる回りだし べりっと剥がれ落ちた肉片を 脇腹の馬がぱくっと食べた つま先から登る威風堂々な鼓笛隊 鋭いヒールでぷすぷすと 脛を刺しての大行進 ブリキのラッパが高らかに 終わらぬ夜の始まりを告げる 太鼓のリズムで踊り出す 私の靴は赤い色
遊園地 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 920.0
お気に入り数: 1
投票数 : 5
ポイント数 : 0
作成日時 2024-10-13
コメント日時 2024-11-18
項目 | 全期間(2024/12/27現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全体的にグロテクスの要素がありつつも、情景を思い浮かばせるための表現も徹底されている。 遊園地という明るい場所と、行われている猟奇が対比しており、とても印象的だった。
1やっぱり荻原朔太郎?は意識されているのですかね。この黄色い場所ではコメントつかないかもですけど、大人はこういう詩を読みたいのです。
1当初映画か書籍か、何かあたまに残るものが下地にあるのかな、と思っていたら、~無人のまま、錆びた馬が上へ下へ~ と感覚的に実際光景として観たことのあるような描き方ですね。この夢遊する解離感覚はなんだろう。 2020年8月31日。豊島園が閉館しましたね。入場者の減少から各地で既に遊園地は閉館が続いています。 あたまのなかで回想を浮かべている。そんな寂しさ侘しさを綴った詩だと思いました。
1ビターなメルヘンさが好き。 遊園地の、楽しいけど一歩踏み外せば怖くなる危うさが詰まっている。
1最初の二行の違和感が、「脇腹に食い込んだメリーゴーランド」の行から晴れていき、表現の残酷さと裏腹に軽快さもある後半。ものすごく好きな詩です。特にコーヒーカップのところとか。 一読目で気になったのは、遊園地にされてるその身体が全く動かないことでした。鼓膜が不快だったり、脛が刺されて靴まで赤くなっているのに、アクションを起こさない「私」。タイトルまでも、その「私」を隠蔽して「遊園地」と強行している。だからと言って、遊園地も遊園地でメリーゴーランドが無人で錆びてたりして、人気がない。 メッセージ性をきっぱり切って締めてるように思いました。それがかえって皮肉たっぷりに。良い詩でした。
1アンデルセン『赤い靴』の嗜虐性を、極端に強調した引喩のように読まれました。不謹慎な女を罰して遊びたがるヒステリックな世間が、「妖精」の態度に透けてみえます。語り手は被虐に苦しむどころか、罰される自分に酔っているようにみえます。絵に描いたような共依存が、「脇腹に食い込んだメリーゴーランド」に、特に強く感じられます。いろんな意味で「片腹痛い」という印象を受けました。 描写はもっと凝縮できると思いますが、作者様には作者様の意図がおありなのでしょう。わたしは上記の解釈でおもしろく拝見しましたので、一票おいていきます。
1フラボノイドからきました 惹かれるフレーズが多くすごい好きです
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