永遠とはなんだろう
『銃槍 血痕 轍 焼跡の花だ。』
『夢幻の内にいる水平線には、
ひどくきたない月影は残存している。』
小枝をたたむ 河原になって
氷が覆う 心臓の周りを
何周でも血が循環する
もうすぐにみらいと手にかけるのに
億劫にも見送るような真似を施された
にごりのおとよ。
(キミではないな。)
足を投げ出して
/ただ酔わせて
/あわさった影が隠される。
あのてこのて(が)ちらちらとくるおしい(ので)
うしろからがくりと頷かせて
空いた口が閉まらないくせに
くちびらはこんなにも熱を銜えさせるのだから
肩から釘を打ちつけ
背に花束を拵えたまま
駆け上がることが
難しくもなく
恥ずべきことでもなく
靴紐が解けただけだよと
〈冠水の命日 置き去りにした一頁〉
積荷を降ろしたあと 焼失した夜光虫の
金色が 今を今を浮遊しつくす
/くぐもった声で
/濡れそぼった顔で
/火照った躰で
ふらふらと溢れ出るばかりの 無法地帯の雨が
ほんの刹那を台無しにしたけれど
水車は他意のない 異音を発してはいた
終わりを嘆いた。漂着した小さなひとみだ
ちいさく震えたけれど背負い切れるわけでもない
砂の器だ
幾多の山々を越えた少しの荷物が、更フけ
少しずつ輝きを喪っていく
零れていたのだと気付いたときには遅く
火は消えようとしていた。
(あきをみせたばかりの ひととせをころす)
・片足
・細腕
・碧眼
――戦慄くは口吻
すげ替えるように
片っ端から
罪もないヒトビトを
/鼻先に突きつける荒廃は膿んだ
/引き延ばせない鉄槌は波に餐まれてしまった
/胸懐を超えたしがらみは、大海原の半島に置き去りにした
〈いまごろキミは どうなって しまったか〉
無垢な躯のまま、
ボクは添い寝していたい。
足掻いた挙げ句、浮腫ムクれた外皮が剥がれ、
線虫で着せられた真っ白いはだかを晒して、
物言わぬ眼孔から はにかんだ緑児が生まれてくるのを
狂ったように見つめていたい
のぼせたような木の葉が反射的に降ってくる
千切れ雲から
それを飛び越えるような光が ちりちりと
瞳を焼いていくのを、なによりも
澄み切った 象牙色の骨が
怨めしげに広がっていた
不透明に羽ばたく、みどりにとけてみせて
作品データ
コメント数 : 15
P V 数 : 1949.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-06-01
コメント日時 2023-07-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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2024/12/22 15時00分49秒現在
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永遠とは何か。ランボーは太陽と海のつがい─つまり水平線を想起させるが それは、幻であって、そこに「ひどくきたない」月の影が残っている。 月の影とは何か。太陽と、海、と、月、の三角関係。第三の者へ向けられた眼差し。 それは「ひどくきたない」。 場面はするっと展開されて、ランボーのロマンもなく、河原へ、氷。何か冷やされているのか。身体。心臓の周りを何周でも血が循環する。この、反身体性且つそう在る、それこそが「永遠」なのか? そのさきにあるのが「みらい」なのだが、実際、その行為は、死への不遜な?扱いは書き手の素直に多分、「ひ「ど」い」という語の濁音にして「にごりのおと」か。身につまされる。 この読解は多くの誤評を含んでいる。一応、僕はこの作品をコピーしたけれども、もう充分、万歳だ。なぜなら、まるでとんでもない、「僕のみらい」が書かれているような予感がするからだ。ともかく早々に一票を投じて、私は私の人生を行き、ときどき、この「予言の書」を通読してゆきたい。詩人がミラクルを起こせない筈はないからだ。
0永遠を定着させたいと言う欲望があるのかもしれません。自然の循環が個人的には刹那的に見える。個人の感想ですから出発して、永遠を建築したいと願ったのかもしれません。この場合キミですら自然であるようなそんな場合を想定して居るのかもしれません。
0自分、ネット詩に浮遊しているのが楽しい民なので、ゆうめいどころの詩を読んだことがないのだが、気になって調べてみました。うん、参った。頭を抱えますねこれ。いや知ってたらこれは書かなかったでしょうよ。この詩は一度組んだ当時は浄罪と冠水の二篇でした。まあ相変わらず書き散らかしを組み立てたものですが。自分的にはわかりやすいというか想像しやすいものだと思ったのですが、うーん、難しいですね。酷い濁りの音に関しては、多分「聞きたくないこと」そういう意味で書いたのだと思います。なんというか永遠とは逃がれられないことなんだと置いていきます。理由?さあなんとなくそんな気がするだけ、そういったノリで閃きでいつも詩を書いていますから。 田中恭平さま、およみいただきありがとうございます!です!
1〈いまごろキミは どうなって しまったか〉 ほんとうですね。
0そうですねエイクピア様の読みに私の感性を寄せるとするならば、永遠を定着させたいということは、失くしたくはないものがあるということ、欲望はすなわち恐怖を誤魔化すにすぎない。自然の循環は切り取ればすべて刹那的であるが、そのひとつひとつの〈出会いと別れ/喜びと悲しみ〉の中に、ボクやキミといった感情を持つ個体が尊いのでしょうよと、亡くしたときに育んだときに考えざるを得ないのでしょう。それは難しいことではなく自然に行なわれる生であり性である知性なのです。 己に永遠はありません。ただ何を思い描いても永遠を臨むしかない逃げられないのです。 〈もっと〉或いは〈もう〉そのどちらでもあれ、道はいつか塞がれる、未来は閉ざされると申します。ただその先もきっと続いていくのでしょう。夢でも現実でも与り知らぬところで〈いまごろキミは どうなって しまったか〉ただすべてが自然に還りつく。そんなところでしょうか? お読みいただきありがとうございました。
1田中宏輔さま、こめんとありがとうございます!
0なにやらたいそうな荒廃の中で永遠を求めて嘆いている者の抒情詩でしょうか。 更フけ 浮腫ムク といった表記を味と見るのかどうなのか。このサイトではどうやればルビを振れるのでしょうね。いま調べてるけどやり方がヒットしないや。
0>なにやらたいそうな荒廃の中で永遠を求めて嘆いている者の抒情詩でしょうか。 詩に対する願いや思い、そのスタンスは書き手読み手それぞれであると思っています。書き手が思いを伝える手段ではなく、読み手様のおもいで染み入るものと私は考えていますので。 わたしのものはいつだって、お好きにお読みくださいませ! 一度投稿したものでありますからそれが私の感性と合わなかろうが、なにより触れていただいたことがありがたいことです。また思いもよらない考えや読み解きをされるこはおもしろく、あらたしい見解は糧でありますから、この場はとても楽しいところです。 ルビについてはどっかに書いてあった気がします。ルビ表記されているかたもいらっしゃいますからできるみたいですが、まあ読めるし問題ないかなと思い ああしてます。 こひもともひこさまコメントありがとうございます!
0筆者さんへ おっさんの助言。 「まあ読めるし問題ないかな」という態度はここや現フォでは大丈夫ですが、ステージの違う場にいくと「そんなことも調べない人か」になるということを言っておきます。
0一篇のなかで更新しつづける観想に驚きました。うまく言えないのですが、跡一点をひたすら角度を変えて観察しているようなふれまいとする密室を構築していく固さを感じました。
0これぞネット詩、現代詩という感想を抱きました^ ^ おもしろいですね。
0こひもともひこさま、助言ありがとうございます。慎みます。
0自分はテーマやタイトルを決めて書き始めるわけではないので、ただ沸き立つものをじぶんなりにうまく汲み取って、形に仕上げています。なのでそれを観想といっていいものか難しいですが。なにかあらわそうとして文字たちが私に書かせるのだと思っています。蕎麦屋の娘さまコメントありがとうございます。
0なんだか不思議なんですけど、レイプの情景が常に読んでいて頭から離れなかった。
0三浦果実さま、コメントありがとうございます。どう感じてくださってもありがたく思います。
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