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白い心
矢がどんどん飛んで来る 氷の壁は溶けて来て 矢に刺さる確率が高まる 我々は石を投げるぐらいしか 手立てはなかった 心が白で徹底して来る 空白の心は 矢に満たされまいと抵抗する 私には六十一歳の夫が居る 泣こうとして泣けるものではない 大きな庭が欲しかったのに こんな戦いに巻き込まれて 何のメリットが有ると言うのか 必死で石を投げて抵抗する 六十一歳の夫に六十三歳の妻の私 石が次第に尽きて来て 矢だけは尽きない 氷の壁は無いに等しい 私は決死の思いで白い心を投げた
白い心 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1337.1
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 4
作成日時 2022-09-01
コメント日時 2022-09-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
エイクピア様、いつも、いい詩を書きますね。脱帽です。表現が素晴らしい。個人的に、この作品では、「白い心」という言葉が響きました。その他、全体的に、命というたましいが伝わって来ました。
1ぼくも61歳です。
1大林 満さんコメントを有難う御座います。そうですね、白い心は誰もが持つ心なのかもしれませんが、発現して居ないことが多いと思うのです。この詩ではそんな心が詩の中でどのように作動するのかを試したのだと自分では思っています。命と言うたましいですか。恐らく我々はこの世の中で自分の魂が蚕食されている状況に脅威を感じて、手立てを講じると思うのですが、上手くいかない場合が多い。そういう場合に意識するのがたましいだと思うのです。たましいを意識するのは難しいと思うのですが、危機的状況以外でも、文学作品を読んで居たり、現代詩を読んで居たりすると感じられることが多いのかもしれません。
0田中宏輔さんコメントを有難う御座います。ああ、そですか、偶然合ってしまったようです。この詩でのメイン主題から言うと年齢は枝葉末節な問題なのかもしれませんが、いや、そうでうないですね、私はある直感から、この年齢を出したのかもしれません。矢、氷、壁、戦争、石、白い心、トータルな判断は、社会の核心を掴もうとしたのかもしれません。
0yamabitoさんコメントを有難う御座います。そうですね、理解できるストーリーと言うか、詩的展開、詩想ですね、などは常々心がけて居るのですが、詩的異化をも考えると、どうしても分かり易さを減殺してでも冒険的な表現、展開を求める場面が私の場合多いのかもしれません。しかし今回の場合、詩読者の理解が伴い、それは膨大な喜びです。今後の詩作に資すること大だと思いました。まとまっているですか。いい意味で緊張感が伴うと思いました。詩のまとまりが意識できれば、詩語にも張りが生じると思うからです。
1白い心まで投げてしまって、その後には何色のものが残されるのか。二人の年齢だけが残されていたら面白いなと思いました。年齢だったら矢はなかなか刺さらない気がします。
1妻咲邦香さんコメントを有難う御座います。透明色などと言う色はないでしょうが、白色の後に控えて居るのは極めて虚構性の高い色が想定されると思います。年齢すら消えてしまう様な透明色を私は思います。確かに年齢しか残らなければ、矢は刺さらない。それでも考えて仕舞う年齢すら隠ぺいしてしまう透明色。トランスペアレントと言うのですか、透明色の魅力について考えて仕舞いました。
0ロシアとウクライナの関係性を思いました。石を投げる。アインシュタインの名言を思い出します。最終的に人は石と棍棒を使って戦争をするというアインシュタインの予言を思いました。石も尽きて、最後には白い心を投げてしまう。白い心は石よりも硬いと、石よりも致命的なダメージを与えうるものであるような気がします。唯一の希望として、
1類さんコメントを有難う御座います。時事的な話題ですので、私自身もロシアとウクライナの事は強く意識したのですが、アインシュタインは意識して居なかったです。アインシュタインの予言ですか。これだけ文明の発達した20世紀21世紀で、石と棍棒での戦争とは興味深いです。そうですね、強度の事は考えて居なかったのですが、ペンは剣よりも強しではないですが、白い心は石よりも硬いと。硬いだけでは無くて、石よりも「致命的な」ダメージを与えると。唯一の希望としてと言われると「致命的な」部分の解釈が、また新たな詩を生み出すのではないかと思いました。
0ひたすら争う心を腹一杯食わされ、矢になり石になり、気持ちの春が抱えるものの大きさを含んで腰を据える。バランスが整ったのだ。不透明な純粋でなさが「おぞましい顔」として現れ、離れたところから人の岩が浮き彫りに見える。その背の白さ。
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