そうだね、あれは二千年の冬だったかな。世紀末、世紀末だね、今日は冷えるね、世界はもう終わりだねって笑っていたの。そういう空気が世界を覆っていたかな。思い出せる人はわかるよね。ああ、そうだったねと、あの頃も今もそう変わんなくないかなと、そんな感じ。世界ってどの辺り?そうだね、あなたの手の中からフィンランドのてっぺん辺りまでかな。ばか!笑。そんなくだらないことをさ、語ってみようかなと、くだらなさ過ぎてキャラメルコーンみたく口の中でじゅわあって広がらないかなと。そんな感じです。象徴ってあるじゃない?言葉ってそのあたりから生まれたのかな?ほら、あれだ、人類は火が起こせるようになった?木をとんがらせて動物を食えるようになった?その頃なんだって。言葉が生まれたのって。わからなくはない、ああって、ああなるほどーって感じするよね。あの、それ、これ、ってそれだけじゃいけなかったんだろうね。火って。木って。食べるって。そういう風な必要があったんだろうね。世界ってすごいね、やるんだね、人類は。話は変わるんだけどさ、最近ね、思い出したの。世紀末よりちょっと前ね。十年くらい前なんだけどもさ、観念的なことを言う人間にだけは絶対にならないって決心してたんだよね。心細くてね、ひとりぼっちで生き延びなきゃって当時は十五万円くらいかな毎月のお給料ね。十五万円から家賃や光熱費を引くと七万円ぐらい手元に残って。あー自炊しなきゃ、着る服は1つ2つでいいかなって。あんまし仲良くしてくれる人はいなかったけど、なんだろう、あーって、他人を羨ましがってさ、人とおしゃべりしたり友達になって、一緒に遊んだりみんな羨ましいなあって思ってたかな。そう、卑屈にね、そういう欲が屈折してさ、おれは観念的なことをいう人間には絶対にならないって。意味わかんないよね?なんでそういう結論?みたいな。でもさ、いいんだよ。生き延びれただけでいいの。生き残れたのね。僕は一家心中から生き延びれたの。血の雨をみたことみなさんはあんまりないとおもうけれども、そうだよね、その後にバブル景気の時代があってさ、みんな羨ましいなあって。それでね、マンホールから下水道に入ってドブさらいをやってる時なんかね、綺麗な人たちの靴の形とか幸せさとか、そんなものをマンホールの下から眺めては感じながら、真っ暗な下水道で下半身半分ぐらいまで汚水にまみれてね、観念的なことを言う人間には絶対にならないって繰り返していたの。呪いってそれを言うの?そうだったのかもしれないね。わかんないや。あー、でも、だからかな、世紀末?もう世界も終わりだねって時代にも笑えていたし、今も僕は笑えているよ。そうだよ、みんな。おとうさん、おかあさん。
作品データ
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作成日時 2022-08-24
コメント日時 2022-09-08
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 19時57分30秒現在
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言葉なんか信じない信じない信じない。言葉なんか発する前に黙ってやれ。予告編なんかいらないんだよ。「がんばります」じゃねぇんだよ。 そんなことを思わせる作品でした。
0すみませんコメントというよりちょっと気になった部分への自分語りですが、石村さんがまえに「モノを書け」と仰っていたことや、芦野夕狩さんが学生時代は「ザッハリヒに」書けと指導されたというお話を思い出しました。ちょっと違いますが最近ではPOGEさんから嘘を書けと教えてもらったり。あとコモさんからは無理をしないで書くというようにも。 で私はまだ考え中ですがまあたしかに暗い夜と書かれた看板が暗い夜に立ってるのを見たことはないなーって思ったりしています。
0言葉って10文字か20文字有ればなんでも書けるのかもしんないじゃん。くだらないこと。この作品、みー君は7文字で書いたんだね。読んだよ。
03, 4cm程度の食べ物が舌に触れると全身に 幸福感が走って 一人の自分と比較すると謳歌してる他人に 劣等感を覚えて 光の当たらない汚い場所にいることに 嫌悪感を抱くことができるんだ。 オーロラにあっさりと飲み込まれるほど 何も無いちんけな世界じゃないんだ。 笑えるようになるかは分からないけど 私も生きてます。
0がんばった人には神様から贈り物がもらえますね。僕は、眼鏡の呪いから逃れようと頑張ったけど、うまく行かずにこのざまです。大変な経験をされたみたいですが、良い事をするとよくなり、悪いことをすると悪くなるというのが真理ですね。
0この作品を読んで考えたことは、観念的なものは実際的なものを省略して成立しているのではないか、ということでした。 でもどうしても「世間(という語はそもそも観念的ですが)」では観念的なものが支配的だなと思いました。
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