空想のバナナ - B-REVIEW
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空想のバナナ    

 放っておいたバナナは  三十三度の真夏日に  真っ黒な皮だけを残して  透明な液体となっていて  いつもよりも、耽美的な甘い匂いが  薄暗い台所に染みついて消えない  食べごろを過ぎた方がおいしそうなら  全て腐らせてしまって  それで  おいしそう、の幻想を  もうずっと極限まで高めたい  だって  食べられなかったバナナのことは  いつまでも忘れられないから  そうして  現実では決して得られはしない  想像上のバナナのおいしそうを  永遠に、味わっていたい


空想のバナナ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 11
P V 数 : 1058.8
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-11-12
コメント日時 2017-12-08
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:1058.8
2025/04/09 16時36分10秒現在
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    作品に書かれた推薦文

空想のバナナ コメントセクション

コメント数(11)
m.tasaki
(2017-11-13)

kikunaeさま 初めまして。 人生をバナナに象徴して、その本質をついたような、不思議な魅力を感じます。 その一方で、極限まで高めた幻想に溺れてしまう恐怖も窺わせます。

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kikunae
(2017-11-14)

花緒さま コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけてうれしいです。 前回と今回のものは割と最近に書いたものだったので、それまでに指摘されて改善した部分がきちんとなっていたようでよかったです。

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kikunae
(2017-11-14)

m.tasakiさま はじめまして、コメントありがとうございます。 8月に油断していたらバナナの液状化にあい途方にくれた日も、思い出せば困惑しつつも強烈に甘い香りを放つバナナに魅惑されました。

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杜 琴乃
(2017-11-15)

はじめまして。私もバナナを真っ黒にして実をほとんど液化状態にさせたことがあります。というか最後の一本は食べ頃をいつも逃してしまっているような…。案外、皮は頑丈で形を保っているのですよね。その皮に包まれた実はまさに幻想のおいしそう。実際に食べるのはおろか、剥くのも恐ろしい。 バナナというとどこか幼くまた庶民的なモチーフのイメージを持っているのですが、そこにものすごい幻想の広がりを感じました。おいしそうと想像している間はとても幸せな気分になれる、でも実際のそれはすでに腐っている。はたまた美味しくなるまで待っていたつもりが結果腐らせてしまったのか。とても面白かったです!(纏まりが悪い感想ですみません。)

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kikunae
(2017-11-16)

cotonoさま はじめまして、コメントありがとうございます。 バナナの液状化現象、初めて見たときは驚きますよね……私もいつも最後の方は黒くなって慌てて食べます。自分の伝えたかったイメージが伝わっててうれしいです。

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kikunae
(2017-11-16)

仲程さま コメントありがとうございます。 私もバナナのことだけ考えて詩を書いたので、人生と重ねられるのか、とコメントを見て新たな発見を得ました。

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湯煙
(2017-11-17)

腐りかけの頃が一番食べ頃らしいとは果物などでよく言われていたりしますね。甘味が増すといいますか。実際そのようですが。腐ってしまい更に液状化を果たした、そうしたものに耽美を嗅ぎとり引き付けられる。そうした働き、志向はなんだろう?と、そんなことを思いました。 ─いつまでも忘れられないから─で終えても良さそうですが、─そうして─以降が綴られているのが気になりました。・現実・という言葉が唐突に挿入されているのも逆に引っ掛かりを感じさせるようです。バナナというものそのものについて空想するのもありですが、他にいろいろ置き換えてという、なんてこともできそうで短いですがバナナのもつ魅力が擬縮したような作品と感じました。

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湯煙
(2017-11-17)

先のコメント訂正します。 ・擬縮→凝縮 でした。失礼しました。

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新染因循
(2017-11-18)

はじめまして。見えるものは虚構である、という印象を受けました。わたしたちの瞳から内部に取り込んだと感じているものが実は単なる虚構である……ということを、身近にあるバナナが象徴している、そんな凝縮された作品であるとかんじました。

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るるりら
(2017-11-23)

はじめまして。 たしかに 耽美的です。甘い背徳感が むせかえるようです。 食べられなかったバナナのことは いつまでも忘れられないものだと判明しました。 一読者の 私のバナナの記憶も よび覚まされたからです。 おもわず この詩を拝読して、バナナを購入してきました。それも 皮に黒い変色部分がなるべく多いものをセレクトしての購入です。 くやしいです。わたしのバナナは、この詩の想像上のバナナのおいしそうには かわなかった。 くやしいから 針でバナナの皮に文字を書いてやろうとしました。 バナナの皮に傷をいれたら黒く変色して文字が浮き出るはず。せめて 私の言葉で短文詩でも バナナに書いてやりたかった。 なんも うかびませんでした。 くやしいです。わたしの脳は この詩に 勝てません。 腐りそうです。しかし食べごろを過ぎた方がおいしそうなら 人生の熟しかたも おいしそうな熟し方があるのかもしれないので、わたしは腐らないです。 腐らないでいて、永遠の おいしそう、に、 わたしは成りたい!

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百均
(2017-12-08)

ああ、すげー好きですね。あんまり言葉にしたくないなぁ…耽美的みたいな感じな言葉は僕はあんまり好きじゃ無いです。それは、僕はバナナを腐らせた事がないからです。味わった事のない体験を僕は文章によって体感したいと思うからです。ですが、本作に限って言えば、 >おいしそう、の幻想を >もうずっと極限まで高めたい ここがすごいですね。こういう感触を文章で感じた事がないなぁ。僕は漫画とかアニメとか結構見るんですが、おいしそうなご飯って本当に読んだことがない。綺麗な物とか作ってみたいものとか、あるいは、おいしそうに描かれた料理を食べる人間の表情によっておいしそうと思うことはあっても。本作は読んでて、凄く甘い香りがしました。でもそれは僕が嗅いだ事のある究極的な甘い香りを思い出した訳で、本作に描かれているバナナの香りではない訳です。 耽美的な甘い匂いは語り手しか知っていないという独占感ですよね。この高級な言い方が本当にここではずるいんですよね。しかもそういう読み手を無視して語り手は >だって >食べられなかったバナナのことは >いつまでも忘れられないから >そうして >現実では決して得られはしない >想像上のバナナのおいしそうを >永遠に、味わっていたい 匂いの夢想に浸っている訳で、僕はこの光景を見せつけられているのか、覗いているのか、側に突っ立って見ただけなのか分からない置き去りにされた形になっている感じ。印象的なバナナのシーンから引きずり込まされて、置き去りにされるこの感じたまんないですね。正直白旗です。

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