あなたを待っていた
船でついたあなたに
白い花束を渡さなければならなかった
私の花束を捧げた
私は私の白い花束が小さいことを気にした
相応しくないような気がしたのだ
あなたが
なぜ着物を着てこなかったのか
と私に問うた
私は若い頃に来ていたビリジアンの
着古した粗末なワンピースを着ていた
あなたと同伴して来たトランスジェンダーの女が
中国語を教えてほしいと言う
私は知っている僅かな言葉を教えてやった
そしてその女に内心好意と興味を持った
建物の影にいた傀儡子が
もっとうまくやれ
そう後ろから忠告して舌打ちした
わたしはおろおろした
二人きりになった時、あなたが私に素早くキスをした
軽く、挨拶のようなキスの味が記憶に残る
あなたはどこかへ消え私はフロアに残された
映画監督が出てきて
メイキャップの女が私の顔を鬼女に見せて描き、紅をひいた
私は記憶が水しぶきを上げて興るのを感じた
それは満場の期待だったのか
私は木枯らしの中で己の役柄に悲しくなった
遠くにきらびやかな台本が堆く幾つか棚に積まれていた
インドのカタカリやアジアの舞踊も含まれていた
私はそれらの台本に羨望を持った
選択の自由に光があった
そして目が覚めた
抜け殻のように無一物だった
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1139.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2022-04-05
コメント日時 2022-04-11
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 1 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1.5 | 1.5 |
閲覧指数:1139.6
2024/11/21 23時09分18秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
若い頃に来ていた→着ていた 誤字、詩に誤字なんて許しがたいですね、すみません。
1性の多様性を認めることと国の多様性を認めることは実は違いを認めると言うことでは同じかもしれません。性の多様性を認めることが出来れば今より差別は減るでしょうし国の多様性を認めることが出来たらひょっとしたら戦争を防ぐことも終わらせることも出来るかもしれません。とりあえず目の前の人を認めようと思います。
0本当にそうですね。ひとつ、差別をしない、と胸に公正な心を持とうとすることはすべての事に関係しているかもしれません。友愛を旨とする、スタンダードを持つ必要があると思います。
0白い花束が何なのだろうと気になりました。もしかしたら本当に夢で見た光景を忠実に再現されたのかなと思いました。もしくは、夢は派手でも現実は空っぽ、ということを作者は言いたかったのかな……と。いや、それはちょっと安易すぎますね。それなら夢が派手なヤツは現実も派手だ、と書かれる方が私にはリアルに響きます。面白いものを書く人は、絶対に面白い人に決まっているからです。
0おはようございます。私の夢は現実の示唆やアイデア、警告や忠告、提案、希望、願望など、起承転結になっていることが多く、夢占いのように参考にして、現実と対応しています。お告げのような気持になったりします。いろんなことがあっても内実が空虚なことはあるでしょうしね。
0何というか文章がもたついている感じがしますが、夢特有の不安定さを表現するため故意にやっているのか判断に迷います。そういう意図があったとしても花束の部分はちょっとくどい印象を受けました。 夢の話って他人にとってはあまり面白くないことが多いんですが、詩として読ませるのであればそれなりの工夫は必要ですよね。ラストの数行に関しては夢の不思議さや目覚めた直後の虚しさがけっこう上手く表現できていると思います。
1