庭いじりをしていると、いつもやってくる猫がいて、勝手に名前をつけて、「ミャー」と呼んでいる。睾丸はついていないから、きっと雌猫だ。
ミャーは紺色で、額に白いダイヤ模様がある。近所の子どもは、それをからかって、やれ鳩が糞を落としただの、融けるのを忘れた馬鹿な雪だの、ひどい云いようだが、ミャーはけっしておこらない。
さいきんミャーは、おこりっぽい。わたしが撫でようとすると、いつもは目を瞑って、軀をこすりつけてくるのだけれど、触らせてすらくれない。庭のチューリップに、ミャーが口づけをする。チューリップの色素は、ミャーの額を彩ってくれない。
毛並みが綺麗な猫が、ミャーのうえにのしかかっていた、と奥さんが云った。たちまちその話しは広まって、ミャーは家にこなくなった。
作品データ
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作成日時 2022-04-03
コメント日時 2022-04-05
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時22分59秒現在
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ストレートに猫の話として読んでいくと、最後の 毛並みが綺麗な猫が、ミャーのうえにのしかかっていた、と奥さんが云った。たちまちその話しは広まって、ミャーは家にこなくなった。 に、ぶち当たるわけですがわざと関連のないふたつの事実を関連があるかのように書いただけなのか、頭からすべて隠喩に彩られたお話なのかわからなくなりますね。 合わない文章を差し込んで脱線させて余韻というか後味を作っているだけかなぁ、と前者で考えてるけど、まだまだわからない。
1コメントありがとうございます。 第三ブロックはじめの、おこりっぽいミャーが、彼女の妊娠を暗示しています。ご指摘の最後は、ミャーがすがたを消す前、繁殖行為をしていたことを書いて、繋がりを持たせましたが、省略のし過ぎもあり、脈絡がないように見えてしまいます。 時間の経過が知らずのうちに起きているため、少々入り組んでしまったことは、これからの課題になります。 読んでいただきありがとうございました。
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