作品を読む
平等のための不平等
この世は平等を謳いながらも不平等に満ち溢れている。 今現在の日本社会の経済格差からもそれは容易に汲み取ることができる。 作者はその現象をもっとミクロな視点でみている。身近にあるエピソードだが、全く本当にかくもこの世は不平等なのに平等を叫びたがる。 記憶に新しいのは旭川や名古屋でのいじめ自死である。 平等に過ごせるはずの学校教育下で明らかな不平等が起きている。配慮は行われていない。配慮のことを不平等という人もいるがわたしはそうは思わない。 そして若い女の子たちは命を喪った。 名古屋の自死では教育委員会が機能しなかった挙句に 加害者を加害者と呼ぶな、と教育長が発言している。未来ある少年だから、と。 では未来に絶望し命を絶った少女の未来はといえば死人に口なしとばかり黙り込む。 死んだのは教育長ではないはずだ。 そのような問題提起をさらりと投げかけてくる。 作者はそのような疑問の投げかけを意識的にしたかどうかわたしにはわからない。しかし少なくともわたしには平等の概念や事例を考えさせてくれる作品だった。 線路に身を投げる人。遅延に嘆く人。遅延した人を咎める人。いろいろある。 しかし、身を投げる人には身を投げるだけの理由があったのだ。 そんなわたしが 助けて、と叫んでも助けられた試しがないことを痛感した。 いろんな立場の視点から是非読んでいただきたいと思う詩でした。
平等のための不平等 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1029.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
作成日時 2021-12-16
コメント日時 2021-12-16
批評ありがとうございます。 作品の思いを汲み取って頂きありがとうございます
1