柔らかな気持ちになる
風を感じる
一輪の孤独が
憔悴して打ち震えている
潤いが全身を駆け巡る
今夜はぐっすりと眠れそうさ
夜風に耳を澄ましていれば
か弱い響きに胸を締め付けられ
ああ――いつだってほんの少しの勇気さえ
あればいいはずなのに
凄惨な状況でもどこかに隙間は見つかるはずと
刺々しくても
甘い匂いなら微かに嗅ぎ取れるはずさ
古びた静寂
底知れぬ魂の産声よ?
光っていてとても硬くて
誰の手にも触れられない聖域だ
おぞましかったけれど
忘れないように暮らしていこう
小さなものでも
愛は宿るのだから
悲しくなったり寂しくなったり
するこの気持ちは慈悲なのか
優越感じゃないのか
街燈の光に慰められていたい
透明感の鋭い部分を
後生大事に墓場に持っていこう
たとえば郷愁とか
淡い景色の中に迷い込む小さな心
どこまでも果てしなく煌めく
全てが許されるような奇跡の花々が
乾きも潤いも同時に恵んでくれる
無条件の
超越した人外の
心のようなものに包まれていた
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1499.8
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-11-16
コメント日時 2021-12-07
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1499.8
2024/12/04 02時30分54秒現在
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『実験07』という飾り気無いタイトルに、この素敵な詩に似合うドレス(タイトル)を着せてあげたい。と思わせるほど、純粋な、綺麗な世界を、私に伝えてくれた詩です! これ以上、言える言葉が、今はありません。
0柔らかい雰囲気の中にも、ふと不安が過ぎる。「たとえば郷愁」。人外の心の様なもの。底知れぬ魂の産声とは。墓場に持って行くものはもしかしたらもっと具体的なイメージを内蔵して明かさないのかもしれないとすら思いました。
0本当に綺麗なのは、あなたの感性ですよ。 あなたの感性なら、きっと雨も輝いて見えるのでしょう。 ありがとうございます。
1秘密なんて何もなくて、ただあるがままです。 墓場まで持っていく秘密は、決して詩にすらしません。 ですから秘密のない作品であり、あるがままなんです。 しかし、再現度と言えば、やや劣るのかもしれません。 それは言葉の性質上、仕方ないものです。 言葉とは、どこまで行っても一部にしかなり得ません。 しかも恣意的な抽出でもってです。 即ち、今、酒を飲みながらこのコメントを書いているのですが、 目の前の風景を全て言語化して伝える必要がないように、 自分が伝えたいものを伝えるためには、 伝えないものも選別しなければ、キリがないんです。 私は今、台所の前で椅子に座って、マールボロのメンソール8mmを吸いながら、赤ワインを飲み、ちまちまとこのコメントを打っています。 でもその状況を別に秘密にしているわけではなくて、伝える必要のない情報ですよね、マールボロだの、赤ワインだの。 そのようにして、伝えたい内容をそのままに伝えたのです。 もちろん、恣意的な抽出でもって、です。 そういった意味では、あるがままであれど、一部的なあるがままではありますが。 秘密などは決して詩にすらしないものですから、あるがまま読まれた通りで、何ら難儀するものはございません。 ですから、辞書通りに読まれる方が、正解なんです。 ありがとうございます。
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