砂が壊れた、
影に溺れたひとすじの塔は
一脚の椅子に
沈殿して行く
悍ましい向日葵の群だった
*
宮殿迷宮学の黙読を暫し遮る京浜東北線下のパンタグラフより
上水路を遡航し、煙草の箱に収められた幽霊達、
翰墨の融点を以て蝶蛾を採油させるも
時間の、
例えば誰かしらは
挨拶達の通奏低音を呈す
昏迷と
塵を
きっと幸福を呼ぶ種籾とでも妄信しているのだろう
括れた鏡
括れた梨の実
そして退屈な狂人達は
窓外を腐蝕の海溝として怖れ已まない
前程の提起
実行をされた現実だけが実の虚実であるなら、
釣鐘を亙る道化、或は烽火を報せる櫓にも、
翻訳された海縁を決して泳いではならない
朦朧たる確実の
鳴笛に
水歿した国家を
現在としての永続に甦生せしめた
理痴を識るなら、
_
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1100.2
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-11-11
コメント日時 2021-11-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:1100.2
2024/11/21 23時05分19秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
純粋に美を追い求め続ける作者の姿に心を打たれる。確立したスタイルの鋭角が極北へと伸び切っているかのよう。豊潤な語彙力をダダイスティックに使いこなすその才気には鬼気迫るものがある。言語でしか表現できない世界の手触りは確かであり、破壊的で、洗練されている。
0拙作に有り余る程のお褒めの言葉を賜り、心より嬉しく存じます。 何処までを伝えるべきか、何処まで自身の感覚を信頼するべきか、いつも躊躇い、記述をさせていただいております。 もはや現代の詩に於きまして、美的表現を優先する姿勢は些か旧く、価値の劣るものなのかもしれません。 而して、やはり美を伴わない表現、と謂った選択を考える事は、私には、出来ないものですから。 背中を押して下さり、ありがとうございます。
0