夏を知るには遅すぎる
秋を知るには早すぎる
過ぎてしまえばノスタルジアに
呑まれていつかに溶けていく
構成された季節の中に
私という存在はどこにも無くて
ただただ眺めていたはずの記憶など
実はどこにも在りはしない
昨日降った雨は温かったが
今日の私は雨音を忘れている
濡れた靴が乾いたら
いつかと同じの、冷たい雨になる
昨年降った雪は確かに冷たかったが
指先が凍えていたかどうかも知らない
手袋が温かったような気もするが
これも一つのノスタルジアか
どうせ、今日のことも、
帰路についた時間
まだ濡れているアスファルト
未だ鳴き続けている蝉の声のか細さ
夜露を辞書で引いて、
そして言葉の意味を、
初めて肌で実感している
歩いているだけの今夜のことも
どうせ、明日には溶けている
知っていてもいなくても
今日も全てが普遍化していく
昨日の全てがそうなるように
ノスタルジアに溶ける前の
私は今しか生きていない
さようなら、今日の私よ
どうせ、明日になれば元通りだよ
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1115.6
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 2
作成日時 2021-09-09
コメント日時 2021-09-15
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
閲覧指数:1115.6
2024/11/21 23時39分34秒現在
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何か良い詩だなと思うんだけど、アホな私には、それ以上の考えは浮かびません。 素直に素敵やんって。何か、誉めるだけの、お茶濁しみたいなコメントになってしまってますが、そう思う人間も居るという事で、ご勘弁願いたいです。
0コメントありがとうございます。 お茶濁しだなんてとんでもないです。 何となく良い、というような感想を頂けるのは寧ろとても嬉しいです。 何の穿ちがなくとも、感覚的に良いと感じてもらえたんだなと、実感することが出来るので、本当にただただ嬉しいです。 ありがとうございました。
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