はじけている
血が 肉が 骨が
脈動もないまま
ぱちぱちと
色を変える火花
回路を切り替える
永遠として
留まったセルの1枚が
ひらひらとゆれている
息を吐き出した
は、
その一瞬が
壁に貼り付けられていた
ピンに止められた時に
心臓はない
ふるん、とふるえたからだ
拍を打つ一点
そこだけに色がある
送り出された生が
更新されるために
脱ぎ捨てられ続ける器の中で
赤くひかる硝子細工だけが
護られている
そこに意志はなく
目的だけがある
立ちつづけるためだけに
私たちは呼吸をする
分岐する可能性の上を
いたずらにころころと走る
大理石とこすれ合う音が
きゃらきゃらと笑っている
いのちがある
ただここにある
いつかあてもなくなにかへと
訪れる瞳がまばたいて
よろよろと彷徨う
ゆりかごの先を
たのしげに眺めている
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1133.9
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-08-02
コメント日時 2021-09-06
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1133.9
2024/11/21 22時38分47秒現在
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ずっとコメントをしようかどうか悩んでいた詩です。というのも、「読ませられ」「表現に圧巻され」「未知の感情(これを詩情と呼ぶのでしょうか)を抱かせる」の3つをやり遂げているし、どうしようもなく視線が集中してしまう。やわらかい表記ばかりなのに、感想を言うために少し切り取ることさえ許していない。 なんというか、圧倒させられる詩でした。
1昔の話ではありますが、君は読み手に詩を渡してくれないね、と言われたことがありました。それは多分私の性でなかなか変えられるものでは無いと思うので、このように受け止められるものになったことは、とても嬉しく思います。
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