右足をドブに突っ込んだ
そのことだけは憶えている
何曜日だったかは憶えていない
右足をドブに突っ込んだ
登校中だったことは憶えている
何年生の頃だったかは憶えていない
あの朝校庭に足跡を残し
間も無く乾いたはずなのに
あの滲む感触だけが記憶に残る
あの日履いていた靴の色
靴下の柄に何があったか
私はあの瞬間何を口走った
友達に何を話した
その友達は誰だった
どんな授業を受けていた
裸足で受けていたのだろうか
濡れた足で、私は困っていたのかな
母に何を伝えて、
そして何を言われて、
新しい靴を買いに行ったのだろう
私のあの日に意義はない
ただただ、右足をドブに突っ込んだ
私に、世界に、残された
あの日の事実は
それ以外は乾いて消えたらしい
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 1634.1
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作成日時 2021-06-09
コメント日時 2021-06-30
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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2024/11/23 19時04分38秒現在
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登下校って、すごく記憶に残る出来事ってありますよね。良い出来事も最悪だったことも。
0コメントありがとうございます。 そうですね。頂いたコメントに尽きます。 それ以上でもそれ以下でもない内容ですが、勢いで何となく書いてしまいました。
0こんにちは。 少年少女時代の不可思議な体験っていうのは、妙にこびりついて離れないですよね。井上靖の詩でもそういうのがありました。
0すごく共感する内容でした。 外縁はほとんど覚えてないのにたった一つの事柄だけが今でもフラッシュバックするくらいリアルに残っている、というのが、素朴な言葉でリアルに表現されていると思います。 忘れてしまったことを列挙しながら覚えていることを際立たせるというのも効果的だと感じました。
0コメントありがとうございます。 そうですね。側溝で踏み外すと意外と痛いしビックリしますよね。 まあだからこそ記憶にこびり付いてるのでしょうね。
0コメントありがとうございます。 浅学にして井上靖の作品をそれほど知らなかったのですが、電子書籍で調べたら面白そうな本がいっぱいでした。これからハマるかもしれません。 本作に似ている詩も見つけられたらなと思います。
0褒めていただけたり、共感していただけたりすると、なんというか寧ろ返信に困っちゃいますね笑 もう本当にただただ、ありがとうございますに尽きます。 読んでいただきありがとうございました。
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