見てごらんよ
骨がないている
太陽が目を
じりじりと食い尽くしたあと
たったひとり
置いていかれた
その意味が
すかすかの手の甲をすりぬける
濡れた黒ボク土をさまよう
あおい新芽がぱかりと割れて
肋骨のきしみの隙間から
衝動が生まれ出ようとしている
鼓動を聴く
ここにはない
灰になったからだ
小さな壺の中から
覗く世界はどこか白い
雨が降っている
骨盤がびちゃびちゃと跳ねて
空間は僅かにたわむ
びっしりと張られた
交差する糸
存在はその上を知らぬ間に歩き
世界がまた純度を増す
骨 白い骨がのびている
がらんどうを抱えて
ただそこにある
膝を抱え込んで
時が肩を叩く日を待つ
何も変わることは無い
ただ焦点がずれてゆくだけで
どこにでもいられるのなら
どこにもいないまま
うつくしい骨がたっている
誰でもある骨が立っている
たったひとりのままで
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 1495.1
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2021-05-14
コメント日時 2021-05-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:1495.1
2024/11/21 23時15分27秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
もうひとつの骨、骨壷のなかの砕かれた骨、つまり死んでしまったものの骨と自分の骨がひとつになっている。彼岸へ通り過ぎた生命というよりは、この世界に還元された生命があってそれは自分と明らかに繋がっていて重なりがある。置いていかれた、という心境からそうした繋がりを確かめるような詩文に非常に惹かれてしまう。今の段階ではうまく言葉にならない。もう少し考えてから、再度、向き合いたい。
1骨、というのはいわば人間の芯である訳で、そこを掘ってみました。
0擬音の使い方が相変わらず上手いですよね。ぱかり というところ。
1