漣星の映る海 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

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これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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漣星の映る海    

直立するBLDG.にあめがふるから あらがいもせんとあめがふるから じっとあたまを下げている suicaにチャージした90% 都市の寝息に触れぬよう 絶え間なくそっと そっと絶え間なく 要約された心をほどけよう 電子音の号令が万雷してる 色とりどりの折鶴が飛んでゆく あめとあめのすきまを 雷が走る 下げ過ぎた頭上に 羽を休めた折鶴が体をふやかして 耐え間なく絶え間なく 幾たびもまた幾たびも  あめがふるから あてどなく透きとおっては あめがふる/あめがふる/あめがふる/から /波紋してゆく /絶え間なく /あてどなく /透きとおり煌めくことはなく /されど水溜りの中で澱むことは許されず “ei ei ou de ei ei ou”   /// /// /// “zutto zutto ei ei ou” 跳ねり気を含んだ勢いが水打する 都市の人だまりから、ひとすくい 私を、 すくって すくって すくって/くれろう_? 湧き立つ水面に横たわる 真夜中の信号テンポ正く 水没してるる都市群を 折鶴の群れが渡ってゆきます 私は私の心臓を思い出せないまま そっとふやけた折紙を海に浸して 魚になって泳いでゆきたい ゆうるり ゆうるり ゆっくりと 魚になって泳いでゆきたい ゆうるりゆうるり  ちか ゆうりりり 明滅する虹彩が ふたつに砕けて闇夜を抱けよ ちゃんと砕けて星へとなれよ


漣星の映る海 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 997.7
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-09-10
コメント日時 2017-09-12
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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叙情性00
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 エンタメ00
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閲覧指数:997.7
2025/04/16 13時03分41秒現在
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    作品に書かれた推薦文

漣星の映る海 コメントセクション

コメント数(3)
三浦果実
(2017-09-11)

歪なビルや信号灯が煩い都市に発生する洪水のようなまぼろしが心地よかった。だいたい、おおよそ、おそらく、世界の終わりはスローなんだろう。ゆうるり。そんなことを思った。

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kaz.
(2017-09-11)

これがまたこのところ見た中でかなり良い作品。もしそちらが良ければチャかシズムの秋号(多分11月頃に出ます)に載せたいのですが、いかがでしょうか。ご承諾頂けるのであれば、waxing.and.wandingあっとhotmail.co.jp まで承諾のメールをお送りください。多分、この作品にはちょっとした解説も添えようかと思うので、それもお見せしたい(書けるかわかりませんが、書けたら送りたい)。

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まりも
(2017-09-12)

〈直立するBLDG.〉・・・なんかカッコイイ表現だけど、なんだろう?とググって(この言葉も最近覚えた)みたら、ビルディング・・・そうか、そうなのか。 ちょっとした言い換え、なのに、不思議なほどスタイリッシュになったり、ムードが変わったりすることがありますよね・・・あめ、あたま、のひらがな表記がうみだす柔らかさ。〈都市の寝息〉なんていう、そのやわらかさを体感しているように受け止める比喩。〈絶え間なくそっと/そっと絶え間なく〉こうしたリフレインは、うるさくなりがちですが・・・この場合は、右から、左から、というような、柔らかくタオルを畳んでいく動作のような質感につながっているような気がしました。 〈要約された心をほどけよう〉ここを、初読では、とどけよう、と誤読したのですが・・・ほどこう、ではなく、ほどけるだろう、でもなく、ほどけよう・・・文語的な表現とも言えますが、心も、ではなく、心を、なのですね。心を、なら、ほどこう、なのではないか、でもそれでは、推量や可能の意味が込められない・・・難しいところです。 〈万雷してる〉とか〈波紋してゆく〉などの造語的な用法(意味はもちろん伝わりますので、表現の工夫の範囲に収まるイレギュラーですね)されど、水打する、というような文語的な表現、〈くれろう〉などの表現がアクセントになっていますね。調子の良さや語呂、リズムの良さで流れて行ってしまいそうな詩文を、釘打ちするというのか、ちょっとひっかけて止める、そんな役割を果たしているような印象がありました。 所で・・・作品名は、れんせいの映る海、でしょうか?さざなみぼし?連星、をイメージしつつ、どちらかというと水際や水面、さざなみ・・・を全体から感じました。連星のイメージなら、引き合う力、引き合いながら、決して一体化しない、重なり合わない二人、のイメージも重なります。でも、作品から感じるのは「ひとり」。ひとり、と、まだ現れていない、あなた、きみ、への呼びかけ、という印象もありました。 都市の路上に現れた水たまり。そこに写り込む、ビル街の景色。そのゆらめく美しさと、すぐに壊れる幻影としてのはかなさ。そして、吐き出された(願われ続ける)祈りを暗示するような、幻影のビル街の間を飛んでいく、折り鶴のイメージ。

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投稿作品数: 1